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【前編:検索報告書に学ぶ】アイロボットのルンバ(掃除ロボット)を例に特許検索を学ぶ

今回のWeekly特許検索はゼロベースから検索式を作成するのではなく、特許情報プラットドームの[経過情報]に掲載されている検索報告書を参考にしながら、特許検索のアプローチ・検索式作成について考えていきたいと思います。

今回お届けする内容は出願前の先行技術調査だけではなく、特に他社登録特許を無効化するための無効資料調査・先行例調査を行う際に役立つと考えています。

予定では

前編:検索報告書の探し方、付与されている特許分類と検索式で利用されている特許分類の確認、検索アプローチの検討
中編:追加調査すべき特許分類の検討と検索式の構築
後編:検索式のブラッシュアップと他にチェックすべき書類

の3回シリーズでお届けしたいと思います。

1. 検索報告書の探し方

検索報告書を知らない方もいらっしゃるかもしれませんので、まずは検索報告書とは何か、どうやって探すのかについて説明します。

検索報告書とは包袋(審査経過書類=J-PlatPatでは[経過情報]から確認)に含まれている書類で、特許庁審査官または登録調査機関が実施した先行技術調査の検索式・検索結果等が記載されたものです。

特許庁では、審査の際に必要な先行技術調査等の外注を拡充するため、平成16年通常国会で「工業所有権に関する手続等の特例に関する法律」を改正し、外注先の基準から公益法人要件を撤廃するなど、民間活力を活用するための環境整備を行いました。その結果、現在では9機関が登録調査機関として登録されております。
出所:https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/toroku/index.html

審査請求された特許については原則先行技術調査が実施されているはずなのですが、残念ながらすべての特許文献で検索報告書が見つかるわけではありません。

検索報告書の探し方について、今回の記事で取り上げるアイロボット社の特許を例に説明します。

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