キーワード検索で注意しなければいけない場合-マッサージ特許訴訟を例に
「知財情報を組織の力に🄬」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。
先日、フジ医療器とファミリーイナダが争っていたマッサージチェア特許訴訟に関する以下のニュースをご覧になった方も多いかと思います。
大阪地裁と知的財産高裁のいずれも、特許権者であるファミリーイナダの受けた損害を幅広く認める判決を言い渡しました。
今回はこの特許訴訟の対象となったマッサージチェアを対象に何回かに分けて特許検索や特許分析のコツ・テクニックについて解説していきたいと思います。
まず第1回目はキーワード検索を行う際の留意点です。
1 特許検索式の基本パターン
拙著「特許情報調査と検索テクニック入門」やセミナー等でもよく解説していますが、特許検索式の基本パターンは
キーワードのみ(キーワードのAND演算など)
特許分類のみ(特許分類単独、特許分類のAND演算など)
特許分類とキーワードの組み合わせ
の3つがあります。特許調査・分析の目的に応じて、
適合率・精度・・・ノイズが多いか少ないか
再現率・・・・・・モレが多いか少ないか
を意識した検索式を作成する必要があります。
今回、冒頭で紹介したマッサージチェア(マッサージ機)に関する母集団を作成して特許出願トレンドやフジ医療器とファミリーイナダのマッサージ機出願におけるポジショニングを確認したいとします。
母集団検索式でヒットした特許・実用新案をそのまま分析ツールやExcelで分析するという前提で、動向分析目的かつ母集団をそのまま分析するため、多少のモレがあったとしても許容して、可能な限りノイズが少ない(=適合率・精度が高い)母集団を作成しましょう。
2 まずはキーワードで予備検索
まずはキーワードで予備検索を行います(執筆時にJ-PlatPatがメンテナンスだったため今回は有料データベースであるPatentSQUAREを利用しています)。
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