スマートワークス・酒井さんとの特許検索アーケードバトル【リターンズ】on YouTube (2020.6.7開催) 振り返り
6月7日(日)22時にスマートワークス・酒井美里さんと行った特許検索アーケードバトルについて、振り返っておこうと思います。
なお、特許検索アーケードバトルの動画は、現在イーパテントのYoutubeチャンネルからもご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。
振り返りを行う前に、そもそも「特許検索アーケードバトルって何?」という方もいらっしゃるかと思いますので、そのあたりから話を始めたいと思います。
特許検索アーケードバトルとは?
特許検索アーケードバトルを始めたのは2019年11月の特許情報フェアでした。特許情報フェアにイーパテントとしてブース出展する際は、何かしらのイベントを行おうと考えているのですが、2018年はイーパテントブースでのトークセッションを企画しました(一部最近のトークセッション動画も含まれています)。
このトークセッションには合計11名もの方に登壇いただき大変好評でした。しかし、同じ企画を2年連続して行うのは好きではないので、はてさて2019年はどうしようかな?と考えていた際に思いついたのがライブ特許調査と特許検索アーケードバトルでした。
ライブ特許調査というのは、イーパテントのブースにお越しいただいた方からお題をいただき、その場で15-20分程度でJ-PlatPatを用いて検索式を作成するイベントです。今でもイーパテントのYoutubeチャンネルにてライブ特許検索&特許分析として配信しています。
一方、特許検索アーケードバトルですが、これは私1名で特許検索をするのではなく、イーパテントのブースにお越しいただいた方と、その場で特許検索のバトルを行うものです。どなたかにお題を出していただき、30分で検索式を作成します。
結果的に2019年11月の特許情報フェア時に対戦いただいたのは2名で、そのうちの1名がスマートワークスの酒井美里さんでした。その時の様子をスマホカメラで撮影いただいた動画があります(動画が傾いていますが、ご容赦ください)。
今回、酒井さんとオンラインで再戦しましょうかという話になり、再戦の際のやり方についてアンケートを取ったところ、先攻→後攻方式になりました。
どんな問題だったの?
今回の特許検索アーケードバトルの出題者はにょんたかさんにお願いしました。どんな問題だったかというと、
のようなウイルス対策AIアプリでした。
対戦後に出題者からの解説がありましたが、「見える化、可視化」のところをあまり重視していなかったのは反省点でした・・・
どんな風に特許検索したの?
出題者のにょんたかさんからの説明の後に酒井さんとジャンケンをして、勝った私は先攻を選びました。
特許検索する際の簡単な流れは、
1.予備検索で関連する公報を見つけ、キーワード・特許分類を特定
2.1で抽出したキーワード・特許分類を用いて検索式作成
3.検索式の確認および修正
となります。私は今回の発明を、
A. コロナウイルス等の感染症
B. 従業員
C. 位置や活動
D. 追跡
の4つの要素に分けて捉えていましたので、このA~Dに関連する特許分類やキーワードを探していくことからスタートしました。
詳細は動画の方をご覧いただければと思いますが、
私の場合、メモ帳(Excelの場合もあり)に予備検索で見つけた特許分類やキーワード・同義語を整理していきます。
ちなみに今回の予備検索ではJ-PlatPatを使いました。Google Patentsでも良いかなぁと思ったのですが、なんとなくの直感でJ-PlatPatでした。
拙著青本「特許情報調査と検索テクニック入門 改訂版」では特許検索マトリックス・関連性マトリックスというツールを使って検索式を構築することを推奨しているのですが、さすがに30分弱という限られた時間内での検索式作成であるため、そこまでちゃんとはまとめていません。
キーワード・特許分類がそろったら、検索式を構築していくのですが、検索式作成はパターン化していて、
キーワード同士のAND演算
特許分類とキーワードのAND演算
特許分類同士のAND演算
に沿って作成しました(今回特許分類同士のAND演算は使っていません)。
2019年11月ではJ-PlatPat縛りだったのですが、今回は利用するデータベース・ツールの制限を外したので、私はいつも仕事で使っているPatentSQUAREを使いました。以下が30分弱で作成した検索式です。
S2~S6がキーワードのみのAND演算、S8以降は特許分類とキーワードのAND演算で、感染症×従業員という概念のAND演算を中心に組み立てました。
対戦を振り返って
1人でのライブ特許検索やライブ特許分析は、前職ランドンIP時代からやっているので、特に緊張することもないのですが(失敗することはありますが)、対戦形式は緊張しますね。
発明についても”リスク可視化”、”リスクの見える化”については、もう少しポイントを絞って検索を行っても良かったなぁ~と思いますし、検索式も今から振り返れば、PatentSQUAREが使えたので近接演算をもう少し多用すれば良かったなと反省。
とはいえ、なかなか人の検索プロセスを見る機会もないと思うので、ご視聴いただいた皆様に多少なりとも参考になったのであれば幸いです。
最後に、今回対戦していただいたスマートワークス・酒井美里さんと、対戦2日前に急遽お願いしたにも関わらず素晴らしい問題を出題していただいたにょんたかさんに感謝です!
酒井さんとの特許検索アーケードバトル、再戦も企画しておりますので、また次回をお楽しみに!