ソニーとホンダの電気自動車(EV)での提携に関するシナジーを特許情報で確認する(その1)
「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。
先日、ソニーとホンダが電気自動車(EV)事業で提携し共同出資会社を設置し、2025年に両社で開発した電気自動車(EV)を発売することを発表しました。
ソニーはCES2020においてEV試作車両「VISION-S 01」を発表し、
CES2022において、2022年春に「ソニーモビリティ」を設立することを発表しました。
ソニー単独で電気自動車(EV)事業へ参入するかと思われていましたが、ホンダ(本田技研工業)との提携を選びました。
一方のホンダはGM(ゼネラルモーターズ)との提携を強化していましたが、電気自動車についてはソニーとの提携に舵を切りました。
ホンダがGMと破談したというニュースは特に流れていないので、ホンダはGMとも提携しつつ量産効果を追いつつ、電気自動車事業についてはソニーとも提携ということになります。
さて、当然提携となると気になるのは両社のシナジー効果です。
今回は、ソニーとホンダの電気自動車(EV)関連特許から、両社のシナジー効果が得られる領域について分析していきたいと思います。
1 ソニーとホンダの電気自動車関連特許
まずはソニーとホンダの電気自動車関連特許出願について、全体出願状況について見ていきます。
以下はデータベースPatbaseで全文に「電気自動車」などが含まれているグローバル特許(実用新案)を検索した結果です。
ソニーが2,228ファミリーに対して、ホンダは5,905ファミリーです(ちなみに同じ条件でトヨタ自動車を調べると20,014ファミリーとなります)。
ソニーで検索をしていますが、デクセリアルズ(元ソニーケミカル)や現在の権利者がソニーではないものもありますので、PatbaseのPPA(推定出願人)をベースに整理すると、ソニーは2,228ファミリーから1,922ファミリーとなります(グループ内の内訳は後ほど紹介します)。
一応、過去にソニーとホンダで電気自動車分野における共同出願がないか確認してみましたがありませんでした。
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