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『株価』を分解すると狼狽える必要はないとわかります

こんばんは🌆

月曜日に再びブラックマンデーが来そうな雰囲気になってきました。

買うか売るかの判断はお任せしていますが、株価のメカニズムがわかれば特に狼狽える必要はありません。Xではわーわー騒いでいますが、〝そういう仕事〟なのでどうかご理解ください🥺

noteだけは常に真面目に書いています。

今回は「株価とは何か?」について考えます。


1.【買って後悔するのは短期トレードの思考になっているから】

例えば5000円の株が「割安だと思って」買った後、4000円に下がりました。もし100株買っていたら10万円、200株買っていたら20万円の含み損が表示されます。

そこであなたはこう考えます。
「20万円は手取り月収分。たったの数日でこんなにお金を失ってしまった。あの時買わなければ良かった」と。

しかしこれはトレーダー的思考です。投資家的思考とは全然違うんです。

もしこう考えるなら、あなたはトレードをしなければ辻褄が合いません。あなたは投資家ではなくトレーダーに転向すべきなんです。トレードも立派な稼ぎ方ですよ。

トレードとは「上がるか下がるかの2択をいかに期待値プラスに持っていくか?というゲーム」です。

例えば、40%の確率で100円ゲット60%の確率で50円を失うゲームがあったとします。

これを見た時に瞬時に「やるべき!」と考えられた人はトレードの基本的なことがわかっています。数回では確率がぶれますが、数千回数万回と繰り返していくと徐々にお金が増えていくはずです。これがトレードの考え方です。

でも株式投資は上がるか下がるか50%の世界です。

そういうゲームはほとんどの個人投資家は負けてしまい、大口に資金を吸い取られます。トレードは本質的にゼロサムゲームであるため、「どうやったら人からお金を奪い取れるのか」という思考が大切です。そのために悪質な連中は、SNSを使って時価総額が小さくて株価が動きやすい小型株を買い煽りしたりします。

ちゃんとテクニカル指標を使ってステージ2Aでモメンタムが強い銘柄を探し出して順張りしたり、思惑が外れたらすぐに損切りして資金を守るなど、まともなトレーダーがほとんどですけどね。それでもトレードで勝ち続けるのは本当に難しいんです。実際私は今年トレードに挫折しました😭

トレードで勝ち続けているテスタさんでも、高配当株ポートフォリオを作っているのはなぜでしょうか?

それは「トレードでお金を失っても生きていけるように資金管理をしているから」にほかなりません。

つまり、お金を失うこと前提で取引をしているのです。投資家の思考とは根本から異なっています。トレーダーは事業の分析や理論株価の計算なんてしません。トレーダーは経営ではなく値動きにお金を投じるからです。

だから株価が予想外の動きになれば損切りします。でも、だからと言ってそういう人の取引を見て、投資家が値動きだけを見て損切りをしたり利確をするのはナンセンスなんです。



2.【事業に投資をするとは?】

事業を見て投資したのに、値動きに惑わされて損切りするのはズレていると思いませんか?

事業を見て投資したのなら、株価ではなく事業を見ないといけません。投資家が心配することは「この会社のこの事業は中期経営計画通り営業利益⚪︎⚪︎円を達成できるのか、社員の定着率を上げられるのか、株主資本を事業投資に回してそれが利益につながっているのか?」という経営に関わることです。

でも少し考えたらわかるように、こういう経営に関わることは数日や数週間では判断できません。企業利益は1日で増えませんし、工場建設も人材育成も数週間で結果は出ません。会社の価値はもっとゆっくり動いているんです

しかし実際には、株価は数日で大きく動きます。7月後半からの半導体株なんて酷いもんです。東京エレクトロンは45%、ディスコは50%も下落しました。時価総額が10兆円を超えるような超大企業がこんな一瞬で株価が半分になってしまうんです。

でも1ヶ月で株価が半分になっても会社の実質的価値は何も変化していません。実質的な価値が何も変化していないのに、なぜ株価がそんなに動くのでしょうか。

それを専門用語を使わずに次に解説します。



3.【株価が動く2つの段階】

例えば決算が良くて株価が上がったり、不祥事があって株価が下落したり、今みたいに相場が悪くて株価が下落したり、株価の値動きは様々な理由があります。

でも大きく分けて株価は2つの段階で動きます。

① 投資家が会社の本質的な価値に投資する段階

例えばPBR1倍・PER10倍の適正水準の株があったとします。社長が株価を上げることに意欲的で、お金を上手に使って利益に繋げている会社でした。

でも株価は低迷しており、「中身が良いのに割安」という状態でした。

そこで事業に投資する「投資家」が株を買って、徐々に株価が上がってきます。

翌年、経営が上手くいってEPS(=1株あたり純利益)が20%増えました。それを好感した投資家がまた株を買って株価が50%上昇します。

EPSは20%増えましたが、株価が上昇したことでPERは12.5倍になりました。従来のPER10倍から12.5倍へと株価が上がって割安感が薄れます。

こうなってくると、投資家は興味を示さなくなります。投資家は本質的な価値を見定めようとするため、割高になった株をあえて高値で買おうとはしません。

そんな割高株をさらに買っていく人たちがいます。


② トレーダーが順張りトレードを行う段階

投資家が買わなくなった株を今度はトレーダーが買い始めます。例えば去年〜今年の三菱重工や東京海上、NVIDIAが良い例です。三菱重工なら「自国防衛」という思惑、東京海上なら「金利上昇と政策保有株の解消」、NVIDIAなら「AI半導体」という思惑がありました。PBRは1倍を超え、決して割安ではなくなった銘柄ですが〝そういう思惑〟がある限り株価は上がりやすくなっています。

そういう上がっている株は「さらに上がるだろう」と多くの人が考えることで、期待値プラスのゲームが可能になります。

その証拠に今年前半の三菱重工を「買う」のと「空売り」するのとではどっちが気が楽か、胸に手を当てて考えてみましょう。

あの時の三菱重工を空売りするなんて正気の沙汰ではないですよね。だから多くの人が「強気」になるので株価は上がりやすくなるんです。

株価が上がるから買う→上がるから買う

というモメンタムがそこで形成されます。投資家は割高になった株は決して買いませんが、トレーダーは損切り覚悟なのでどんどん買っていくんです。

どうせすぐ逃げる前提なので割高とか割安とかはどうでも良いんです。どこまで行っても上がるか下がるか、の2択ですから。

たとえPER1000倍でも、365日のうち364日で株価が上昇していたら最後の1日も上昇する方に賭けるというのがセオリーです。トレードでは決して相場に逆張りしてはいけないんです。

でもこういう「割高だけど株価が上がる株」というのは、株価が上がるからこそ価値があるんです

では、もし下がったら?



4.【需給バランスが崩れて株価が下落する段階】

ここまで説明して株価の正体が少し見えてきましたでしょうか?

NVIDIAもディスコも東京エレクトロンも、東京海上も三菱重工も企業の事業価値から見ると割高に見えます。少なくとも投資家はそう判断します。

だから投資家は高値でさらに買うなんてことはしません。

さらにトレーダーが株を買うのは「上がるから買っている」だけで、「下がるなら利確or損切り」します。

「下がる割高株」なんて投資家もトレーダーも誰も興味を示しません。

そして株式市場では、新たな買い手が現れない限り株価は上がりません。

売りたい人1000人
買いたい人100人

こういうバランスになると株価はどんどん下がります。

割高な状態で買った株は早く手放したいので「我先に!」と損切りします。だから無制限に株価が下がっていきます。

しかしその株を買いたいという人はほとんどいません。投資家はもっともっと下がらないと買う気が起きないし、トレーダーは上昇トレンドを明確に確認しない限り買いません。だからディスコや東京エレクトロンやレーザーテックのように垂直落下します。

レーザーテックはスコーピオンの空売りレポートが出たからという意見もありますが、それはおそらく本質的ではありません。

「株価が下落を始めたから下がってるだけ」だと思います。

もし空売りレポートのようなファンダメンタルズの内容で下がっているならば、8/8の決算後から株価は上がっていなければおかしいんです。

でも実際はストップ高の後に下落して、決算前の安値を下回りました。

これはファンダメンタルズに関係なく、株の需給で下落している証拠です。実際は早く逃げたいトレーダーが好決算を口実に売り逃げしていたんです。


トリケミカル研究所も同じです。
上方修正が出て一時的に株価が上がったものの、全戻ししてさらに下に掘っています。


トレーダーにとって好決算は良い損切りポイントになっただけ
なんです。投資家にとってはたとえ好決算でも、買うに値しない割高状態だから買いません。

だからファンダメンタルズ無視の「売り>買い」という需給バランスになります。むしろ売りが増えることで好決算後は下落が加速しやすいくらいです。



5.【プレミアムが剥落するまで下落は止まらない】

ではどこまで下落するのー?という話に移ります。

結論から言うと、下落が止まるのは「全てのプレミアムが剥落してから」です。

プレミアムとは「余計な期待」のことです。

あらゆる期待を排除して、フェアバリューになれば投資家が買います。

例えばディスコのPERが5倍・PBR1.5倍になれば、私が買いたくなる水準です。その時の株価は5000円です。

つまり今から株価が1/6になれば、投資家が喜んで買いにいきます。私はディスコの株価が5000円になれば、逆張りだろうとなんだろうと含み損がいくら増えようがどんどん買います。

ディスコの事業がPER5倍なれば超割安ですから!

同じように考える投資家は山のようにいるはずです。

そうなると「買い>売り」という需給バランスになって株価は下げ止まると思います。

でも今までのようにどんどん上昇するかは別の話。投資家は割高になったら買いませんから、株価はあまり上がりません。ある程度の株価(1万円前後)から先はディスコ自体が頑張ってEPSを上げる必要があります。

ここまでの話をまとめると…

・株価を下で買い支えるのは「企業価値に投資する投資家」
・株価を押し上げるのは「値動きを買うトレーダー」

今の株価水準は投資家が買っているのか、トレーダーが押し上げているのか?という想像をするだけでも株の安全域がわかります。


最後はメンバー限定です。
株価の中身を見ると、その株の危険性がわかります。

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