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無題小説(最終話)

拝啓、マシロへ

お元気ですか、今更マシロをお母さんなんて言うのも変なので、マシロって呼びます。

現在おばあちゃんは要介護1だけれどそんなの感じさせないくらい口が悪くて元気です。
“まる”と“華”も相変わらず元気…だけど“華”の方がもう歳なのか高いところから僕を見下ろすことがなくなりました。
父さんは、毎日産業通訳の仕事が忙しそうです。でも休日は仕事仲間の外国人家族と一緒にバーベキューとかパーティーとかに積極的に僕と参加してくれるんだ。

あのぶっきらぼうだった父さんが嘘みたい。
僕も外国人の友達がたくさんできて楽しい。

マシロ、みんなが思うハッピーエンドは同じようでいて本当は人それぞれ少しずつ違っていて…だからこそ色んな幸せの形があるんだと思えるようになったよ。

マシロが思うハッピーエンドは何だったんだろう。

マシロのことだから笑ってごまかして教えてくれないんだろうな。

あ、そうだ。マシロ、僕、次に願うハッピーエンドを決めたんだ。

外国語を勉強して、父さんみたいに海外との橋渡しをする仕事に就きたい。

父さんを見ているうちにそう思ったんだ。

応援してて、絶対に現実にするからね。

ありがとう。母さん。


~終わり~

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