通話を終えた僕は、再度レコードで音楽をかけ直し、窓の外を眺める。 雨上がりのやわらかな日差しに目を細める。 ふと我に返り、タブレットを開いてみる。 何事もなかったかのように正常に起動している。 あれは何だったのだろうか。。。 ただただ僕の心は静かで落ち着いている。 “疲れてたのかな、僕は…” 独り言のようにつぶやいた。 これからもたまには、アナログレコードでも聴きながら休むことをしよう。 あの三毛猫はそれを僕に伝えたかった彼女なのかもしれない。 …なんてな。 〈終〉
これは昔、彼女が好きだったジャズのレコードだ。 “にゃあ゛あ゛あ゛~…” “あ、出てきた。” 何事もなかったかのように本棚の中から出てきた三毛猫はレコード盤の端っこに顔をこすりつけて機嫌よさそうだ。 “私、針を回転するレコード盤に乗せる瞬間が好きなの。” ふと、彼女の言葉を思い出した。 “久しぶりにかけてみるか” ホコリを被ったレコードデッキの蓋を開けて、スイッチを入れ、回転するレコード盤に針を置いた。 パチパチと音をたててからしばらくすると小気味良いジャズの音
猫の世話に関しては僕は完全に素人だった。 この三毛猫の体は大して汚れていない、弱々しいが具合が悪い訳ではなさそうだ。 まず、水を用意し、バスタオルで寝床を作った。 念のため、手元にあった段ボール箱に新聞紙をくしゃくしゃに丸めたものを敷き詰めた自作のネコトイレを作った。 これでいっかと、僕はパソコンの電源を入れた。 こいつがダメならやはりカスタマーセンターへ電話だ。 起動させたパソコン画面は正常、そこから株価ボードへ…。 おいおい、お前かよ… 保護したばかりの三毛猫がいつの間に
澄み切った冷気の中、僕は目を覚ました。 ボーっとした頭をハッキリさせるため、気に入っているコーヒーメーカーをセットする。 そう、半年前に一目惚れで購入したやつだ。 スイッチを入れ、しばらくすると部屋中にコーヒーの良いにおいがしてきた。朝7時、窓の外がまだ薄暗い感じだったので窓を開けてみると、なるほど雨がしとしと降っていた。 雨は元々好きではない。 普段着ているスーツのズボンの裾が濡れるし、全体的に少し湿り気を感じることが嫌なんだ。 だが、幸か不幸か今日は休日。 たまには家でゆ
アブダビの海は、小魚を近くに感じるほどとても澄んでいます。 波も少なく、ホテルのプライベートビーチではたくさんの人がのんびり泳いでいて、まさに一日中&一年中楽しめます。 アブダビもドバイもペルシャ湾に面していて素敵な海の風景を色んな面から見ることが出来ます。 日本と違うと思うのは、日本で浜辺の地域では独特の海のニオイがあるかと思うのですが、ここアブダビでは日本ほど気になることはありませんでした。 おそらくその地域の気候と関係があるのかもしれませんね。 海の向こう側に大きなビ
アブダビの街も夜になると、流石に気温も少し落ち着き、人通りが少し増えます。 そもそも話になるのですが、戒律でお酒がないので(外国人が泊まるホテルや空港にはある)夜に騒ぐという習慣がないので比較的静かです。 ※ちなみにホテル内の店は夜AM3:30位までパリピ状態。 これはアラブが…というより、外国人が騒いでいるという印象です。 周囲には、日本でなじみのデニーズ・サブウェイ・ピザハット・ケンタッキーなどがあり、食べ物が口に合わずに苦労するなんてことはありませんでした。 この
2019年10月にアラブ首長国連邦を訪れました。 その時の印象を旅行慣れしていない日本人である私の目から見た経験を映像にてシェアしたいと思います。 なにぶん素人作製なのでその点をご容赦を。
砂漠地帯の街に生息する植物はやはり、日本のように青々とした多色な植物は無く、あまり潤沢ではないと感じました。 道端に植樹されている樹や植物の根元には管が設置されていて、そこから水を供給されています。 Q;ちなみに、水はどこから来ているのか。 当然、疑問に思いますよね。 A;それは、海水を淡水に浄水して使用しているのです。 スゴイ技術ですよね。なので、浄水場に不具合が無ければ水不足はありません。 PPP事業として日本の国土交通省が『建設企業の海外PPP事業への参画のための
この日、アブダビの空は太陽を遮る雲が一つもなく、直射日光がキツイです。 帽子or日傘はマスト。 なので、昼間に街を歩く人はほとんどいません。 もしサウナスーツ着て街を歩いたらおそらく10分もたず干からびるでしょう。 そんな街をあえて散歩して気付いたことがありました。 信号待ちの人のために、庇が街の横断歩道用の信号に沿って設置されています。 (ちなみに現地の人たちは殆ど信号守らず自由に通っています。やはり土地勘のある地元民だからこそでしょうね。) 次は街に生息する植物につ
こんにちは。私は10月にアラブ首長国連邦へ行きました。 行く前はその国に対しての知識は殆ど無く、幾つかのドバイ在住日本人ブログを見てイメージを作っていました。 が、思いのほかイメージより素敵な体験をたくさんしましたので、ここでシェアしたいと思います。 今回、私にとって未知の国、中東アラブ首長国連邦に行って感じたことなど日本ではあまり知りえないことをみんなとシェアしたいのでここに書きます。 中東といえば日本のメディアは飛翔体襲撃や爆撃といった物騒なニュースばかりでしか放送
拝啓、マシロへ お元気ですか、今更マシロをお母さんなんて言うのも変なので、マシロって呼びます。 現在おばあちゃんは要介護1だけれどそんなの感じさせないくらい口が悪くて元気です。 “まる”と“華”も相変わらず元気…だけど“華”の方がもう歳なのか高いところから僕を見下ろすことがなくなりました。 父さんは、毎日産業通訳の仕事が忙しそうです。でも休日は仕事仲間の外国人家族と一緒にバーベキューとかパーティーとかに積極的に僕と参加してくれるんだ。 あのぶっきらぼうだった父さんが嘘み