21歳女一人旅、トルコ-イスタンブール編vol,2
念願のイスタンブール旅行、2日目はハギアソフィアなどがある旧市街を回ることに。
スルタンアフメット・ジャーミイ(ブルーモスク)
早めに朝の支度を済ませ、トラムで旧市街へ。
ヒジャブを購入し、店員さんに巻いてもらい、準備万端!
お待ちかねのブルーモスクへと向かう。
かなりの大きさを誇るブルーモスクはやはり迫力がある。
2036年の夏季オリンピック開催地に立候補をしているイスタンブール。
イスラム教徒が多数派の国家としては、初の五輪開催国になることが出来たならば、改修された美しいブルーモスクを世界中の人が堪能することが出来るだろう。
改修中とはいえども、中に入り天井を見上げるとアラベスク模様のタイルの鮮やかさに吸い込まれそうになる。
壁面を見ることはできなかったが、それは次に来た時の楽しみにしておこう。
ブルーモスクを出て、次に向かったのはアヤソフィア。
高校時代に机の上で教科書を眺めながら、何度訪れることを夢見ただろう。
「いよいよ来ることができた」という興奮に胸が高鳴る。
色鮮やかに咲くチューリップが私の気持ちを表現してくれているかのようだった。
入った瞬間、ハッとした。
天井に描かれたキリスト教のモザイク画の天使たちが、ガラスから差し込む柔らかい日の光にぼんやりと照らされている様が息を呑むほど神秘的だったのだ。
厳かな雰囲気に圧倒されるのだろうか。
建物の中は、多くの観光客がいるにも関わらず、不思議と静かだった。
天気も良かったので、歩いてグランドバザールへ向かうことに。
グランドバザールへの道をゆっくりと歩きながら、旧市街と新市街の違いを感じた。
旧市街は、非常にエネルギッシュで、賑やかだ。
そして、アヤソフィアやブルーモスクなどの主要な観光地があるということもあり観光客向けの新市街と比べて客引きが多い。
チャイグラスを求め、グランドバザールへ
グランドバザールにあるお店は相場よりも価格設定が高いことは分かっていたので、ここでは「トルコのチャイグラスだけ買う」ということを決めていた。
あてもなく適当に歩いていると、一軒のチャイグラスのお店を見つけた。
店の奥では店主らしき男性が新聞を読んでいたが、私の存在に気がつくとすぐさま寄ってくる。
この時点で、混雑しているグランドバザールをこれ以上楽しむ気力はなく、店内に置いているグラスのデザインはとても魅力的だったので「この店で買おう」ということは決めた。
あとは、「どの値段で買えるか」だ。
グランドバザールで、それも日本人が商品を買うとなると相場の何倍もの値段をふっかけられるものだということは常識。
そろそろ底が見え始めている留学前のバイトで貯めた貯金残高を加味し、「この値段でしか買わない」という金額を自分の中で事前に設定していた。
先入観からだろうか、ちょっと胡散臭さを感じる陽気なおじさん。
言われた金額は、その設定金額の2倍以上。
「君は良い人だ。こんなに良いグラスなのにこの値段で売るんだよ?」といった言葉で巧みに売り込んでくる口達者なおじさん。
私も負けじと「学生でほんっとうにお金がないからこの値段でしか買えないです」と返す。
15分ほど、雑談という名の交渉の末、遂に「わかった!大事にするんだよ!」と言って頂けた。
熱気あふれるグランドバザールを後にし、バクラヴァでひと休み。
こちらのお店は、イスタンブールで超有名店の「Hafız Mustafa 1864 Pera」
https://goo.gl/maps/QZaRYQxt3Cqk7iq16」
公園を散歩をしたり、スーパーを覗いたりした後は、次の日に備えて早めにホステルへ帰った。
3日目
イスタンブール3日目。
3日目は、ボスポラス海峡を挟んだアジア側「Kadıköy」(カドキョイ)へ。
早朝のフェリーでは、通勤客らしき人も多い。
アジア側とヨーロッパ側を繋ぐフェリーが、観光客にとってだけではなく、地元の人にとっても重要な交通手段であることを感じる。
フェリーの駅から15分ほど歩くと、「Moda(モダ)地区」に着いた。
ここはトルコ人の友人一押しのスポットで、地元住民たちがそれぞれの時間を楽しんでいる、かなり平和な雰囲気だ。
カフェで買ったチャイラテを片手に、「アイスコーヒーの方が良かったか」なんて考えながら、大きな岩に腰を下ろす。
岩に絶え間なく当たっては、砕けていく足元の波を眺めているとMr.Childrenの「1999年、夏、沖縄」がふと聴きたくなった。
留学を始めてから、色んな街へ行った。
その土地で素敵な人たちと出逢い、綺麗な景色を目にする度に「絶対にここへ戻ってくるぞ」強く決意する。
次にその土地を訪れる時には、21歳の時に見えているものとはまた違った何かが見えるかもしれないと期待をしながら。
アジア側で“地元感”を堪能
今回のイスタンブール旅行で、個人的に一番訪れてよかったと感じるのがアジア側だ。
お洒落なカフェや、雑貨屋さんが沢山ありただ歩くだけでもすごく楽しい。
そして何よりも、観光客が多くないので「イスタンブールに住む人たちの暮らし」を見ることができる点が自分にとって好きなポイントだった。
ラマダン期間中の夜のイスタンブール
最後の夜は、イスタンブールに住む友人「ペヨ」と夜ご飯を食べに行った。
ブルガリア人のペヨとは、ブルガリアのソフィアで出会った。
現在は、イスタンブールで女性の自立を支援する仕事をしていて、トルコ語とブルガリア語と英語を操る話し上手で素敵な友人だ。
ミディエドルマは、ムール貝の中にピラフが入っていてレモンをかけていただく。
日没後のイスタンブールも街では、ラマダン期間中なこともあり、外では家族連れや恋人たちが「イフタール」(日没後の食事)を楽しんでいる。
気さくなペヨが、「楽しんで!」と彼らに話しかけると「一緒に食べる?」と見ず知らずの私たちを食事に誘ってくれた。
ペヨのおすすめ料理をランダムに注文。
なかなか強い味だが、氷を入れると飲みやすくて美味しい。
久しぶりの再会で話が弾み、時間が過ぎるのがあっという間だった。
ここで、旅行が好きで様々な国を訪れたが、その中でもトルコを選び、ブルガリアからトルコへ移住することを決めた彼に「色んな国を訪れた中で、トルコを選んだ理由」を聞いてみた。
返ってきた答えは「トルコの人の生きものに優しいところが好きだから」だった。
「例えば、イスタンブールには野良猫が沢山いるのだが、猫たちがレストランの椅子に座っていたり、お店の商品の上でお昼寝していることも少なくない。けれど、トルコの人達は猫たちがしたいようにさせてるでしょ、それってすごく素敵じゃない」と。
これは、今回の旅行で撮った中で一番と言って良いほどお気に入りの写真なのだが、彼の話していることが伝わるだろう。
確かに街を歩いていると、野良猫や野良犬が人間と共存しているような印象を受けた。
そして、その優しさは犬や猫だけではなく人々に対してもだそう。
「さっきは、あみが嬉しそうにミディエドルマを食べていたらお店の人が沢山サービスしてくれたでしょ?他にも、挨拶しただけなのにイフタールに誘ってくれたでしょ?」 と。
私はトルコで三晩しか過ごしていないし、そもそもイスタンブールしか見ていない。
トルコでも、どの国でも優しい人や意地悪な人、色んな人がいるものだ。
そのことを踏まえた上で、トルコに6年近く住んでいる彼が「トルコは良いところ」と言うことが出来るということは、トルコがなぜこんなにも多くに人を魅了するのかという理由の一つをよく表していると思う。
国を語るのって本当に難しい
同じ国でも、そこに住んでいる人か、そこで何を経験したかなど色んな要素で印象というのは全く異なるものになると思う。
だからこそ、「〇〇という国は自分にとってこうでした」と言うように心がけたい。
では、「私は」トルコをどう思ったのか。
一言で表すと「最高だった」
人が多く、エネルギーに満ちているが、同時にのんびりとしている。
そしてやはり、自分が出会ってきたトルコ人が良い人ばかりでその事実が私のトルコ愛を強めている。
バーから見たイスタンブール。
一瞬、東京に似た印象を受けるが街明かりに混じって、ミナレットやモスクが見える。
そして高いビルがないからだろうか、空が、空間が広く感じる。
友人のおかげで、1人で歩くのを避けていた夜の街を全力で楽しむことが出来た。
また、友人のペヨを見ていて「こういう人になりたい」と強く思った。
いつも彼とお店に行けば、社交的な彼はお客さんだろうが店員さんだろうが誰とでも仲良くなる。
そして、面白い話から、真剣な話まで対応することができる柔軟性があって、自分の意見も述べてくれる。
私が憧れるのは、相手が気がつかないように気を遣いその場を楽しませることができる人なので、そんな友人を心の底から見習いたいと思うし、そんな友人に出会えたことに感謝したい。
イスタンブールを満喫し、さらにトルコへの愛が深まった。
そして改めて、旅先での思い出を豊かにしてくれるのはそこで出会う人だなと感じた。
高い期待を持って赴いたイスタンブール。いい意味でその期待は裏切られることがなかった。
むしろ、訪れる前以上にトルコが大好きになった。
日本で、チャイグラスで熱々のお茶を飲みながらチャイグラスを売ってくれたおっちゃんのことでも思い出そう。