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巡る、チュウゴクシコクというコンセプトができるまで。
皆さんこんにちは!
アナザー・チュウゴクシコクの藤田玲音です。
いつもアナザー・ジャパンのnoteをご覧いただきありがとうございます。
6/7(水)からアナザー・ジャパンでは、第6番目の企画展、一期生最後の企画展となるアナザー・チュウゴクシコクが始まりました。岡山県出身の山本幸歩と、香川県出身の僕たちが自ら現地に足を運んでセレクトしてきたチュウゴクシコクエリアの地域産品、約400点を店内で販売しています。
中国・四国地方がご出身のお客様にも、そうでないお客様にも、チュウゴクシコクエリアの新しい発見をお届けできるような商品がずらりと並んでおりますので、ぜひ一度ご来店くださいませ!
アナザー・チュウゴクシコクの開催は、8/6(日)までの約2ヶ月間です。お見逃しのないようカレンダーをぜひチェックしてくださいね!📅
エリアコンセプトとは?
アナザー・ジャパンの各企画展には、「エリアコンセプト」というものが設計されています。それは、アナザー・ジャパン全体のコンセプトである「いらっしゃい、おかえり、いってらっしゃい」とは、また別に設計されたそれぞれの企画展で特集する地域を表現するコンセプトです。
このエリアコンセプトは、それぞれの地域出身のセトラーが自分達で1から考えていて、企画展の商品セレクトから店内コミュニケーション、SNS発信なども含めて、企画展の全てを貫くコアとなるものです。
企画展の方向性を大きく左右するがゆえに、エリアコンセプトの設定はこの上なく重要です。これまでどの企画展においても、各セトラーは頭を悩みに悩ませながら、各エリアコンセプトを考えてきました。
これまでの地元にいた頃の思い出や、出張で実際に現地に足を運んだ際に感じたこと、自分の地域について改めて学び直した時に気づいたことなどを、丁寧に丁寧に自分の頭の中で咀嚼しながら、自分達の言葉を紡いでいく終わりの見えない営みです。
それらに含まれているそれぞれの地域らしさを見極めながら、抽出したものをエリアコンセプトに変換していきます。
アナザー・チュウゴクシコクのコンセプトが出来るまで
僕たちチュウゴクシコクチームのコンセプト作りは難航を極めました。
なぜなら、地理的には近しい地域ではあるものの、それぞれの県で全く異なる特徴があるからです。中国・四国地方は、日本海、瀬戸内海、太平洋の3つの海を眺める地域ではありますが、それぞれの地域の様子は全くと言って良いほど違います。
これまでに、中国・四国地方をまとめて表現したような取り組みやコンセプトの事例が全くない中で、僕たちには、アナザー・チュウゴクシコクらしさを表現した言葉を創る必要がありました。
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僕たちが紡ぎ出したアナザー・チュウゴクシコクのエリアコンセプトは、
巡る、チュウゴクシコク 。
中国、四国地方、巡ると聞くと、瀬戸内の島巡りや四国八十八ヶ所のお遍路巡りを想起する方が、多いのではないでしょうか。
内部で行ったアンケートでも、穏やかな瀬戸内海のイメージを持たれていたり、中国、四国に旅行された事がある方は、複数の県を巡る楽しみ方をされてきたことに気づきました。
エリアコンセプト作成にあたって、チュウゴクシコクのエリアメンターで株式会社NINO代表の二宮敏さんからは、
「それぞれの地域の歴史をよく学び、地域の産業がどういう背景でなぜそこで栄えることになったのかをしっかりと理解すると、その地域らしさが見えてきますよ」
とアドバイスを頂きました。
早速、インターネットや本屋さんで、中国、四国地方にまつわる歴史を調べ始めました。
自分の出身の地域であっても知らない事が本当にたくさんあって、まだまだ地元の事を知らないんだなと感じた瞬間でもありました。
僕たちのチュウゴクシコクらしさ
その中で、島根県益田市が、「過疎」という言葉の発祥の地であることを知りました。少子高齢化という流れの中で、中国、四国地方の人口は減り続けています。何度も地名を聞いたことのある町であっても、限界集落になる可能性は日々高まっているのです。そして、地元の方々もこの事を十分に理解し、危機感を持ち、大好きな地元をどう次に繋いでいくか真剣に向き合い続けています。
日々失われていくのは、ヒトだけではありません。産業を支えている資源も、職人さんの技術もまた、失われていくかもしれないという危機を晒されています。
私たちは、アナザー・チュウゴクシコクのエリアコンセプトを決めるに当たり、チュウゴクシコクの作り手さん・デザイナー・行政職員さんといった様々な方々にお会いしてきました。
そこで2人が共通して強く感じてたのは、限られたヒトや資源を次にどう巡らせていくかを真剣に向き合い、挑戦を続けているということです。年齢に関係なく、過去にはないような新しい挑戦を重ね、それぞれのモノサシで価値を創造していく。
これまで知らなかった地元の魅力、力強さを触れ、凄く誇らしく感じました。
失われていくものだからこそ、次に残そうとする。
企画展を通じて、その想い、切り拓いていく様を広く巡らせていくことこそが、僕たちの実現したい姿であり、アナザー・チュウゴクシコクはその先にあると考えました。
中国・四国。
実は、「過疎」という言葉は、この地域から生まれた。
いろんなものが失われていくことに敏感だからこそ、
人を、自然を、想いを、どう巡らせるか、真剣に向き合い続けてきた。
「巡る」ことで、生き残るための強さを蓄えたのだ。
瀬戸内の島巡り、四国のお遍路巡り、
「巡る」ことで、感性を研ぎ澄まし、新しい流れをつくり出してきた。
穏やかな海を越えて、育まれた営みに想いを巡らせる2ヶ月間。
巡る、チュウゴクシコク。
コンセプトステートメントに込めたのは、まさにその想いです。
チュウゴクシコクを知り、その魅力に触れていただきたい。
少しでも多くのお客様が、今までとは違った新しい切り口でチュウゴクシコクの"巡り"を体験してもらえるようなお店づくりに取り組んでいます。
チュウゴクシコクを「巡る」という概念が変わります。
ぜひアナザー・チュウゴクシコクで、あなただけの「巡り」を見つけて、皆さんもまたチュウゴクシコクの「巡り」を次に繋げる一員になっていただきたいです。
巡ることで巡ってきた地域の巡りに思いを巡らせる。
それが、アナザー・チュウゴクシコク企画展の目指す姿です。
アナザー・チュウゴクシコクの開催は、8月6日(日)まで。
1年を通じて、アナザー・ジャパンも日本をぐるっと巡って来ました。
1期生の集大成でもある今企画展を是非ともお楽しみください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
▶店舗情報
![](https://assets.st-note.com/img/1688363914961-HJreBi06hL.jpg?width=1200)
住所:東京都千代田区大手町二丁目6番3号 TOKYO TORCH
銭瓶町ビルディング1階 ぜにがめプレイス
電話番号:03-6262-1375
営業時間 : 全日 10:00〜19:00
(各企画展の入れ替えの日は店舗休業となります。詳しくはインスタにて)
今回のライター:Reon Fujita (チュウゴクシコク)