東京生まれ東京育ちの都会っ子。十勝でエゾシカの解体にハマる。
みなさんこんにちは。
現在開催中のアナザー・ホッカイドウトウホクを担当するセトラーによる、企画展の見どころ連載第2回!
今回は、北海道の大学に通う小倉の溢れる「鹿愛」をお届けします!
残り約2週間となったアナザー・ホッカイドウトウホク。
ぜひ最後まで目一杯お楽しみください!
こんにちは!アナザー・ホッカイドウ トウホク担当セトラーの小倉です。
北海道十勝の大学を休学してアナザー・ジャパンに取り組む
私の十勝愛と鹿愛を語らせてください!!!
山暮らしに憧れた中1の秋。家族を巻き込み東京から山梨へ。
東京生まれ東京育ち。
誰もが時間に追われて忙しくしているのが当たり前な毎日。
中学1年生のとき、そんな生活が急に嫌になって家族に相談し、
山梨県へ移住しました。
移り住んだのは日本で1番人口が少ない町、早川町。
最寄りのコンビニは家から車で50分。
休日は空の色で時間をなんとなく予想して、時計を見ない1日を過ごす。
そんな早川町での日々の全てが新鮮で刺激的で、私の13年間の価値観が一瞬でガラッと変わりました。
もう東京には戻りたくない。田舎でのんびり暮らしていたい。
高校生になってもその思いは変わらず、北海道の帯広畜産大学へ進学。
休みの日には展望台を巡って十勝の景色をボーッと眺めたり、
-20℃にもなる環境でアイスホッケー部のマネージャーをしたり、
じゃがいもや長芋の収穫バイト、
子牛にミルクをあげる哺乳バイトをしたり。
毎日が充実してて十勝を大好きになるのに時間はかかりませんでした。
エゾシカと暮らす十勝での生活
北海道での生活を経て私が特に夢中になったもの、それは「エゾシカ」です。
山梨でも鹿は身近な存在でしたが、北海道に行ってからはエゾシカの体の大きさに愕然。体格のよさや角の大きさからくる凜然としたカッコ良さにどんどん惹かれていきました。
そんな私の趣味は「鹿の解体」。
バイト先で出会ったハンターさんに教えてもらいながら鹿を1人で全て解体できるようになることを目標に、頻繁に練習をしています。
ある時は鹿肉の加工場に3日間インターンに行き、朝から夕方まで解体三昧な生活を送ったことも…。
鹿が大好きと言いつつ趣味は鹿の解体。
「矛盾してるね」「解体なんて鹿がかわいそう」とよく言われます。
でも、私は矛盾してるとは思えません。
現在、エゾシカは約72万頭いるとされています。
エゾシカの体はとても大きく、
「飛び出してきた鹿とぶつかった車が廃車になった」なんて話は
日常茶飯事です。
鹿は木の皮も食すため、皮を食べられた木が枯れてしまい
その山の地盤が崩れ、土砂災害に繋がることも考えられます。
エゾオオカミも絶滅し、鹿が増え続けている今、駆除しなければ
鹿と人、そしてそれ以外の生態系にまで影響を及ぼしてしまうのです。
また、駆除ではなく飢えや事故で亡くなった鹿は活用できず、
「活かせない命」になってしまいます。
都会の方々に、鹿の魅力と一緒に鹿による被害の現状も伝えたい。
鹿を殺すのは「かわいそう」なのではなく、
「駆除しなければならない、いただいた命をどう活用するか」
それこそが大切なのだと伝えたい。
そんな想いとともに私はアナザー・ジャパンに応募しました。
そもそもエゾシカの魅力って??
私が今回鹿の商品を仕入れるにあたり、重視したのは2つ。
・食べたことない人でも食べやすい鹿肉商品であること。
・ジビエだけでなく、革や角商品も仕入れること。
鹿の良さを伝えるために、
まずはやっぱりおいしいと思ってもらう必要があると考えました。
鹿肉は高タンパク低脂質、そして高鉄分の赤身肉。
健康に、ダイエットに、筋トレに……。とにかくとても体に良い食材です。
ただ、血なまぐさいイメージや固いイメージから敬遠されることも多々あります。
だからこそ「食べたことない人でも食べやすい鹿肉商品」にこだわりました。
ドリームヒル・トムラウシさんの
「Tomuraushi お肉がおいしい煮込みシリーズ」通称:TOMCANは
温めるだけで本格的なフレンチ料理が食べられます。
鹿肉のミートボールが入った「フリカデラ」や
ほぐした鹿肉とマッシュポテトを組み合わせた
「パルマンティエ」(これが特に私のイチオシ)、
赤ワインと共に鹿肉をよく煮込んだ「ポワブラード」。
お肉もお野菜も、食材がゴロゴロ入っていて缶詰感が全くない
こちらの商品。温めるだけで豪華な1品ができるため、
クリスマスや年末のちょっと良いごはんの日にもピッタリです!!
そして2つ目のこだわり、
「ジビエだけじゃなく革や角商品を仕入れること」。
私には、「駆除した命を丸ごと1頭活用したい」という思いがあります。
肉だけじゃなく、角も、皮も、骨も。全てを活用したい。
それを伝えるためにも、食品だけではなく、革や角の商品を仕入れることは
絶対条件でした。
しかし、いざ商品のリサーチを始めてみるとエゾシカの革商品や角商品はとても少なく、鹿に興味が無い方にも手に取っていただきやすいような商品がなかなか見つかりません。
ネットで検索を重ねたり、十勝のお店を駆け回ったり…。
リサーチを粘りに粘りやっっと見つけたのがこちらの商品です。
この商品を初めて見つけた時の「絶対これだ!!」という胸の高まり、
商談させていただくため、amina+さんが営むお店まで向かうまでの道中
ド緊張していたあのドキドキ、
お取引を了承していただいたときの嬉しさ、お店を出たあとも冷めない
興奮と高揚感。
あの時の感情はどれも一生忘れないと思います。(笑)
鹿革の良さは、革をよく見ると付いている「傷」にあります。
森を駆け回っていた時に木の枝に引っかかってできた傷、
オス同士 角で喧嘩してついた傷、
病気でできた模様のような傷。
これらは鹿が野生動物だからこそ残っている、鹿たちの「生きた証」です。
同じ形の商品を作ることはできても、同じ革で作ることはできない。
完全にその時一期一会の一点ものです。
革についた傷を見比べて商品を選ぶのも楽しみ方の一つ。
ぜひ、実際にお手に取ってご自身の心にビビッと響く鹿革を
探してみてください!
大好きな北海道から大嫌いな東京へ。休学という選択肢。
アナザー・ジャパンに応募した時、実は一次面接の日になってもまだ
参加を迷っていました。
理由は「十勝から離れたくなかったから」。
アナザー・ジャパン自体はとても楽しそうだし、エゾシカの魅力を都会に届ける絶好のチャンスだし、今やらなければ絶対将来後悔する、
自分にとって最高のプロジェクトだと確信していました。
でも十勝からでは参加できない…。
合格したら東京に住まなきゃ行けない…。
悩みに悩んだ結果、「面接に落ちる前から悩んでもしょうがない!!とりあえず全力で面接受けてみよう!!」と半ば考えることをやめて面接へ。
ありがたいことに2期生として参加させていただくことになり、
東京に住み始めて7ヶ月が経ちました。
今、本当に楽しいです。
思うように接客できず、鹿の魅力が伝わらなくて悔しい日もあるし、
朝の満員電車に耐えきれずこのまま羽田まで行って十勝に帰ろうかなと思う日も時には(いやほぼ毎日)ありますが、
それでもお客さまに帰り際「楽しかった!」「また来るね」と
言っていただけた時や、エゾシカの商品を買っていただけた時、
「おいしかった」と感想を伝えに来ていただけた時、
アナザー・ジャパンに参加できてよかったなあと心から思えています。
私の将来の夢は「エゾシカを丸ごと一頭活用して商品を作り、魅力を全国に届けること」です。
アナザー・ジャパンはその夢のための第一ステップと捉えています。
だからこそもっともっと多くの方にこの店舗からエゾシカの魅力を届けたいです!!
ホッカイドウトウホク展も残すところ9日となりました。
後悔なく終われるように、私だからこそ届けられる十勝の魅力、
ホッカイドウ トウホクの魅力を全力でお伝えしてまいります。
ぜひエゾシカの魅力を味わいに来てください!
ここまで読んでくださったあなたのご来店、
心よりお待ちしております!!!!!
ホッカイドウ トウホク担当セトラー
小倉ことみより
(ちなみに…。表紙の鹿の写真は、株式会社環境大善の窪之内社長が
道内で撮影されたものをお借りしました!)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?