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AIツール乱立時代は楽しい
こんにちは、株式会社アノテテでAIチャットボットなどを作っているキシモトです。
先日、Xでこのようなポストをしました。
AIツール乱立でUIがバラバラな感じは90年代後半のポータルサイト戦争に似ている。Yahooは人力でサイト整理してたし、MSNはWindowsで囲い込みしてたけど、シンプルな検索でGoogleが一気に抜いた。…
— キシモト | AIをやさしく伝えるIT社長 (@anotetewataru) February 26, 2025
AIツールが次々と登場してきて、どれもUIがバラバラで使い分けるのがちょっと面倒だなと感じることはないでしょうか?
ChatGPT、Gemini、Claude、Grok、NapkinAI、Gammas、Felo…それぞれに得意分野はありますが、毎回サービスを切り替えて操作をするのは大変です。
この状況は90年代後半から2000年代初頭に繰り広げられた「ポータルサイト戦争」の状況と似ているなと思います。
あの頃の混沌と今のAIツール事情の類似点を考えて、この先どうなるのかを深掘りしてみたくなりました。
ポータルサイト戦争とはなにか?
90年代後半は、インターネットが一般にも広がり始めた時期で、みんなが「ネットの入り口」を求めた時代です。Windows95が出たあたりですね。
そこで登場したのが、Yahoo!やMSNみたいなポータルサイトです。
Yahoo!はなんと当時は手作業でサイトをカテゴリに整理してサービス運営をし、人気を集めていました。
MSNはWindowsとガッチリ連携して、マイクロソフトのエコシステムになろうとしていました。
ただ当時のユーザーからすると、それぞれUIが全然違うため「どれを使うか迷ってしまう」という状況でした。
そこに現れたのがGoogle。シンプルな検索窓一つで、「欲しい情報すぐ出ます」という潔さが人気となり、あっという間に覇権を握りました。
あの混沌とした競争の中で、結局シンプルで使いやすいGoogleが大衆に受け入れられました。
AIツール混沌時代との類似点
現代のAIツール乱立状況と、あのポータルサイト戦争が似ていると思いませんか?
いろんなツールがそれぞれ独自のUIで独自の機能を提供しており、タスクによって使い分けたり、操作に慣れたと思ったらバージョンアップや新しいものが出てきたり大変だと思います。
私は正直、「全部ひとつにまとめてくれないかな」と思う瞬間が結構あります。
しかし、この混沌は悪いことばかりではありません。
ポータルサイト戦争の時もそうですが、Yahoo!やMSNがいろんなアプローチで競い合ったからこそ、UI/UXに優れたGoogleが生まれ受け入れられたと思います。
今のAIツールも、多様な開発者が競争の中で技術をどんどん進化させています。例えば、モデルの精度や学習効率は飛躍的に上がり、逆にコストは飛躍的に下がっており、誰もが日常使いできる技術になっていると感じます。
未来、「AIツールオタクエージェント」の夢
じゃあこの先、AIツールの未来はどうなるんでしょうか?
ポータルサイト戦争と同じくいずれ集約するのであれば、ユーザーが求めるのは結局「使いやすさ」や「空気のように自然な導線」ということになると思います。
Googleが検索のデファクトスタンダードとなったように、AIツールもこの混沌から新しい形が生まれる楽しみがあります。
私が最近想像しているのは、「AIツールオタクエージェント」。
イメージとしては、最新のAIツールをすべて知り尽くしていて、一つのUIでいろんなAIツールを裏で使いこなしてくれて、タスクをサクサク実行してくれる存在です。
例えば、「この文章まとめて、グラフにして、SNSに上げて、解説動画を生成してYoutubeにアップしておいて」と頼んだら、それぞれ得意なツールを駆使して全部やってくれるみたいな。
今はバラバラなツールが、将来的にはシームレスに連携するエコシステムになる可能性は自然な流れですよね。
結論、混沌を楽しむ
今のAIツールの乱立っぷりは大変ですが、こういう進化の過程に居合わせているというのは、ワクワクする部分もあると思います。
90年代のポータルサイト戦争がGoogleを生んだように、この混沌から生まれる未来のAIツールがどんな形になるのか、楽しみながら待ってみるのもいいかもしれません。
おそらく歴史の転換点にいるであろうこのフェーズで感じていることを残しておいて、未来に答え合わせすることが私は楽しみです。