カメラ三脚修理始末記
破損から修理後再使用までの一部始終を吐露し気を休める
そもそもの原因
鬼火焚きに汽車で行くため駅舎横の駐車場に車を停め 三脚を忘れないよう車の右フェンダー近くに立てて置いた
列車が来るまで少し時間があったので車内に入ったら作業に便利な場所が空いていたので車を動かそうと思い 車を動かしたところ何かに乗り上げた気がしたので降りてみたら車輪の下に三脚がある
唖然である 体の血が引いていくのが分かる マジか 直前の行動記憶が消えている もしかしたら発症したか等等が廻る
破損の状況
三脚はハスキー三段雲台分離型(約3.8Kg それぞれ購入時期は異なる)
脚部 1本の脚に擦り傷が数本走る
エレベーターストッパーが折れる エレベーターの伸縮がぎこちない
雲台部 回転不能 パン棒のネジ部が雲台内部で折れる パン止めが歪む 等等
その夜の撮影
もう戦意喪失 撮影は止めるか汽車に乗るか迷った あまり時間は無い しかし揚々と撮りに行く気力はない
行けば撮れるかも行かなければ撮れない 行かなければ(初めての地の)行事の始終が分からない 下見もしたではないか 否来年もあるだろう 他の地区で撮れば良い 大した腕でも無いではないか 何を写真家ぶる 飯は食える等等かすめる
三脚は譲って貰ったものなど予備を積んでいたがプロでも無いので行かなければならない理由は然してもない
大体撤退する柔軟性がないから討ち死に玉砕することになる
しかし 残り人生を思うと掛けた時間を無駄にも出来ない
気分が乗らないまま予備の三脚を持って汽車に乗った
とりあえず帰宅
火も消え始めたので帰ることにした
撮影が終わると急に無念さが込み上げてきた
ホームにいる人たちは皆楽しそうに談笑している 手押し車の赤ちゃんは安眠中だ 青年の参加のお礼の挨拶が聞こえてきた嬉しそうだ
それぞれ違う時間があることを思い知らされた
車中でも買い換えしかないのかと思うと元気がなくなる
列車を降り失意のうちに50Km以上を運転するのは気が重たかった
修理しよう
以前から扱っていたトヨ商事さんは廃業し今はスタジオJinさんが引き継いで対応していることは知っていた
HPから申込めば良いようだが気が乗らない
脚だけ使うにも雲台を外して交換しなければならないが 持っている工具で力任せにやるが微動だにしない 全く使えない 全くやる気が出ない 梅も咲き出したので何とか撮りにいくが気分はイマイチだ
オートフォーカスとは言え 手ぶれ補正機能がついているほどの腕も最新カメラレンズでも無いから長く手持ちが出来ない 無念さが込み上げてくる
この三脚については「古臭い」「フットワークが大事だ」「軽くて丈夫なものが発売されてきた」「チャンスを逃す」「時代遅れだ」などなどあることは承知している
この際買換え更新するのも良い案だ 末期高齢者になり持ち運びも楽ではない 外国製が流行りだ 発想の転換が必要だ等々至極もっともだ
日々同じことを思いながら色々なサイト検索物色したりと一月以上過ぎていった
これ使いたいとそそるものは出てこない 出るはずはない要は未練があるのだ
数十年前 初めて三脚を物色していたとき 三脚は一生物になるから金額よりも気に入ったもの揺れにくいものを使いなさい とカメラ屋さんに助言された
その時は意味もわからず華奢なもので済ましたり知人から譲り受けた三脚を使ったりしていた
末期高齢者の自覚
そうこうしているうちに落ち着いたのだろう 末期高齢者だ 考えている時間はない ここは元に戻って始めないと後悔する 残り時間は少ないと気付く
雲台部は仕方ないとしても脚部に異常は感じないから使えるかもしれない
カタログを見て素人なりに部品を試算してみたら現行新品程度だった だったら新品が良いも一つの案だが ここは骨を拾うのが使った者の務めだろう
部位の状況等ことの破損状況写真を付してスタジオJinさんに対応の可否を照会した
速やかに返信があり 現物を見ないとわからないところはあるがこれまで修理不能だったものは殆ど無い 新品価格になるような例は数例で酷いと思われても通常は3〜4万円内で収まると具体性を感じる安堵の返信をもらった
直ちに申込 いわゆるプチプチで包んで宅配便で発送したら数日して修理を要する作業内容等が細かに記載された見積書が届き 私の希望限度額程度で収まりそうな額だったので折り返し正式に修理をお願いした
発送後に撮りに行くと少しは落ち着くかと思えば「早くすれば良かった」と反省の念が彷彿としてくる
すぐ頼んでおけばもう修理が済んでいた頃だ 揺れる 締まりが悪い ガタがあるなど予備三脚にケチをつけている 勝手なものだ
納品
一月程そうしていたら社長さんから直接電話を頂いた 少し遅れるとのことだったが修理しないことにはどうしようも無いので致し方ない
どうも発送したタイミングが悪かったようだが直接連絡して来られるとイライラが軽減されるので営業的には良い方法だと思う
新品用の箱に入って予定日前に届いた 努力されたのであろう有難い
新品同様になって帰ってきた(本当は旧三脚に未練はある)
雲台のIDが変わっていた 脚パイプの向きが変わっていたが脚の当たりの圴一化らしい おかげで表の傷が裏に隠れることになり細かい配慮が見られた
素晴らしい技術と作業法にビックリすると同時に有り難く思う
早速使い始め二ヶ月程使った 当然といえばそれまでだが何の支障も無い雲台の安定感も良いし足の伸縮は以前より操作性が良くなった感じがする
あとがき
早く出せばよかったに尽きる
スタジオJinさん有難うございました
クイックシューも付けてあったが別の機会に譲る
道具に対する考え方はそれぞれあるが 私のように末期高齢者は臨機応変に考えて行かねばと思う(その割には固執しているが)
今日の最新型は明日の旧型になるのだろうから どちらだろうと使いこなせなければ何を使っても同じことだろう
それにしても重いことは間違いない
通常 撮影地までは車移動だが(末期高齢者は)携帯性の優先度も考えないといけないときは適切な状況判断をしようとは思う
長く大事に使っていきたい
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