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今更ながらの「愛の不時着」
タイトルの通り、今更ながら「愛の不時着」見た。
「愛の不時着」とは言わずと知れた、2019年に世界的に大ヒットした韓国ドラマ。
当時は「流行ってるなー」と思ったけど、見るに至らず。
主人公の二人が実生活で結婚したことも知っていたが「へー、そうなんだー」って感じだった。
最近、友達に勧められて見て、結果どハマりして、最初は吹き替えで見て、ただ今2回目を字幕で見ている。
「愛の不時着」は、韓国の財閥令嬢であり、韓国で有名な女社長(ユン・セリ)が乗っていたパラグライダーが竜巻に巻き込まれ、そのまま北朝鮮に行ってしまい、そこで軍人(リ・ジョンヒョク)と出会うところから物語が始まる。
予想通り二人は惹かれ合う話なんだけど、もう、リ・ジョンヒョクのかっこよさがやばい。
そして、リ・ジョンヒョクのかっこよさだけではなく、それぞれの生い立ち、悲しい過去、家族愛、登場人物それぞれの思惑が絡み合って、ハラハラして恋愛ドラマどころじゃないシーンもあり、まー面白い。
私はハラハラしすぎて二人の恋を楽しめなかったので、今字幕でそちらを堪能している。
ほんと、リ中隊長が優しく誠実。
イケメンで優しいだけじゃなく、メンタルもフィジカルも守ってくれて、でも控えめで、素直で、隊員に慕われて、魅力をあげたらキリがない。
眼差しが優しいところも、すぐに涙ぐむところもいい。
2回目を見てるが、見返してみると1話からリ中隊長が優しいんだよなー。
ちょいネタバレになるが、北朝鮮に来てしまって不安なユン・セリが「私だって混乱してるし、こんなところで泣くとは思わなかった」と言えばローソクを指で消して「もう見えない」と言い、ユン・セリが北朝鮮では使わないであろうシャンプーやボディソープが欲しいといえば買って帰って来て、そこには怪我をしたユン・セリのための消毒液までさりげなく入っていて「もー、なんだよー!」っていう優しさが初回から炸裂してる。
リ中隊長のかっこよさだけでなく、部下である隊員たちのやりとり、その集落に住む人たちのやりとりも、最初は「めんどくさっ」て思ったけど、見ているうちに人間らしくて楽しくて、ほっとする。
ニュースなどで耳にする過酷な環境の中で北朝鮮で暮らす人たちが、1日の中に少しでもこのドラマのような心安らぐ瞬間があったらいいなと願ったりしてしまう。
「愛の不時着」を見ていると「幸せ」とは「豊かさ」とはなんだろうと考えたりする。
ドラマの中の北朝鮮の生活では、暗くなるとローソクを灯して、家族が肩よせあって暮らす。
昼になると近所の主婦たちが集まって冬の準備のためにみんなでキムチをつける。
それを見てると、一人では生きていけないということが本当は「豊か」なのかなと思ったり、便利が必ずしも豊かではないのかもしれないな、と思ったりする。
だからといって私にはそんな生活はきっとできないけど、便利に慣れてしまうと不便なことが思い出せないように、私の暮らしには、慣れてしまった便利さに気づけないが故の不満がこぼれ落ちている気がした。
ドラマが始まった当時、韓国では北朝鮮を美化しすぎという声が上がり、視聴率も低かったらしい。
それが最終回には歴代ドラマ3位の視聴率になったそうだ。
ドラマの中でユン・セリが何度か「北と南がすぐに統一されるかも」とか「統一されたらね」という台詞があって、ちょっと切なくなった。
この話はもちろんフィクション。
だけど、韓国の人も北朝鮮の人も、もちろんドラマを見て泣いてる私も、みんなおんなじ人なんだろうなって思う。
私は韓国にも、もちろん北朝鮮にも行ったことはないけど、国が違っても、嬉しいことも、悲しいことも、誰かが誰かを思う気持ちはきっと大きく変わらない。
隊員たちとユン・セリが、いつかまた会える日が来るといいなと密かに願いつつ、今日も続きを見ることにします。