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ふと、

秋に思い出すあれこれ


毎年10月になると思い出す感覚がある。
肩にズシンとくる、分厚いジャンパースカートのプリーツの重み。
冬服期間に突入し、セーラー服を着た中学時代。

毎年10月になると思い出すがある。
いつもより早く登校すると、教室に近づくにつれて聞こえてくる
合唱コンに向けた朝練の歌声。

毎年10月になると思い出すがいる。
尊敬とともに自己嫌悪を抱かせてくれた初恋の男の子。


「戻れるなら、小学校、中学校、高校、大学、どれがいい?」

大人や芸能人にする質問のなかでは割と定番なのでは。

ちなみに私の答えは「全部戻りたくない」
どれがいい?と聞かれて全部嫌と答える人間なんて、我ながらうんざりするほどの捻くれ者だと自覚している。

でも全部戻りたくない理由は自分なりに一応ある。
当時の私が精いっぱい悩んで楽しんだ時代を、今の私の価値観で評価したくないからだ。
もしかしたら今の私を守りたいだけの正当化にすぎないかもしれない。
そうだとしても、過去に戻って当時の自分の行動を修正したいとは思わない。
その時の私が選んだ選択を良くも悪くも受け止めてあげることが、大人になった私がしてやれることなんじゃないか。


けど1つ欲を言うならば、卒業式の前日、初恋の彼に手紙を渡せた私のもとに戻って、思い切り抱きしめてあげたいな、とは思う。
想いを綴るほどの勇気はなかったものの、彼がかけてくれた言葉にどれだけ救われたのかを、本人に伝えることができた15歳の私を褒めたい。

遅すぎる秋の到着に、ふとそんなことを思い出したので書き残してみた。
初恋の話は、またいつか。

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