深い笑窪
外見に惚れたわけじゃない。
でも私は好きだった。あのかわいい笑顔を。
あの吸い込まれそうな深い笑窪を。
開いてるのか分からないほどつぶらな目を。
一緒にいると心地よかった。
彼の匂い、体温、空気すべてが心地よかった。
生きる温度が心地よかった。
もう彼以上の人には出会えないと思う。
だけどそれが嘘だって言うことを私は知っている。だってこれまでもそうだったから。そう思ってもいつの日か素敵な人に出会って、好きになってきたから。だから次もきっと同じ。
きっと素敵な出会いがある気がしている。