【表】人間の寿命とプログラム
人間の寿命について
一説では寿命は死のプログラムがあると言われています。
これはDNAの解明が進んだ過程で説かれた寿命の定説です。
※ちなみにDNAの遺伝子情報では、死ぬことと老いることは別々のプログラムに分けられる。
老化のプログラムは種の保存のバトンを繋ぐに必要なことから組み込まれた説などがあります。
これは世代を繋ぎ、進化と適応をDNA情報に書き込んでいく仕組みも関連していきます。
その積み重ねた名残は、様々なパターンとして今でも現れています。
高い所を本能的に怖がるなど種の防衛反応も書き込まれた内容が元かもしれません。
またDNAにはスイッチの概念もあり、オンとオフの違いによって将来の病気、恐怖や喜びの感情パターンなど多岐にわたり、情報から人を構築しています。
その生命の終わりをプログラムしているのが、寿命(死)のプログラムになります。
プログラムの死という定説は、ヘイフリック限界というレオナルド・ヘイフリック博士が突き止めた研究がもとになっています!
簡潔に、これは人間の細胞分裂の限界を指している内容です。
人のさまざまな臓器から採取された細胞を培養すると、それぞれが由来する臓器に固有の回数だけ細胞分裂を繰り返します。
しかし、細胞がそれ以上分裂することなく、分裂が止まった細胞はアポトーシス(プログラムされた細胞死)を起こしてしまう。
※ヘイフリック限界は人間だけでなく動物にも共通する。
これが寿命を定義するプログラムされた細胞死です。
※人間の寿命は約120年と言われている
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日常生活で負担をかける生活や細胞分裂のサイクルが早い行動は寿命の短縮が起こる可能性を示唆しています。
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このヘイフリック限界の発見から新たに幾つかの情報が分かりました。
それがテロメアの役割です。
テロメアは染色体の末端にくっついている構造を指しています。
当時の染色体研究のなかでテロメアは意味のない塩基配列を繰り返すだけのDNAの余剰と考えられていました。
ところがヘイフリック限界の発見によって再び見直され、もしかして宝の情報が埋もれているのではと思われました。
考察は見事に当たり、研究者たちは細胞分裂のたびにテロメアの長さが短くなることを発見しました!
細胞はテロメアによって分裂回数を制約されている
ふたつめは、テロメラーゼの発見です。
テロメラーゼは、テロメアに塩基を付け加えていく反応を触媒する酵素で、自身がテロメアの配列のRNAを持ちます。
テロメアの役割が理解されると、テロメラーゼがその修復に関係するのではという仮説が唱えられました。
この研究はブラックバーン博士とグライダー博士が単細胞真核生物のテトラヒメナからテロメラーゼを単離することに成功したため確認することができた!
それ以前はテロメラーゼを単離する技術がないため難航したようです。
これらの研究からテロメラーゼの活性ないと人の細胞はテロメアの修復が行われないことが分かりました。
※テロメラーゼの活性があるほとんどの単細胞生物には、寿命というものがありません!
また人間の細胞を構成するミトコンドリアやリソソームなどの真核生物はすべて、テロメラーゼによって修復し、無限に増殖していきます。
単細胞生物や真核生物には死の概念がない
これは不老不死のカギとも言われている。
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テロメアとテロメラーゼの関係
以上の情報から寿命に対するイメージは変わっていく可能性を秘めています。
理論的には
人間のテロメアを修復するテロメラーゼを生み出し、それを細胞に組み込めば、人間も永遠に細胞分裂を繰り返すことになる!!
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このようにDNAプログラムは人体の様々な情報を統括、細胞分裂を促す基本と言えます。
ガン治療を含む難治性の病もDNAのスイッチの切り替えで改善してしまう可能性もあります。
根幹となるDNA情報は良く利用すれば凄い結果を生みますが、反対に劣化させる情報に書き換えられると、老化が促進され治癒が難しくなる可能性も同じく存在します。
感覚では、治癒が働かなくなり、なかなか症状が取れない違和感などが当てはまります。
痛み(炎症)の場合は、炎症を促す燃料(添加物、毒物、油類、肉食など)を控えて観察すると分かります。
トータル的に症状の予測が難しく、細胞から変異するため未知の領域と言われている。
遺伝子治療などは根気のいる研究のひとつになります。