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時間はお前だけのものじゃない
よく来たな! 私は長らくカードゲーム(以下TCGと省略)をしている。しかも、それを仕事にしている。かれこれ9年になる。
TCGのプレイ自体は、1996年から遊んでいる。
人生の半分以上TCGしているクレイジーガイって訳だ。
現在の私の公認大会での優勝回数は39回。
そんな私から伝える今回の内容は戦略的な記事ではなく、大会においての立ち回りや、強いプレイヤーがどう考えているか?それを制限時間に焦点をおいて書いた記事だ。
ちなみに、この記事は完全に趣味で書いている。誰かに読ませる気はない。
まず初めに
私は現在、蟲神器のカード制作のアドバイザーをしており、
その立場上、蟲神器の戦略的な記事を書くことは控えている。すまない、わかってくれ。
ただし、Xにて短い内容で現状について伝えることは、今後も続ける予定だ。
蟲主ライフを楽しむツールにしてくれたら幸いだ。
繰り返しになるが、今回は大会においての立ち回りや、強いプレイヤーがどう考えているか?それを制限時間に焦点をおいて書いた記事だ。
11月に蟲主総会も控えている。大会においての制限時間については広く知ってもらう必要があるだろう。
制限時間はお前だけのものじゃない
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タイムイズウォン
端的に伝えれば以上だ。このタイトルの通りだ。これで記事を締めてもいいほど、伝えたい内容がこのタイトルに集約されている。
ただ、これで終わりだと言えば、何も伝えたいことも伝わらないだろう。玉響だけ使って虫を出さないようなものだ。
◇大会中のプレイ時間は長くない。
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蟲神器は楽しい。そう、時間を忘れるほどにだ。お前が気の合うフリエンドと蟲神器を日がな一日楽しむのなら、制限時間なんてものは、野暮以外の何者でもない。時を忘れて楽しめばいい。
しかし、大会となると話が変わってくる。大会には多くの蟲主が集まるだろうし、会場の閉場時間、店舗の閉店時間も関係してくる。
どうあっても、ゲームに制限時間が設けられることが多い。これは仕方のないことだ。
例えば、1本先取の大会で制限時間が15分だったとしよう。
この時、1人に与えられるプレイ時間は何分だろうか?
そう、7分30秒だ!
だが、残念だったな。単純計算ではそうだが、現実は違う!
大会の方針によって左右されるが、対戦の準備時間もここに含まれていることが多い。デッキをシャッフルしたり、相手にデッキをカットしてもらったり、じゃんけんをしたり、縄張りを6枚並べて、4枚の手札を引いたり、先手後手を決めたりすることだ。
これらには平均2分~3分ほどの時間がかかるだろう。3分かかったと想定すると、残り時間は12分。
そうだ、お互いに使用できる時間は1試合6分だ。
蟲神器は最長10ターンであり、もし、お前が最終的に縄張り差で勝つデッキを使っているのなら、1ターンに使える平均時間はたったの36秒だ。
何をいいたいかというと、制限時間のもうけられた大会では、一人当たりの持ち時間は、思ったより少ないということだ。
◇2人はプリキュア。制限時間は2人のもの。
上の項目で少し触れたが、制限時間はお互いに共有している。大会での対戦はフェアーであるべきだ。共有している時間を片方だけが多く使用することは許されない。
あぁ、そうだな。持ち時間制にすればいいという意見が出てくるだろう。実際オンラインの蟲神器の大会ではこの方法が採用されたりはした。
だが、蟲神器においては、相手のターン中に攻撃された縄張りから『とびだすかどうかの判断』が求められる時間がある。これは相手のターンにおいて自分が時間を使うタイミングだ。このゲームにおいてそれは多くないが、たとえ相手のターンであっても自身が時間を使うこともあり、持ち時間制にすることが難しい。そのため、オフライン大会では共有の制限時間が設けられているのだ。
何よりも、持ち時間のカウントダウンの押し忘れが多大に発生する。オンライン大会ではこれを無くすために、各卓にスタッフがおり、タイムキーパーを行っていた。現実の大会でこれをするのは、コストがあまりにかかりすぎる。
だから、2人の共有時間として制限時間があるのだ。
そうであるからこそ、自分が使う時間には気を配るべきであるし、あまりにも対戦相手のプレイが遅い場合はジャッジを呼ぶなどして適切な時間でプレイしてもらうようしなければならない。
そうだ、お前がプレイが遅くなくて相手が遅かったとしてもお前がジャッジを呼ばなければその状況は誰にも伝わらない。
制限時間は大会を楽しみ、互いがフェアーにぶつかり合うために必要なルールなのだ。
◇大会は与えられた時間の中で最善の答えを導き出すゲーム
この現実を突きつけられ、こんなものできないじゃないか?と思ったベイベー蟲主もいるかもしれない。
そうではない。そもそも、蟲神器やTCGにおいて、制限時間のある大会と、フリー対戦では内容が全く異なるのだ。
制限時間のある大会においては、タイトルの通り『大会は与えられた時間の中で最善の答えを導き出すゲーム』になる。
あぁ、そうだ普段、家や公園でやっている対戦とは大きく異なるのだ。
普段ならばじっくり考えて、最良の1手を毎ターン打つために、ゆっくり時間を使い楽しめばいい。だが、大会はどうやっても優勝者や勝者が出る。これは競技的なイベントだろうが、カジュアルなイベントだろうが変わらない。
もし、仮に毎ターン3分かけるプレイヤーが居たとしよう。その蟲主がゲームを終えるのにかかるのは準備時間を3分を足して33分だ。その対戦相手が同じスピードでプレイしたのならば、彼らの試合が決着するのに1時間3分かかってしまう。
それを許容できる大会は存在しない。なぜなら会場の閉場時間や他の参加者も居るためだ。
まず、大前提として制限時間のある大会とは、『与えられた時間の中で最善の答えを導き出すゲーム』であるということを知ってほしい。
◇時間を使いこなせ!
こう書くと、『公認大会は急いでプレイしなければならない』『ターンのかかる遅いデッキは持ち込めない』と勘違いする人もでてくるかもしれない。
そんなことはない。相手に伝わる上ではやくプレイすることは悪いことでなく、むしろ良いことであるが、もっとも重要なのはそこではない。
『与えられた制限時間をフルに活用し、最適な答えを導き出すこと』これが最も重要だ。
先ほどの例を上げて、この項目を説明しよう。
制限時間は15分。準備に3分かかり、お前の持ち時間は6分だ。10ターンかかるデッキを持ち込んだお前の平均ターン時間はたったの36秒だ
無理だ。そう思ったかもしれない。
だが、現実ではそうはならない。
簡単な話だ。お前は遅いデッキを握っており、前半のターンにはそれほどやることはない。1~3ターン目まで、ドローとエサ場のセットだけでターンを返すことが続くだろう。
これは数秒で終わる。
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試しに私が実際にやってみたが、4秒かからずにターンを終えることができた。
何が言いたいかというと、これで貯金ができるということだ、時間の。
この動作を3ターン繰り返したとして、得られる時間は
36秒-4秒=32秒 これが3ターンあるとして96秒の貯金ができる。
1分36秒もの時間を得ることができる!これは6分の持ち時間の中の実に26%以上の時間を貯金できているのだ。
そうだ!急いでプレイするのではなく、適切なタイミングで適切な時間を作るために、特に考える必要の少ないタイミングでは、さっさとプレイしてしまうことが重要なのだ。
◇相手のターンに考えろ!制限時間を、コントロールしろ!
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最初に制限時間はお互いに共有だが、それぞれに持ち時間があるようなものだと話したが、それを凌駕する方法がある。
それは、『相手のターンに次の1手を考えること』だ。
まず断言するが、強いプレイヤー全員が確実にやっている方法だ。
強いプレイヤーと対戦したとき、こんなことを言われたことはないだろうか?
『えっ!?そのカード入ってるの!?』
これは言われて嬉しい一言だろう。お前の構築が、相手の思ってもいないカードだったのだ。デッキビルダーとしての最高の誉め言葉ともいえる。
少し話が逸れたが、これは強いプレイヤーである相手が、次のターンに何をするかを想定していたが、その想定外のものが出てきたために起きた驚嘆の言葉だ。要するに、強いプレイヤーは自然とどうゲームを組み立てていくか?次どうするかを考えているという裏付けだといえる。
話を相手のターン中に次の1手を考える方法に戻すが、蟲神器では、相手のターンから、自分がプレイするまでに、自分のプレイに影響する部分はとても少ない。
①相手の場に虫が出た。
➁自分の縄張りからカードを引いた、とびだした。
③自分のターンの初めにカードを1枚引いた。
せいぜいこの程度だ。相手のターンの間、相手の行動をだたぼーっと眺めるのではなく、『次のターンにこのカードをエサ場にセットしよう』とか『青の虫が出てきたから、次のターンに手札の緑の虫で倒そう』とかを考えておくことで、格段にプレイスピードが向上し、ゲームの精度も上がる。
考えていたプランが、自分のターンに引いたカードで変わることもあるだろうが、既に1度考えいたことが1枚のカードで変わるだけなので、それでも何も考えていなかったよりも圧倒的にはやく判断できる。
はやく判断し、プレイスピードが向上すれば、お前の使える時間はどんどん貯蓄されていく。
そうなれば、ゲームを決するような難しい盤面に遭遇したときに、じっくり考える時間をそこで作れるのだ。
最後に
色々と書いたが、実はここに書かれていることは、そんなに難しいことじゃない。多くの人が大会に出ている中で自然と身につけていることだ。
いきなり初心者にこれを全部意識しろと私は思わないし、そんなことを考える蟲主はいないだろう。
だが、知っておいて損のない内容を伝えられたと思っている。
上に書いてる内容を少しでも意識することで、プレイも上達し、相手とスムーズでフェアな対戦が楽しめると思う。
どのカードゲームでも、大会中の制限時間について問題が起こったりする。それはこういった意識がないからだと私は考えている。
誰もが大会を楽しみ、良い蟲神器ライフを送るために伝えておくべき内容であると私は考え、それを記事にした。
決して勘違いして欲しくないのだが、これができないから大会に出るなとかそいうことではない、気をつけるべきこと、そして、どうすればそれとうまく向き合えるか、その方法を伝えたに他ならない。
私は初心者にどんどん大会に出てほしいと思っているし、大会はたくさんの同じことを好きな友人と出会える素晴らしいものだと考えている。
少しでも大会を通じて嫌な思いをする人を減らせられればと思いこの記事を書いた。
大会を楽しむ蟲主が、この記事を通じて一人でも増えてくれれば幸いだ。
チアーズ。