2023年は数秘術では7の年。『今の自分を知る』がテーマ
ー「今の自分を知ること」が今年のテーマなんじゃないかな?必然的な気もするけど。
そう言われて我に返った。
私は今、とあるボイストレーニング教室の個室の中にいて、隣の部屋にいる先生の顔がモニターに映し出されている。
ーそう…かもしれません。…いや、そうです。その通りです。
こんなところでそんな核心を突いたような指摘を受けると思っていなかったので一瞬ぼーっとしてしまった。
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私は去年の6月からボイストレーニングに通っている。大学時代から「いつか習いたい」と思っていて、特に切羽詰まった目標や夢があるわけではなかったがなんとなく今しかないと思って通い始めた。最初の頃はなかなか成果が出なくて、毎月辞めるかどうか迷っていた。そんな、ぬるいプールから上がるか上がらないか迷っているうちにふやけてきた人みたいな生徒だった。
しかし、2022年の12月くらいから声を使ってやりたいこと、明確な目標が見えてきた。その目標について話すと、先生は言った。
ーそのためにはまず自分と深く繋がる必要があります。人間一人一人が持つ「魂の声」を出せるようになれば、できると思いますよ。
類は友を呼ぶのか、音楽の世界がそうなのかはわからないけれど、私の先生は宇宙に精通した人だった。もともとヒーリングミュージックをしていたそうで、歌うテクニック以外に自分と繋がることや聴く人に歌を届けるために必要なことをたくさん教えてくれる。
ーいまの発声練習だけど…無理して声出してたんじゃない?ボイストレーニングに来たんだからって張り切ったでしょ?でも今日は本当はどんな気分なの?
ーうーん。。。実はあまり元気ではありません。
ーそうだよね。そういうときはね、無理に元気な声を出そうとしなくていいの。今の自分の状態を知って、一番心地よい声を出せばいいんだよ。その方が、その人にとって最もよい音が出やすくなるから。
ー今の自分の状態を知る…ですか。それは、物心がついた時から、無視してきたことです。
多くの人がそうなんじゃないかと思う。朝起きたら、元気だろうが元気じゃなかろうが学校や会社に行かなければいけない。行ったら行ったで元気に挨拶し、笑顔で先生や同僚と話し、営業スマイルで接客する。今の自分を知ったって仕方がない、むしろ邪魔にしかならない。申し訳ないけどそんなものは無視させていただきます。でないと生きていけませんから、友好な人間関係が築けませんから。お金が稼げませんから、有給なんて使えませんから、みんな働いてますから、それが普通ですから…
ーそうだよね、現代社会ではそうしないとなかなか生きづらいもんね。私もそうだったからわかるよ。でもね、今の自分を知らないと、魂の声はいつになっても出せるようにはならない。
ーなるほど…
ー「今の自分を知ること」が今年のテーマなんじゃないかな?必然的な気もするけど。
その通りだった。その言葉で、頭の中の点と点が一瞬にして繋がった。2023年は数秘術でいう7の年。自分を内観し、本当の願いや祈りに向けて軌道修正をする年。最も自分を深く知るのに適した年。それは知識や世の中に漂う雰囲気の動向としては知ってはいるけれど、じゃぁ具体的に何をしたらいいのかはあまりピンときていなかった。アカシックリーディングをしているとどうしても未来のことを見ようとしてしまうけれど、典型的な灯台下暗しだ。まずは今現在の自分の状態を知って、そこを受け入れていく必要があるみたい。
この1月の最初のレッスンのために、私は新しく練習したい曲を用意していた。
haruka nakamuraさんとLUCAさんの楽曲はどれも素敵だけれど、この八星は群を抜いていると思う。家で練習していても、聴くたびに、歌うたびに涙が止まらなくなる。正直この曲を歌うことは恐れ多いし、今の自分に歌えるとも思えなけれど、今一番歌いたい曲だと思って選曲していた。
カラオケがないので原曲を流しながら歌い、先生に聞いてもらった。歌い終わると先生は、苦しそうな、なんとも言えない神妙な顔で下を向いていた。
ーこれは…この曲は…なんと言うか…次元が違うね。聴いている間、ずっと鳥肌が立ってた。
ー練習してる時も、聴いてる時も、涙が止まらなくなるんです。でも今は何も感じませんでした。「ボイトレのレッスンに来て練習している」という歌い方でした。つまり、全然うたえてなかった。
ーそうだね。でもこの曲は歌えるとか歌えないとかそんな次元の話じゃないんです。私もこんな曲と向き合う時が来るとは…とにかく次元が違う。
ー幼稚園児が京大の試験受けようとしてるみたいな感じですか?
ーそうそう!そんな感じ。だからこの曲は最終目標にした方がいいかもしれないね。偉そうなこと言ってるけど、今の私でもこの曲は歌えない。
ーわかりました、この曲が歌えるようになることを最終目標にします。
ーそうしようか、でもね、「魂の声」が出せるようになれば不可能ではないと思うよ。
こうして2023年の最初のボイストレーニングのレッスンが終わった。終わった後もしばらく頭がボーっとしてしまうくらいいろんなことをダウンロードした授業だった。ボールペンを忘れたので携帯にメモしていたけれど、心もとない。録画して見返したいくらい気づきの多い45分間だった。忘れないように、今こうして必死でnoteに書き留めている。
だけど忘れたっていいんだとも思う。先生の声は私に染み込んでいるし、体はそのことを忘れたりしないから。
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