スペイン生活：お金にまつわること（銀行口座開設など）
家賃や光熱費、学費などもろもろの支払いのためにスペインの銀行口座が必要です。
また、スペインはコロナ以降、急激にキャッシュレスが進んでいます。1.6ユーロのコーヒーを買うのでもキャッシュレスでOKですし、嫌な顔をされません。
2023年の春、ホテル近くの小さな商店で水を買った時に小銭で払ったら結構面倒くさそうにされたのが印象的でした。一方で、日本からの荷物を自宅で受け取り関税を支払う際は、現金での支払いのみ、お釣りはなしという、超レトロな所もあり、不思議な国です。
さらにスペイン国外で発行されたクレジットカードを受け付けないオンラインショッピングの店（地元の映画館）もあり、スペインの銀行の口座を開設して口座連結したカードを所有する必要があります。
カード払いには厳密には、クレジットカードとデビットカードがありますが、商店でのキャッシュレスは原則デビットカード決済で銀行口座から即時に出金されています。ですので、常に口座残金を確保しておく必要があります。
日本で準備したこと
WISEの口座開設
渡航前にすでに不動産契約や学校の入学金など、出国前からスペインに多額の外貨送金をしないといけないことがありました。
海外送金の手数料最安値で簡易なのはやはりWISE一択な気がします。
また、両替に関しても24時間可能で両替手数料も良心的な気がします。
WISEで口座を開設し、なおかつ物理カードも同時に取得しておくとこのカードで日常の支払いも可能になります。
デジタルカードもありスマホ決済可能なのですが、最初にこの物理カードを取得しないとデジタルカードも取得できないので出国する２週間以上前に申請をしておく必要があります。
WISEの口座に日本の銀行からネット送金し、日本円を入金。その後、ユーロに両替して相手へ送金と少し手間はかかりますが、手数料が安いのがありがたいです。
ただし、月末の残高が日本円で100万円を超えることができないないため、円安が進むとあっという間に残高だけが増えてしまうので、後述するスペインの銀行口座にユーロを移して対応しました。
また、WISEには自動両替機能があるので、レートを見ながら「１ユーロ幾ら円の時に これだけ両替する」と設定しておけば、両替してくれるので常に相場を気にしなくてもいい点も便利です。
ソニー銀行の口座開設
こちらの銀行は、日本にいながら外貨預金口座（11通貨対応）を所有でき、その外貨口座から支払いもできる（手数料不要）点がメリットです。
ただし、店頭で「円で支払いますか？」と尋ねる機械もあり、お店の人が勝手に「はい」と押してめちゃくちゃ悪いレートで購入されてしまうことがあるので、「ユーロで」と支払い時に強調する必要があります。また、外貨を他の銀行口座に送金するには事前に登録が必要で（日本在住中に行う必要あり）、外貨の振込関係には使いづらいという欠点があります。手数料も1回3000円かかります。なお、スマホ決済ができないので物理カードが常に必要です。
また、Wiseもソニー銀行もどちらもドル、ユーロ、イギリスポンドなど様々な外貨に対応しているので、海外のネットショッピング（アプリの購入含め）を多く利用する場合、日本のクレジットカード払いよりもお得だと思います。
スペインでしたこと
まず、銀行口座をスペインで開設するためには携帯電話の番号が必要なので、電話番号付きプリペイドSIMカード（eSIMでも電話番号付きならOK)を購入し、スペインの携帯電話番号を入手しておく必要があります。
N26銀行の口座開設
ドイツにあるネット銀行ですが、スペインで開設するとスペインの銀行口座番号が得られます。
また、通常のスペインの銀行口座の開設にはTIEが必要ですが、N26はパスポートと携帯電話番号（プリペイドSIMの番号でもOK)があれば開設できますので、到着後すぐに開設できます。
コースが色々ありますが、一番安いコースで口座開設しました。
N26はスマホのアプリでサクサク動きますし、iPhoneであってもスマホ決済ができるので、物理カードは無しでも大丈夫です。が、スマホの充電切れや盗難のリスク、ATMから現金を引き出すためには、有料になりますが物理カードを取得した方がいいです。入国直後で、住所が決まっていなくてカードを受け取れない場合、住所が決まってから申請することもできます。
以前は、本人確認のためにビデオチャットが必要だったそうですが、今は不要です。英語が話せなくても大丈夫です。ただし、パスポートの写真確認の制度が厳しく、日中の自然光の元で写真を撮影しないと受理されません。天気のいい日中に開設の手続きをしましょう。
N26で口座を作ってから携帯電話やネット環境の契約をしたので、口座開設後に携帯電話番号を変更する手続きに少し手間取りましたが、できました。
サポートセンターは英語でのやりとり（chatが便利）が必要ですが丁寧に対応してくれますので、安心です。
WISEで両替したユーロをN26に送金するとすぐに入金できるので、N26のデビットカードで買い物したり、電話や電気などの月々発生する料金はN26からの引き落としにしています。
現状
旅行のための航空チケットや宿泊、美術館の入場料などをネットで購入する際には、ソニー銀行のデビットカードで問題ありません。
ただし、スペイン国内のローカルなお店（映画館など）をオンラインでチケット購入する際、日本発行のクレジットカードでは拒絶され、N26のカードでないと購入できないことがあります。
また、ソニー銀行の支払い時にユーロか円かを選択できることがありますが、必ずユーロ選択にしないといけないので注意が必要です。
ソニー銀行に加えて、WISEとN26があれば1年くらいの滞在で税金を支払う必要がない場合、スペイン生活を生き延びられそうです。
ただし、税金の支払いに関してはN26の口座からはできないため、こちらで給料を得て生活する場合は、スペインの銀行（BBVAやサンタンデール、Caixa など）の口座をTIEカード取得後に開設する必要があるようです。
TIEカードを取得さえすれば、これらの口座開設も簡単にできますが、これらの銀行口座は条件をクリアしないと口座管理費用が結構取られるので、結局使用していません。
スペイン滞在中に、ソニー銀行のカードがシステム障害で決済できないトラブルが生じたことがあります。幸い、他のクレジットカードで決済できましたが、万一に備えて複数のカードと現金も持ち合わせておく必要はあるだろうなと思いました。