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【NBA】Houston Rocketsの現在地

2019-20シーズンに大胆な戦術”Micro Ball”を取り入れたRocketsですが、
プレーオフではLAL相手に1-4で初戦を取って以降、4連敗でシーズンを
終える事になりました。
今回は改善すべき点等々、素人なりに書き残そうと思います。

目次

1.プレーオフの所感
2.プレーで改善すべき点
3.ロスターの改善点

1.プレーオフの所感

■”意外”な苦戦
・シーズンを4位で終えたHOUが5位のOKC相手に7Gameシリーズに
持ち込まれるというのは、予想していませんでした。
確かに今季のOKCは下馬評を覆す良いチームでしたが、
怪我で離脱していたRussを差し引いても、悪くて4-2でHOUが
勝ち抜けると思って見ていたのですが、Luguentz Dort(OKC)という
Hardenを抑える為に生まれてきたかのようなニューカマーの登場、
HOUでも指折りの3&DのCovingtonの守備の穴を見抜いたCP3の
クラッチ力にも手こずりました。
最終的には4-3でOKCを下し、セミファイナルへ進出、LALとの
マッチアップになりました。

ここでのマッチアップは、LALがフロントコートの強さを活かすのに
比べ、HOUはMicroBallという非常に対照的なシステムを用いて戦う
両チームだったので、お互いの勝ちパターンとしては、
LAL:オフェンスリバウンドからの2ndチャンスでMicroBallを粉砕
HOU:スピードとシュート力でADすらコートから追い出す

このどちらかに偏って、勝ちゲームは10点差くらい付くものが
多くなるかも知れないと思っていました。
蓋を開けてみると、1-4でLALが余裕の勝ち抜け、余裕すら感じる
シリーズになってしまいました。
もちろん事前に懸念していた通り、相手に2ndチャンスを多く与えた結果、
やられてしまったのはあるのですが、それ以外でいくつか挙げます。

2.改善すべき点

■Russの悪癖が露呈
シーズン前にトレードで獲得したRussの悪癖と言えば、
・ショットセレクションの悪さ
・ターンオーバーの多さ
この辺りが主なマイナス点です。ただ彼の場合、これらのマイナスを弾き飛ばす程の大きなプラスを生み出せる選手なので、HOUのシステムでは活きるし、実際シーズンの後半は非常にうまくアジャストしていました。
シュートが下手な彼が外で空けられている状態でボールが回ってきたら、
迷わずドライブを仕掛け、相手が寄って来たらキックアウト、
そうでなければゴール下で力強くフィニッシュ、というのが正解であり、
勝つ為に重要なプレーの1つでした。
しかしこのシリーズではなぜか無理に3ptを打つ場面が多く、自分で自分の強みを消してしまっていたのも事実です。


■Hardenのダブルチームへの対応
幾度となくダブルチームを仕掛けられていましたが、
ここはシーズンと変わらず、寄ってきたらすぐ空いている味方にパスし
数的有利を演出していました。ただ、変わらないのが問題でした。
個人的には、もう1つ2つ工夫できたと思います。
①ダブルチームが寄ってくる”前の”パス
②パスした後は突っ立っているだけ

①が出来れば、LALの守備も少し困っただろうと思います。
特にLALはHardenがハーフコートを跨いだ辺りから仕掛けていたので、
早めのパスアウトをしていれば、コートのどこかに必ず大きなスペースが
出来ていたシーンもありました。ただ、LALがそこまで加味したうえで、
「3ptを打たれるくらいなら2ptのハイポスト付近は空けてもOK」という
号令の下でダブルチームを仕掛けていて、HOUもそれをなんとなく
見透かした上での判断であれば致し方ない部分もあると思います。

②ですが、ここが1番もったいないポイントです。
彼のような歴史に名を残す攻撃力を持つ選手が、パスをした後、
ただただウイングで立っているだけなのはあまりにももったいないんです。
パスをした後はカットして相手DFを引き付けるといった動きも出来たはずなんですが、能動的にカットやスクリーンの動きはありませんでした。
これは彼だけでなく、Russにも言える事です。

3.ロスターの改善点

・LALとのシリーズで見えたように、普段からMicroBallを実行している
HOUが最も苦戦したのはMicroBallにアジャストしてくるチームでした。
LALもセンターにADやMorrisを起用する事で、HOUよりもレベルの高いMicroBallを実行出来ていたようにも見え、自分たちの戦略が
相手にもヒントを与える事になってしまったようでした。
特にADを中心とした高さのアドバンテージを利用してくる場面は
何度か抑えてはいましたが、彼のターンアラウンドショットに対しては
あまりにも無抵抗だったように見えました。
HOUのセンターはPJ Tuckerが務めており、サイズが198cmしか無くても
大きな選手相手にタフな守備が出来ていました。彼を不要という訳では
ありませんが、ADのようなスーパースターを完全に止めるのは不可能です。
まして今はどのチームもサイズがあってシュートが打てて走れる選手が
トレンドなので、似たようなスキルセットでもっとサイズのある選手が必要ではないでしょうか。

■候補選手
・Aron Baynes(PHO)
11.5PPG 5.6RPG 1.6APG
FG:48.0%(4.4-9.1) 3pt:35.1%(1.4-4.0) FT:74.7% eFG:55.8%
・現在33歳ですが、今季は3ptにDFリーダーにと最も活躍した1年でした。
ちょうど今オフかつ安価で契約できそうなので、可能性はありそうです。
HOUがトレードで若干キャップを空けられれば問題なさそう。

・Jerami Grant(DEN)
12.0PPG 3.5RPG 1.2APG
FG:47.8%(4.3-8.9) 3pt:38.9%(1.4-3.5) FT:75.0% eFG:55.5%
・サイズ、運動能力を兼ね備えた3&Dです。来季終了時にPOですが、
9mil弱しかもらっていない事からもオプトアウトが予想されます。
26歳という年齢を見ても、大きな契約を貰えるチャンスですが、
Baynesと同じくトレードでキャップを空ける等々での調整で
獲得はあり得ると思います。個人的にはかなり合いそう。

トレードピースとしては、今年エクステンドしたばかりの
Eric Gordon(14mil)が1番他チームから見て選手として価値がありそうです。
指名権もまだ少し残っているので、動くとしたらこの辺りでしょうか。

MicroBallそのものは、ダントーニがいなくても続けるべきだと思います。
良さそうな未来は見えたので、諦めずに取り組んで欲しいです。

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