使用VSTプラグイン備忘録 音源編
ベンダー:kv331audio
プラグイン名:SYNTHMASTER PLAYER
入手:(フリー)版 FREE (有料版)29$
https://www.kv331audio.com/synthmasterplayer.aspx
音が良い、GUIの操作性が良い、無料、と良いとこづくめ。DTMを初めてやる人がDAW付属音源以外にフリーのシンセを何か、って時には迷わずこれを最初のひとつにお勧めしたい。何より操作性が最高。音を選ぶ、左下のツマミや、右側のエフェクトツマミやらボタンを回して調整する、それだけ。しかも音の切り替わりレスポンスも良い。自分は今でも最初に適当に音源選ぶ時はまずこれという事が多い。まったくのプリセットではなく、フィルターレゾナンスくらいをちょこっとエディット出来るという所がポイントで、これは本当に実用的というか実践的というか。正直自分の場合はシンセのエディットなんてそんなもんでいい事が多い。それよりも音を探す作業の方が実際大半であり、であれば音の切り替えが速いという事の方が余程重要である。
ちなみにこれは、SYNTHMASTERという大元のシンセのプリセットバージョンという位置づけのフリー品だが、有料版のSYNTHMASTER PLAYERというのもある。違いはプリセット数。無料版は550種類、有料版は1800種類との事。自分の場合はPresonusのバンドルに有料版が付属していたのでそれで有料版を使用出来ている。何度も言うがPresonusのバンドルは素晴らしい。
ベンダー:kv331audio
プラグイン名:SYNTHMASTER ONE
入手:79$
https://synthmaster.com/synthmasterone.aspx
定価は79ドルだが、自分はセールで2500円くらいで購入。こちらはSYNTHMASTERの弟的なシンセで、SYNTHMASTERPLAYERはあくまでSYNTHMASTERのプリセットのみフリー版なので、少々ややこしいがSYNTHMASTERとは別物である。しかし出音傾向はやはり同系統と言える。構成としては「オシレータ×2、サブオシレータ×2、フィルター×2、ADSRエンベロープ×4、LFO×2、16ステップのアルペジエイター/シーケンサー、11種類のエフェクト(6つまでインサート可能)を搭載。サブオシレータは、「従来のサブオシレータ」「リング・モジュレーション」「アンプリチュード・モジュレーション」「フェーズモジュレーション」「フリークエンシーモジュレーション」といった5つの異なるモードのオシレータとコネクト可能」との事。自分にとってシンセでしっかり音作りしたいとなったらこれを使おうと思って購入しているわけだが、実際の所プリセット音しかまともに使用していない。これがもしSYNTHMASTERとなるとさらに複雑な構成となるわけで、SYNTHMASTERは要らない、PLAYERでいい、と思っている。
ベンダー:Plugin Boutique(OLI LARKIN)
プラグイン名:VirtualCZ
入手:79$
https://www.pluginboutique.com/products/1158-VirtualCZ
http://www.olilarkin.co.uk/index.php?p=virtualcz
基本的に基本的なシンセ音なんてのはSynthmasterPlayerで十分、というのが根底にあるが、その上で他に必要となるのは自分の場合は特に80sの実機エミュレーション系のチープな味わい。そして自分にとって最初のシンセサイザーは厨二の時に購入したCASIOのCZ-5000なので、これはもうマストアイテムである。セール時に10ユーロくらいで購入。実機の音色プログラムを再現する事も可能だろうが、まだやってみてはいない。当時実機では音色チャートの冊子を見てチマチマ数値エディットして、音を鳴らしてみては、おおーと悦に浸っていた。そんな思ひでが蘇る。
ベンダー:Audioblast
プラグイン名:AcidBox
入手:39,99 €
https://www.audioblast.me/product/acidbox/
その名が示す通りの303のエミュレーション。
実機の音と比べてどうこうというのは、実機の音がわからないので言えないが、中学時代より様々なアーティストの盤に録音された303の音に慣れ親しんで来た自分にとって、印象として求める303の音という観点では違和感は無い。結局の所肝要な点は、各々がACID成分として何を求めるか、という所であって、実機と近ければ近いほど良い、とかそういう問題ではなく、実機よりもこっちの方がより自分の求めるACIDだ、とかそういう事も全然有りうるわけで。また人によっては303のシーケンサーで他のアナログシンセを鳴らしたACID感の方が良いとかもあったり。
という事で、このACIDBOXもちゃんとシーケンサーがついており、それで他のソフトシンセを鳴らせるという所や、MIDIファイルで書き出し出来る所が素晴らしい。そして各パラメーターをランダムに設定するランダムボタンもある所も素晴らしい。303のシーケンサーの良い所は操作の難解さゆえにまともに狙った打ち込みが出来ないが、それゆえに適当にやってその適当さが良い具合の意外性に作用する、という所であって、であればランダム機能をつけるのが妥当であり。テクノ系作成者にとっては極論音源は使用せずランダムシーケンサーだけでも使いでがある。定価はそれなりだが10ドルセールがちょいちょいあるので、これを10ドルで手に入れられるというのは本当に素晴らしい事だと思う。オートメーションによる狙いを定めたACIDコントロールは実機には無い利点。どちらが良いとかそういう事ではなく、それぞれに利点があるという事。
ベンダー:DS Audio(Dmitry Sches)
プラグイン名:THORN CM
入手:Computer Music Magazine付録
https://www.filesilo.co.uk/computer-music-257/
Computer Music Magazineという英国の雑誌には、大概付録で機能限定版(仕様版以上、製品版未満)プラグインがついてくる。そしてなんと、その号特有の付録のみならず、過去の付録もおまけとしてついて来るという太っ腹仕様。つまり最新号とかを一冊でも購入すると、数多の過去付録、Computer Music Magazine版(以下CM版)プラグインを手に入れられるわけだ。
で、自分はその中のプラグインを日々色々試したり消したりしているわけだが、特に気に入ってるのがこのTHORNのCM版。これは普通に使える。ちなみに製品版のTHORNというのはplugin-allianceで扱っている3種のシンセの内の一つで、音が良いと各所で評判のモダンなシンセである。このCM版の通常版との違いはオシレータ数が3→2、フィルター数が2→1とフィルター種類のいくつか、エフェクターが数9→2とそれぞれ削減されているという事だが、そういう類のダウングレードというのは「使える」機能限定であり、むしろ簡潔さに繋がったりするメリットすらあったり。なんせモダンなシンセ系プラグインにおいては、機能の豊富さがなんとなく胃もたれ感というか、立ち上げたくない気分につながる事もよくある話で。
つまりCM版THORNを日々気軽にサクっと使用し、惚れ込んだら普通に製品版を買えば良いわけであり(plugin-allianceだからセールを狙えば大概30$以下で買えるわけだ)。という事でTHORNとは言うものの決して損の無いTHORNなのである。
特に個人的なお気に入りポイントはハーモニックフィルターである。仕組みはよくわからないが、名前の通りハーモニックなフィルターという感じであり、音を良い具合にふくよかにする。これさえあれば何でもOKという雰囲気すらある。スピードで言うなら、SYNTHMASTER PLAYERで良い具合のプリセットを探すのが速いか、このTHORN CMのハーモニックフィルターをかけていじるのが速いか、という具合でもある。この辺がこのシンセの「使いでポイント」というわけだ。