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4%ルールは保守的過ぎやしないか? 検証してみた!

はじめに


 今回は、FIREを目指す方は知っておられると思いますが、いわゆる「4%ルール」に代表される資産の取り崩しについて、検証・考察してみました。

4%ルールについては、↓の過去の記事が好評でしたので、よかったらご覧になってください。

で、個人の印象ですが、検証するに至ったのは
 4%ルールって、ちょっと保守的過ぎるのではないか?
 もっとたくさん取り崩してもいいのではないか?

って考えていたからです。

だって、S&P500の年間の平均リターンは、8%とも9%とも言われています。

また、FIREするのにいくら必要か? ってあちらこちらで議論されています。
1億円必要だの、1億5,000万円必要だの、色々な意見があります。

例えば、1億5,000円あれば、4%運用で年間600万円の収入があるので安心では?
ということですね。

確かに、それだけあれば安心ですが、そもそも、
 元本の1億5000万円自体は使わないの?
 本当にそんなにたくさん必要なの?
って思っちゃうのですよね。

今回は、過去80年の実際のS&P500の値動きから検証してみました。

毎年、一定の平均リターン9%くらいで計算したら、4%どころか7%、8%取り崩しても、破綻せず、資産が増えていきますよね。

下げる年は容赦なく下げるので、そういう年があるのが色々と問題なのです。

ということで、実際の値動きに照らし合わせて、どうだったかは非常に重要!
それではレッツゴ!


1.検証方法


今回の検証は、S&P500の過去80年の騰落率を利用して行いました。

1944~2023年 S&P500 騰落率

S&P500に連動する投資信託を持っていることを仮定します。
検証では、配当は考慮しません。
また、為替の影響も考慮しません。
S&P500の値のみで検証しますので、実際の投資信託の値動きと異なる可能性があります。

前提として、6%くらい取り崩しても、大丈夫じゃね!? と考え、

元本 : 2000万円
1年後~ 毎年120万円取り崩し
期間 : どこかの30年間

で、シミュレーションしてみます。

毎年120万円使えれば、月10万ですよ! 奥さん!!

5,000万円なら、毎年300万円の、月25万円、
1億円なら、毎年600万円の、月50万円!!!

これを基本に、期間や条件を変えて検証します。
果たして、うまくいくのか??

2.検証結果

2.1. 1994~2023年 毎年120万円取り崩し


それでは、早速結果を見ていきます。

1994~2023年 毎年120万円取り崩し

≪表の見方≫
年(末) : 年末時点。上の表では、1993年の資産が2000万円となってますが、実質1994年の年初とほぼ同じ意味となります。

取り崩し : 毎年、年末時点(翌、年初と読み替えてもOK)での取り崩し額です。

取り崩し後資産 : 年末時点の資産から取り崩し額を引いたものです。

取り崩し率(%): 取り崩した額が、資産に対して何%になるかです。


この期間、初年度こそマイナス成長でしたが、95年からの株価の伸びが素晴らしいですね。

運用開始時点で、6%ルールのつもりの120万円の取り崩しが、株価の成長のため、ほとんどの期間、4%ルールになっちゃっています。😅

30年間で、
資産残高 2,000万円 ⇒ 7,491万円
取り崩し額 120万円 × 30年 = 3,600万円
という結果です。

これは素晴らしい。

ただ、2008年は、リーマンショックを経験しています。
1年で、3,766万円 ⇒ 2,317万円

で、実際は同時に急激な円高が進んでいますので、
さらに資産が減っていたと思われます。

リアルタイムで経験すると、かなりつらかったでしょうが、
結果としては、申し分ない30年だったのですね。

2.2. 1994~2023年 毎年120万円+インフレ分追加取り崩し


先ほどは、30年間一律120万円の取り崩しでした。
しかし、現状、諸外国の状況を考えても、日本もこれからは基本インフレがどんどん進んでいくことを想定した方がよさそうです。

今の120万円と、30年後の120万円では、かなり価値が違っていると考えたほうが無難です。

そこで次は、インフレを考慮し、毎年ちょっとずつ取り崩し額を増やしてシミュレーションしてみたいと思います。

※この後、様々な条件のシミュレーション結果を提示します。
実際の値動きを元にしたシミュレーションですので、将来、狼狽しないためにも、是非知っておいていただきたい内容です。
ご検討、よろしくお願いいたします。🙇‍♂️

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