勝ち運と馬の神社・藤森神社@京都
ここ「藤森」は「ふじもり」ではなく、「ふじのもり」と読みます。
今回は、京都の神社です。
あまり聞かない神社かもしれませんが、実はとても有名な神社なのです。
藤森神社は、菖蒲の節句発祥の地として知られ、菖蒲→勝負の連想や5月5日に行われる駈馬(かけうま)神事により、「勝ち運と馬の社」として競馬関係者や競馬ファンからの信仰を集めている神社なのです。
Topの写真にもあるように、とても可愛いお馬さんの形をしたおみくじなどが売られていて、競馬ファンの友人へのお土産に喜ばれます。
さて、
JR京都駅からJR奈良線で藤森駅で下車するか、京阪電車で藤森か黒染駅で下車し、それぞれ5分から10分程度歩くと神社へ到着します。
南門と西門の二ヶ所から境内へ入ることができますが、今回は南門(一の鳥居)の方から参拝させていただきました。
入り口には、白地の看板が出ていますので、直ぐわかると思います。
入り口から入ると直ぐに、木々に囲まれた中に鳥居が見えます。
一の鳥居(南門)
一礼をして鳥居をくぐると、長い参道です。
西門の方から進むと、二の鳥居(?)、三の鳥居(?)があります。
参道・藤森祭(駈馬神事)
この参道で、毎年5月5日の藤森祭(深草祭)に駈馬神事が奉納されているそうです。
駈馬神事では、一字書き、藤下がり、手綱潜り、横乗り、逆立ち、矢払い、逆乗り等の他、数種の技を奉納しているとのことです。
馬の神社だけあって、見応えがありそうです。
いつか見てみたいと思います。
手水舎
参道を歩くと右手に社務所左手に手水舎がありました。
手水舎横に立て札があり、
「この手水舎の水鉢の台石は、宇治・浮島にある十三重の塔の上より5番目の石を石川五右衛門が持ち来たりしものと言われており・・・」と書かれています。
なんだか楽しげな言われですね、宇治に行った際は注意して十三重塔をみてみたいと思います。
拝殿
狛犬の先に御拝殿が見えます。
中央に通路を持つ割拝殿です。
京都では、応仁の乱において多くの建物が焼失したため応仁の乱以前に建てられた建物が少ないそうです。
藤森神社の本殿と拝殿は、御所より建物を移築したため、とても貴重な建物とし今でも残っていて、重要文化財にもなっているそうです。
御本殿
正面に唐風破風を有する拝所、その左右に続く東西廊に囲まれた中に本殿が鎮座しています。
本殿中央の御祭神は素盞鳴命、別雷命、日本武尊、応神天皇、仁徳天皇、神功皇后、武内宿禰の七柱。神功皇后が203年、新羅より凱旋後、藤森の地に、神祀りされたのが起こりです。
本殿東殿(東座)の御祭神は舎人親王、天武天皇の二柱。
天平宝字3(759)年、深草の里藤尾の地に鎮座。藤尾は現在の伏見稲荷の地になります。永享10(1438)年、後花園天皇の勅により、時の将軍足利義教が山頂の稲荷の祠を三麓の藤尾の地に移し、藤尾大神を藤森に遷座し、東殿に祀り、官幣の儀式が行われました。
本殿西殿(西座)の御祭神は早良親王、伊豫親王、井上内親王の三柱。早良親王は皇太子となられた後、蝦夷で反乱が起こったので征討将軍として当神社に詣で戦勝を祈願され、出陣しようとされたところ、これを伝え聞いた反乱軍は畏怖し、乱は戦わずして平定されました。
※藤森神社HPより引用
檜皮葺の入母屋造りの御本殿。
当然、削ぎも鰹木もありません。
御祭神
・ 素盞鳴命 (すさのおのみこと) 本殿中央(中央座)
・ 別雷命 (わけいかずちのみこと) 本殿中央(中央座)
・ 日本武命 (やまとたけるのみこと) 本殿中央(中央座)
・ 応神天皇 (おうじんてんのう) 本殿中央(中央座)
・ 神功皇后 (じんぐうこうごう) 本殿中央(中央座)
・ 武内宿彌 (たけのうちのすくね) 本殿中央(中央座)
・ 仁徳天皇 (にんとくてんのう) 本殿中央(中央座)
・ 天武天皇 (てんむてんのう) 本殿東殿(東座)
・ 舎人親王 (とねりしんのう) 本殿東殿(東座)
・ 早良親王 (さわらしんのう) 本殿西殿(西座)
・ 伊豫親王 (いよしんのう) 本殿西殿(西座)
・ 井上内親王 (いがみないしんのう) 本殿西殿(西座)
以上十二柱
御由緒
当社は、今から約1800年前に、神功皇后によって創建された皇室ともゆかりの深い古社です。
本殿は正徳2年(1712年)、中御門天皇より賜ったものです。
特に当社は、菖蒲の節句発祥の神社としても知られ、今日では勝運と馬の神様として、競馬関係者(馬主・騎手等)、また、競馬ファンの参拝者でにぎわっております。
※藤森神社HPより引用
御朱印
おみくじ
めちゃくちゃ可愛いおみくじです。
競馬好きな友人にお土産に買って帰りたくなりました。
藤森七福神
藤森七福神は、七福神行列の復活を祈念して奉納されていて、元禄時代に藤森祭で行われていた行列だそうです。
・福禄寿 :招徳人望 除災の神様
・弁財天 :知恵財宝 学問の神様
・布袋尊 :笑門来福 縁結びの神様
・毘沙門天:融通招福 安産の神様
・恵比寿天:商売繁盛 商売繁盛の神様
・大黒天 :福徳開運 開運招福の神様
・寿老人 :長寿延命 長寿の神様
このようになっています。
摂末社
ここ藤森神社は、多くの摂末社があります。
本殿裏に、右から八幡神社・祖霊社・七宮社・大将軍社・天満宮社が東西に並んでいて、そのほかに藤森稲荷社・霊験天満宮・祖霊社・大日如来社が各所に点在しています。
伏見方面の神社を参拝しようと調べていたところ、行き着いた神社の一つが藤森神社でした。
素盞鳴命をはじめとする十二柱の御祭神を祀る神社とは、とても贅沢な神社だなぁと思い、また、勝ち馬・競馬の神様と聞いて、なんだか笑わせるなぁと思いました。
しかし参拝してみて、質素ではあるけれど、とても質実剛健って感じの神社で、たぶん地域の人たちに愛されている神社だと感じました。
京都市内には、立派な神社や絢爛豪華な神社、由緒正しき神社などが多くある中で、庶民的な神社ですが、とても心温まる神社です。
5月5日の藤森祭はとても華やかで、勇壮な神事が行われるのだろうと想像がつき、いつか参列してみたいと思いました。
手水舎の石川五右衛門の話は、たぶん眉唾だと思いますが、そんな話が残るってことは、神社と石川五右衛門とのなんらかの関係があったからこそ逸話が生まれたのだと思います。
そのように考えると、違ったワクワクが生まれてきませんか?(笑
そんな藤森神社です。
お近くにお寄りの際は、参拝してみてはいかがでしょうか?
神社: 藤森神社
住所: 京都府京都市伏見区深草鳥居崎町609
HP: http://www.fujinomorijinjya.or.jp/