らしんばんが入ってるビルのらしんばんじゃない階に初めて入った話
金がねえ~~~~~~~~~!!!
金欠です。紅楼夢で使いすぎて、例大祭なんて絶対行けません。まあ無駄遣いしなければ餓死することはないしそもそもバイト増やせって話なんですけど…
そんなある日
友達「飯食って一万円もらえる会に行ってさ〜」
ぼく「何それ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
友達「もしかして興味ある?来週の木曜日にもあってさ、まだ人募集してるらしいしやる?」
ぼく「やるやるやる!やります〜!!!!!!!」
正直最初聞いた時、パパ(ママ)活か?って思ったし、マルチや宗教の勧誘なんじゃないかと訝しんだが、背に腹は変えられないので参加することにした。大学生にとって一万円はそれほどまでに魅力的なのだ。どんな食事会なのかというと、就活イベントの一環で、企業の経営者と一緒に食事をしながらありがたい話を聞いたり、色々質問できたりするものらしい。なんで一万円がもらえるのかは全く分からないし、怪しさ満点だったが、どんな手段で手に入れようと一万円は一万円。金は命より重い。
食事会の会場は名古屋駅付近にある個室居酒屋だった。大学生が行くような安居酒屋なんかよりはランクが上っぽかったが、それでもたかが知れている。店名の前に付いた「肉割烹」という枕詞に思わず警戒してしまうのは、一丁前に金を取りながらしょぼい肉寿司を出す店に出くわし怒りのポストをするXユーザーを幾度となく観測してきたからだろうか。
名古屋駅に到着し地図を確認すると、目的地のピンが刺さっている建物に「らしんばん名古屋店」という見慣れた文字列があった。オタク御用達のあのらしんばんだ。FFと名古屋でエンカするときは大体行ってるし、何かを買うわけではなくても見ているだけで楽しいので時々1人でも足を運んでいる。名古屋駅から アニメイト→メロンブックス→らしんばん の順番でロスなく回ることができる神立地だ。昔はなんとメロブの横にとらのあなまであった。
思えば、らしんばんが入っているビルのらしんばん以外の階には高そうな雰囲気の店が並んでいた。建物内はエレベーターを使って移動するのだが、らしんばんで降りる"こっち側"の人間と、違う階で降りる"あっち側"の人間との間に決して交わらない何かを感じていた。実際に”あっち側"になると大したことねえなと思ってしまうが、あの日らしんばんで降りたオタクは、僕のことを交わることのない何かだと思っていたのかもしれない。
食事会の内容ははっきり言って空虚だった。お酒も飲めたが全く楽しくない。居酒屋によくある薄めのジンソーダで乾いた喉を潤しながら、経営者の方の話を神妙な顔で聞き、時に思ってもいない感想や質問を返す2時間半。料理はまあまあ美味しかったが、一応ありがたいお話を聞かせて頂いているという体なのでバクバク食べまくるわけにも行かない。ほんのちょっとの酔いと微妙な空腹感を抱えながら、僕は店を後にした。
名古屋駅まで行く途中、参加者の学生と少し話をした。みんな真面目な顔をして勉強や就職の話などをしていたが、どうせ頭の中はこれから手に入る一万円のことでいっぱいだったに決まっている。タテマエと本心の大乱闘を上手く収めることが大人になるための必要条件なんだろう。もしあの中で大真面目に食事会の話を聞いていた人がいたなら、申し訳ないけれど多分一生仲良くできないと思う。
帰るついでにゲーセンに寄った。3~4クレくらいチュウニズムをした後、コンビニでストゼロを買って飲みながら家まで歩いた。こっちの方がよっぽど楽しい。やっぱり僕には高そうな居酒屋ではなく、らしんばんがちょうどいいのかもしれない。
ちなみに一万円の話は食事会から1週間後くらいにLINE でされた。それまで全く音沙汰がなかったので「詐欺られた!?」とも思ったが、そんなことはなかったらしい。1週間ほどでアマギフが送られてくるらしいので楽しみだ。
それにしても、商売の構図としてはパパ活の方がよっぽど健全かも知れない。パパ活は買った側が楽しくそして気持ちよくなれるのに対して、こっちは誰も幸せになっていない。参加した経営者も、少なくない金と貴重な時間を使ってやる気のない学生の前で話をするのはさぞ虚しかっただろう。おそらく得をしたのは企業と学生の仲介役となった業者だけだ。このような就活ビジネスに費やされている無駄金をなくせば、日本の景気はもう少し良くなるのではないだろうか。僕も就活ビジネスで無知な学生を釣って儲けたいな
p.s.金がないって話を知り合いにしたらパチンコの引き子とかおすすめだよって言われたけど実際どうなんですかね。調べた限り大丈夫そうだけど最近闇バイトとか多いので心配です。あと全然関係ないけどジンっておいしいよね。