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対面授業で親友に会えた話

今月から大学は対面授業を再開した。急遽終わりを迎えた夏が、早々と秋の衣替えを急かしている。そんな中での対面授業再開のお知らせは、やっと大学の親友と会えると私の心を踊らせるものだった。学校に行くのは春の健康診断で行ったのが最後で、限られた時間の中で親友の姿をチラリと見かけたくらいだった。

春ぶりの学校の樹木は、もうすぐ紅葉を迎えようとしていた。山の麓にある私の大学は、季節の移り目をありありとうつす。葉と葉の間から秋の乾いた風が通る。久しぶりにあったクラスメイトたちも、髪の毛を黄色やら赤やら、なんだか秋めているじゃないか。

授業のある教室に向かうと、親友はいた。見慣れたストレートの黒髪の後ろ姿に、懐かしさを覚える。「久しぶり!」と元気よく話かけると、親友は嬉しそうに私の名前を呼んだ。まともに会話するのは1年ぶりかもしれないと私が月日を数え出そうとするが、それよりまず伝えるべきは親友の教員合格を祝う言葉かと、思案すると不思議と会話に詰まってしまう。親友はそんな私の考えを知ってか知らずか、お互い進路決まって良かったと間よく話し始め、場を和ませてくれた。そうだこういう気配り上手な子であったなと懐かしい。
学校を出る頃には、オンライン授業になる前までの二人に戻っているようだった。時折、私の知らない一年間の話を聞くたびに、会えなかった間をうめられる喜びと、私の知る友が遠くにいるようで胸がキュッと締め付けられた。

変わったところはあったものの、彼女と話す時の安心感は不思議と変わらない。紅葉のように、人柄という幹の部分は大して変わらないということだろうか。
コロナ明け、新しい縁を感じながら歩んでいきたい。

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