主体性を手放さない
いよいよ緊急事態宣言が発せられました。
諸外国とは違う、国民の主体性に委ねられた宣言です。外出したら罰金とか逮捕とかないわけですから、あくまで一人ひとりちゃんとしてくださいね、というものです。
ほんとは緊急事態宣言なんて出ないほうがいいんですけど、再三の自粛要請にもかかわらず、結果として感染が広まってしまったので、やむなしといえばやむなしな話です。
でもみなさん、気づいてましたよね?今回の緊急事態宣言は、早く出せ、遅すぎる、という声ばかりが聞こえていました。これって何なんでしょう。3月初旬の休校要請のときは、散々非難してなかったですか?今回は、みんなこぞって自分たちが縛られる指示に喜んで従っているわけです。
私たちはそんなにもお上に指示されないと自分の行動をコントロールできないのでしょうか?先日テレビをつけたら、「公園で子どもたちを遊ばせるのはいいってことですが、鬼ごっこをしたら知らない子どもも一緒になって遊びます。そういうのをやめさせたほうがいいのか、指針がほしいですね」とコメントしている人がいました。それ、指針いりますか?そこまでお上に決めてもらわないと動けないんでしょうか。
こうやってファシズムは私たちに忍び込んできます。もし今回の緊急事態宣言もむなしく感染者が増え続けたらきっと、罰則規定を設けろ、諸外国と同じにしろ、という声が湧き起こることでしょう。それは残念なことですが、私たちが自分たち自身をコントロールできなかった結果なのです。
ここで気を取り直さなくてはいけません。私たちは私たちの意志で、主体的にコロナウイルスを撲滅し生き残るのです。誰かに決めてもらって生き残るのではなく、自ら選んで生き残るのです。もし自分が感染したときに、お上のせいにして何か事態は好転するのでしょうか。
主体性を手放すのか、手放さないのか、実はいま私たちに突きつけられているのはその選択なのです。