5月12日 育児の日
結婚は我慢の連続だと聞いたことがあるけれど、私にとっては育児の方が我慢の連続であると思っている。
「もうそろそろ起きてー」
彼女を起こし始めて間もなく20分が経過する。寝ている隙にとオムツを替え、ズボンと靴下を履かせておく。それもすぐに終えて、気づけば20分声を掛け続けている。これ、10ポイント。
「さ、今日は奈央ちゃんの好きなエルサの髪の毛にしよっか」
ようやく起きた2歳の娘に好きなキャラクターの話で気を引きつつ洗面所へ向かい、朝の支度を開始する。
「ラプンツェルみたい」
そっちかと思いつつも、本日は気に入っていただけたようで何よりである。この流れに沿って朝食を食べさせ、歯磨き、体温チェックや連絡帳の記入などの支度を完了させる。
「じゃ、パパお願いね」
保育園への登園は夫が担当してくれており、私はここから猛ダッシュで通勤準備。その早さは毎年、いや毎日ベースで更新され今や5分もあれば身支度から朝食まで整うようになった。
通勤が何よりの心の整頓時間になるとは、子供が出来るまで知らなかった。そこから、16時半までこれもまた猛烈に仕事をこなす。だって、残業どころか定時まですら会社にいられないのだ。悠長になんてしていられない。
「お先に失礼します!」
あ、今日もまた昼休憩を取り損ねたことに気づくのも、休息の電車の中である。明日こそゆっくりとランチを取りたいものだ。
「奈央!ただいま」
自宅最寄り駅から保育園までさえもダッシュで向かい、娘のクラスに到着するのが17時半。娘は妙に不機嫌な顔をしている。
「もっと遊びたいのに!!!」
泣きわめき、教室からなかな出てきてくれない。こうしてますます帰宅は遅くなる。これ、15ポイント。
何とかなだめつつ帰宅。
夕食を与えれば、ご飯を手で掴む。そのまま走り出し、カーテンに触れる。これ、15ポイント。
夕食後かたづけ中には、遊んで遊んでと泣き叫ぶ。私だってゆっくり遊んであげたい。そう思って泣きそうになるが、あと少しと踏ん張って、彼女に声を掛けながら家事を終える。これは10ポイント。
お風呂が癒しにならないだなんて、子育てするまで知らなかった事実の一つである。
息も絶え絶えでパジャマに着替えさせ、寝支度をする。
歯磨きはもうお風呂中に済ましてしまうのが定番になってしまったが、私にはそれが楽である。
もう自身の活動限界を迎えつつあることを悟り、山にしている洗濯物は明日にしようと決める。それを置いている隣の部屋に向かうと、そこには昔なつかしの芸人が・・・・・・。
「ちょ、奈央!?何やってんの」
電気をつけてみれば、ストッキングを被った我が子がそこにいた。細かな編み目のせいで見えにくいがニヤリと笑っているようだ。着せたはずのパジャマも今はなく、オムツ一丁でストッキングを被っているのだ。
私、大爆笑で写真を撮りました。笑いすぎておなかが痛い。
瞬間、悟ってしまった。
娘の爆笑シーン、回復ポイント10000!!
日中のダメージ(今日は50ポイント)はこうして容易に回復するのである。
育児は確かに我慢の連続だが、それを上回る爆笑もあるから堪らない。
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【今日の記念日】
5月12日 育児の日
社会全体で子育てについて考え、地域が一体になって子育てしやすい環境づくりに取り組むきっかけの日にと、兵庫県神戸市の株式会社神戸新聞社が制定。日付は「育(いく=1)児(じ=2)」と読む語呂合わせから毎月12日とした。株式会社神戸新聞社は第9号「記念日文化功労賞」を受賞。
記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
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