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6月15日 天赦日は開運財布の日
子供が持つには少し地味かもしれない。
現在15歳の長女の財布。
昔、ショッピングモールにお祭り屋台のイベントがあった。その中に射的があり、彼女はそれをしたいと言った。他にも子供の好きそうなスーパーボール掬いやヨーヨー釣りなどがあったが、射的が良いと言って他には目もくれなかったことを覚えている。
そのタイミングで自分の財布をほしがっていたこともあるかも知れない。
射的の的に、その財布があった。
5発打てると言われて玉を受け取った。4発は財布から外れてしまい(それでもお菓子2つに命中した)、残るは1発だった。失敗するからママがやってと言う彼女を優しく諭す。私の胸の内側にはまだ幼い次女がいてその時には大泣きだったのだった。だから何とか自分で終えて欲しいと思ったのだが、納得してくれず、妥協案として私の手を添えて最後の1発を打つことにした。
私は、彼女の肩に手を添えただけだった。
奇跡的に財布に命中した。落下はせず、傾いていただけだったが、それまでの様子を見ていたらしい店主がおまけしてくれて財布をもらった。
それは彼女が5歳の時である。
「これ、もう修理は無理かなぁ」
15歳の彼女が見せてきたのは10年も使ってくたくたのぼろぼろになってしまったその財布。これまでも多少のほつれや剥がれなどは修理して使い続けていたが、とうとう小銭入れのスナップボタンがそれごと布から破けてしまっていた。
「うーん、お店に出せばいいのかも知れないけれど、もう充分使ってあげたから新しいものを買ってもいいんじゃないかな」
財布を見ながらそう言うと、彼女はとても残念そうに頷いた。
「そうだよね、ママ、今日買いに行ける?」
「うん、いいよ」
急な誘いではあったがまぁ良しとして出かけることにした。向かう予定の場所の近くには私の実家がある。せっかくなので少し顔を見せに行きがてら、次女と長男を少し預かってもらうことにする。
久々に長女と二人で出かけることにした。
「じゃあ、お財布買ったら戻るのでお願いします」
実家に着き、母に2人の子を預けて私と長女は玄関をでる。預けられた子供達は久々のおじいちゃんおばあちゃんの家に大喜びなので安心した。
実家のすぐ目の前には大きなショッピングモールがあり、買い物をするにはうってつけなのである。
「お財布、何でもいいからママが決めてね」
「えー、何で私が決めるのよ。花菜が決めなさいね」
「いいから、ママが決めて」
妹と弟のいない長女との時間。どこか少し甘えん坊に感じて、懐かしい。そうだった、昔から彼女はママ、ママと私を呼ぶのだ。
「何で私が決めるのがいいの?」
私は彼女に聞く。すると照れくさそうに少し笑った彼女が振り向いた。
「ママにとってもらった財布を使って幸せだったから、次もママに決めてもらいたいの」
10年経ってもママっ子であることをうれしく思いつつ、今回もまた彼女の肩に手を添えてあげようと思う。
どうやら財布にはお金の他に幸せをしまう場所もあるらしい。
長く使って温めれば、その幸せはきっと大きく増えるのだろう。
「じゃあ、ママのを花菜が決めてね」
幸せを分け合おう。
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【今日の記念日】
6月15日 天赦日は開運財布の日
大阪府大阪市に本社を置き、「財布屋」の名称で財布職人手作りの高品質の「開運財布」を製造販売する株式会社美吉屋が制定。「天赦日」とは天の神々が万物の罪を赦す日とされ、すべてにおいて吉とされる暦の上で最も縁起が良い日で、年により季節の区切りごとに日付が変わり年に6日から7日ほどしかない。開運をもたらす「開運財布」を購入するにはふさわしい「天赦日」を広め、一人でも多くの人にポジティブに過ごしてもらうのが目的。2021年の「天赦日」は1月16日、3月31日、6月15日、8月28日、10月27日、11月12日の6日。
記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。