3月18日「森のたまご」の日
今日のご飯は何がいい?と聞くと、二人は決まってこう答える。
「たまごかけご飯!!!」
そりゃ私も大好きだけど、と思いつつほぼ毎日同じご飯を嬉しそうに食べてくれるのを見て、こちらまで嬉しくなるのである。
自分の出したご飯をおいしいと言って笑顔で食べてくれるのだからありがたい。例えそれがトントンパカッとして混ぜるだけで完成するものでも。その上、体にとって良質なタンパク質に必須アミノ酸(だっけ?)がバランス良く取れるらしい。実はカルシウムが含まれていたり、我が家が買っているたまごはDHAも豊富だったり・・・・・・、とにかく、割って混ぜるだけで栄養が取れてなおかつ、親の手料理のように喜んでくれるのだからいいことこの上ない。
「ママ、たまご買った?」
双子の壮平が言うと、その後ろから沙奈もひょこっと顔を出す。
「ママ、たまご買った?」
壮平が言ったことをそのまま沙奈が繰り返す。私は買い物袋からたまごのパックを取り出して二人に見せる。
「ちゃんと買ってきたよ。二人の好きなたまご」
「早く開けて開けて♪」
急かされるままに私がパックを開けると二つの手がにゅっと伸びてくる。
「私これ!」
「僕はこっち!」
ほとんど同時にたまごを手元に取った。もう一方のそれぞれの手には青とピンクのマーカーが握られている。
「ふふふ、今日も作るぜ!沙奈」
「もちろん!壮平」
それぞれが自分で選んだたまごに絵を描き始めた。
今では二人ともたまごが大好きになって毎日食べてくれているものの、一時期はたまごを含めた多くの食べ物を苦手としていたのだ。ご飯かパンのみ、ふりかけもバターもスプレッドもつけたくない。3年前、二人はまだ3歳だった。幸いにも保育園では給食を完食していたので、私も限界まで追いつめられることはなかったが、それでも当時は大いに悩んでいた。
そこで苦肉の策で考えたのが、たまごに絵を描くことだった。たまごには豊富な栄養があることを二人に伝え、たまごはあなたたちの体を守ってくれる栄養の王様とお姫様なのだと伝えた。そうしてそれぞれに王様とお姫様の絵を描かせ、それを自分たちで割ってたまごかけご飯にして食べさせたのが最初だった。
「栄養の王様が僕の体の中に入ったから僕、強くなったよ!」
一口食べて壮平がそう言うと、沙奈も早速一口食べて笑顔になった。
「栄養のお姫様が私の体に入ったから私、かわいくなったよ」
そうしてやっと食べ物を食べることに少しずつ興味を示してくれるようになったのだった。相変わらず野菜が苦手であったり、時には肉や魚も拒否する日があるけれど、それも毎日ではないので問題はない。
「ママ!描けたよ」
「ママ!描けたよ」
ほぼ同時に描き上がり、私に見せてくれた。うん、3年前の出来と比べても随分と上達している。たまごでそれを実感できるとは思わなかったが、それもまた楽しい。
「うん、上出来です!さあ食べよう」
私が言うと、二人はほかほか炊き立てのご飯の上にトントンパカッとする。瞬間、声が飛んだ。
「あっ!黄身が二つある!」
沙奈が驚いて言い、壮平は急いで自分のたまごを見るが、通常通りのたまごを見てすぐに肩を落とした。
さすがにそこまで上手い話はないが、とにかくこのたまごは旨いのである。
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【今日の記念日】
3月18日 「森のたまご」の日
コクとうまみ、鮮度と栄養価で人気の鶏卵「森のたまご」を製造販売するイセ食品株式会社が11月18日と毎月第3木曜日に制定。ブランドたまごの定番と称される「森のたまご」の素晴らしさを多くの人に知ってもらうのが目的。日付は11月で「いい」、18日を「森のたまご」の「森」と読むことからで、「森」の字にある「木」を分解すると「十」と「八」となるため18日とし、「森のたまご」の「森」の字には「木」が3つあることから第3木曜日したもの。
記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。
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