052 韓国の大学在学中のあるある言いたい③
韓国の大学に在学中経験したあるあるを言いたい。
今回は、これ。
③人気の講義を受講するための戦いが熾烈(0.1秒の世界)
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私はもう卒業して10年ほど経ちます。当時の韓国の大学の「수강신청(すがんしんちょん)受講申請」が凄まじかった。
大学では、冬休みが終わる2月ごろに前期の、夏休みが終わる8月ごろに後期の「すがんしんちょん」がある。
うちの大学はシラバスが分厚い本になっていて、大学のオフィスに事前に取りに行っていた。それができない地方の学生たちはイントラネットで確認する仕組み。
事前に分厚い本で、各講義の時間や担当教授をチェックして自分なりに時間割を組む。もちろん必須単位を自分がどこまで取れてるか確認もしながら時間割を組む。
そして決められた「すがんしんちょん」の日に大学の「すがんしんちょん」サイトに学番とパスワードでログインをし、希望する講義の番号を入力して受講申請する…というシステムだった。
人気の教授の講義には希望者が殺到する。韓国では大学での成績が就活の時にチェックされることが一般的なため、韓国の大学生は「C」判定の講義は再履修することが多い(※私調べ)。
さらに総合大学では、例えば文学部の学生が就活に有利だからと経済学部の授業を受講して単位を取ったり、体育学部の学生が就活に有利だからと経学部の授業を受講したり、その学部を専攻する学生だけじゃなく大学内の全生徒が「すがんしんちょん」してくる。
絶対数が多いため、人気の講義は特に、すがんしんちょん開始3秒とかですぐ定員になってしまう。
定員になってしまうと、開講後に誰かがその講義をキャンセルするのを待ち続けてひたすらすがんしんちょんサイトからトライし続ける。
それでも無理なら教授に泣きつきに行く。
教授によっては、アシスタントを通して「今日の19:28に定員を5人増やすからそのタイミングでトライしてみて」と言ってくれたりもする。(あえてキリがいい時間を指定せず、その情報を知ってる学生だけが狙い撃ちですがんしんちょんできるように)
教授によってはは、「講義の質を保つためには受講者の定員を変えるわけにはいかない。如何なる理由があっても例外は認めません。私の授業は定員数を増やす措置はしません!」と門前払いを決め込む人もいる。
1、2年生たちはまた次に受講すればいい。困るのは卒業間近の学生たちだ。
受講しないと卒業できない必須科目を、諸事情で今まで受講できなかった、みたいな4年生が悲惨だ。
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そんな熾烈な「すがんしんちょん」
私も先輩や同級生と一緒に、いろんな対策を練りながら毎回成功したり失敗したりしていた。
対策①ネット環境
すがんしんちょんの日には、友達と一緒にPC방(いわゆるネットカフェ)に行った。韓国のネットカフェはゲームをする人が昔から多く入り浸っていて、ネット回線が早いとされていた。
ネット回線の速さが勝敗を左右するのだ。
大学の構内にあるパソコンを使うと、大学内のネット回線を利用するからすがんしんちょんサイトに早く接続できるんじゃないか説、みたいなのもあった。笑。本当かどうかは分からないけど、それほどみんなより速いネット環境ですがんしんちょんに挑んでいた。
対策②事前に講義の番号をコピペできるよう準備
「すがんしんちょん」当日には、あらかじめどの講義からトライするか順番を決める。人気の教授の講義から、などの作戦を立てているかどうかが重要なのだ。
そして優先順位を決めたら、パソコンのメモ帳機能を開いて、上から順に各講義に振り当てられている番号を入力しておく。
すがんしんちょん開始時刻と同時にサイトにログインし、コピーした番号をペーストして、受講申請をするのだ。
第一志望がダメでも(「その講義は定員に達しました。受講できません」みたいなエラーが表示される)、落ち込んでいる時間はない。淡々と第二希望をコピペする。
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そんな熾烈なすがんしんちょんを経て確定した、私のとある学期のスケジュールはこちら。
今でもよく覚えているのが、月3水2に入れている講義の教授がものすごく人気で、私はたまたますがんしんちょん一発目で受講に成功した。学部の韓国人たちに「あの講義取れたの!?」と驚かれたこと。この教授が絶対に定員を増やさないことで有名で、講義の初日にお願いに来ていた学生たちを優しく一蹴していた。
月6水5に入れた講義の教授は日本びいきで、オフィスにお願いに行くとあっさり受け入れてくれた。この教授が例外で、日本人だからと贔屓してくれたのは4年間の大学生活でこの教授だけだった。当たり前か。
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とりあえず①〜③で始めたこの「韓国の大学在学中のあるある言いたい」。こうやって書いてると他にも思い出してきたので、またの機会に続けます。