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ミッコの入院備忘録⑤

母が入院してからのことを備忘録として綴っておく。
その①はこちら
その②はこちら
その③はこちら
その④はこちら

母のミッコは72歳。
自身が経営するティールームで週4日働いている。娘の私はフリーランスのガーデナーで、お店との関わりは裏方作業中心。お店には月5日ほど立っている。
ミッコは20年ほど前に離婚していて、今は娘の私と会社員の私の夫の3人と保護猫3匹と暮らしている。車で2時間程のところに息子(私の弟)がいる。

ミッコの状況

2025年2月5日
9:14ナースステーションからの着信。
いつの間にか携帯電話がマナーモードになっていて気づかず
折り返し電話すると、主治医からの電話だったようだ。
入院する時に会った先生とは違う先生だった。

内容はミッコの今の状況についてだ。

  • 解離自体は少し広がっているが、実はよくあることであること。

  • 血圧を上げないために痛み止めの量は変えていないこと。

  • 金曜日にもう一度CTを撮って、状況によっては手術をするかもしれない。

  • もし手術するなら、ステントグラフト内挿術で内視鏡による手術になるだろうと言うこと。(これは入院する時にも聞いていた)

  • 退院の条件は今背負っている酸素の機械がとれること。

  • 酸素が少ないのは、解離の出発点が肺に近かったことによる炎症であること。

  • 退院後は、通院で定期的にCTを撮って経過を観察すること。

  • 仕事への復帰は基本的には問題ない。立ち仕事もできるでしょう、とのこと。

「単純に元気になってきてるんだと思っていました」というと、
「そうですね、元気ですね。」と返された。

「ありがとうございました。」と言って電話を切る。

う〜ん、温度感が分かりにくいな。
でも、色々知ることができて良かった。

やはり、ちゃんと主治医から話を聞くのは大事だな。
「知らせがないのは元気な証拠」は、入院中には当てはまらないようだ。

単純に元気になってきていると思ってたけど、実は解離は広がっていたと言われてドキリとした。手術しなきゃいけない可能性は残ってたんだな〜。
よくあることと聞いてもやっぱり心配になる。
このまま手術しないのかと思ってた。明らかに元気になってきてたし。
酸素が少ない理由もわかった。猫背のせいじゃなかった。
昨日までの楽観的な気持ちはなんだったんだ。

う〜ん…とりあえず、今は入院しているんだし、きっと大丈夫!気持ちを切り替える。
無事退院できたら、また元の生活に戻っていけると言ってもらえたし。
まずは金曜日の検査でどうなるかな。

電話で聞いたことをミッコ、夫、弟にLINEする。


5回目の面会

病院に到着し、ナースステーションへ。
今日は迷わなかったぞ。
受付を済ませ、またエレベーターホールで待機する。

「お〜い」・・・ん?
てっきり車椅子に乗ってやってくると思っていたら
酸素ボンベを押しながら看護師さんと共に歩いてきた。
今朝の電話で沈んだ気持ちが浮き上がってくる。
「今日から100m歩いても良くなったので歩いてたんですよ〜」

単純に「解離が進むこと=安静にさせられる」ではないのか。
リハビリは順調に進んでいるようだ。

ベンチに座って、血圧や脈拍、酸素飽和度を確認してもらう。
歩き始める前は110以下だった血圧が130くらいになっていたらしい。
酸素飽和度は歩き終わって92%ら辺。
「ちょっと低いけど、すぐおさまるなら大丈夫ですよ」目標は95%以上。
脈拍は前後で変わりなかったようだ。

「今日は100mの歩行まででしたけど、この感じなら・・・
もしかしたら、明日か、明後日には行動制限なくなるかもしれないですよ。」
嬉しい予告だ。

今日のお土産は靴下。早速履いていた。

昨晩から膀胱炎のようになってしまったらしく、1時間ごとにトイレに行って大変だったらしい。その度に酸素ボンベをベッドの備え付けから可動式のものに変えてもらわねばで、いちいちナースコールしなきゃならないのも大変だったとのこと。
何回も呼ぶのは気が引けるよね。

昨日会ったあわてん坊の看護師さんは色々お願いしても全部忘れちゃうみたいで
膀胱炎の件も伝えたが、朝一の検尿のことも忘れられ、
教授回診の時に自分で教授に伝えて薬をもらった後に検尿したらしい。
他にもボールペンを頼んでも持ってきてもらえない。
共同の洗面所にミッコの薬を置き去りにする。などなど。
口癖は「あ、忘れてました〜」だそうだ。逆に何だったら覚えているのだろうか。
想像以上の問題児だった。不安しかない。

なんだか看護師さん伝てはあてにならなそうだ。
(ちゃんとした人もいるんだろうけど、あわてん坊に当たる確率が高いので)

ミッコに心配なことや聞きたいことは思いついた時にちゃんとメモっておいて、
教授回診の時に自分で直接聞くように伝える。

私から看護師さんに聞きたいことを頼んでも、
「先生に聞いておきます」から返事を聞けるまでに数日かかる。
返事を聞いた時にはミッコの状況は変わっているし、
聞きたい内容も変わってしまっていることがあるのだ。

昨日は15分したら看護師さんが迎えにきたが、今日は一向に迎えにくる気配がなかった。気づいたら30分以上喋っていた。まずい、まずい、また怒られる。

受付にお迎えってこないんですかね〜?と聞きに行く。
勝手に部屋に帰ったらダメって言われていたからだ。
案の定時間を過ぎていることを注意される。「ごめんなさい。」

明後日は、弟が面会にやってくるのだが、
今朝の電話だと明後日CTを取ると言っていたので、
検査の時間と被らないように面会の予約を入れたいと受付で伝え、
検査時間を調べてもらう。

「検査自体は14:45に予約が入ってますが、前後するかもしれないですし、
どうなるかわからないですね。」

う〜ん、微妙な時間帯。事前に弟からは14時に行こうとは話していたが・・・
前後ってどのくらいずれるもんなの?病院の勝手がわからなすぎる。

「通常検査ってどのくらいかかるんでしょうか?」
「わからないですね!なんとも言えないないんです!検査の時間も前後するかもしれないですし!そして面会時間は15分でお願いしているんですよね。大変申し訳ございません!」
深々とお辞儀をして謝罪されたが、語気が強すぎて高圧的だ。なんか怖い。

こりゃ、質問の仕方を変えても同じことしか言ってくれないパターンかも?
う〜ん、時間が読めないから検査後に予約は危険か〜、
前後するとはいえ、14時なら大丈夫かな。などと考えていると、

面会時間のルールなど知らないミッコが
「じゃあ、14時より前(に予約できないんですか)」と言い終わる前に
「面会時間は14時から17時なんですよ。そして、時間は15分と決まってるんです!」

お〜〜〜〜遮られた。そして15分てすごく言うじゃん。悪かったって。
これ以上は話すの良くなさそう。

「で、ですよね。じゃあ、14」まで言った頃「14時に予約されていきますか?!」
「あ、はい。お願いします。」彼女は走り去った。怖かった。

「じ、じゃあ、ね〜」

なんともいえない空気が流れたまま、ヒラヒラ手を振るミッコと別れる。
迎えにきてた看護師さんまで苦笑いだ。

帰り道、病棟内で迷う。
あれ〜?行きはすんなり来れたのに!
考え事をしていたら知らない場所に出てしまう。

なんだか今日は疲れた。

そうだ今日はカレーにしよう。そしたら明日のご飯も考えなくて済む。
夫はカレーが大好物で、たとえ3食カレーが2日続いても文句を言わない。
「やった〜!カレーだ〜!カレー好きなんだよね!」と、
たとえ2日目だろうが毎回言う。
本心かはわからない。けど、私は夫の言葉を信じている。
大変ありがたい。本当に助かる。本当にありがとう。何重もの意味で。

次の面会は明後日。弟と一緒に行く。
明日は月一通っている鍼灸院の予約日。
あとは9日から再開するお店の買い出しなど
なんだかんだあっという間に1日が終わりそうだ。


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