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ミッコの入院備忘録⑩
母が入院してからのことを備忘録として綴っておく。
その①はこちら
母のミッコは72歳。
自身が経営するティールームで週4日働いている。娘の私はフリーランスのガーデナーで、お店との関わりは裏方作業中心。お店には月5日ほど立っている。
ミッコは20年ほど前に離婚していて、今は娘の私と会社員の私の夫の3人と保護猫3匹と暮らしている。車で2時間程のところに息子(私の弟)がいる。
入院12日目
朝9:00、ミッコからのLINE。
手術が3月中旬になるらしいこと。
一時退院するか、手術まで転院するか決めなきゃいけないこと。
今日からお試しで酸素ボンベを外して過ごしているということ。
ミッコとしては、リハビリの先生と話して、休み休みなら身の周りのことも出来そうだから、帰れそうな気もするということ。
「アンナはどっちがいい?」
そう問われても、私にはちょっと判断材料が少な過ぎる。
そも、最初は内視鏡でステントグラフトの手術と言っていたのが、なぜ開胸で人工血管を入れる手術になったかさえよくわからないのだ。
ミッコの身体の状況の正確なところがよくわからない中で一時退院と言われても不安しかないのは仕方がないことだ。
ましてや家でずっと一緒にいるわけではなく、
私はお店にいて側にいないのだから。
まだ食事の説明も聞いていないし。
微妙に遠い1ヶ月後という時期に手術というのもいまいちピンとこない。
歩くと足が痺れるという症状についても説明を受けれていない。
私には決めようがないというのが正直なところ。
ただ、ミッコが一旦家で過ごす方が気持ち的に落ち着くと言うならそうしたらいいとは思う。
お店のことで確認したいことも聞きやすいといえば、そう。
とりあえず、電話で主治医と話せるように段取りしてみると返信する。
ミッコの状況
出勤前、どうせすぐに主治医とは話せまいと高を括って、ナースステーションに話を聞きたいという希望だけ伝えようと思い電話すると、
予想外にもあっさり先生に繋いでもらえてしまい焦る。
慌ててメモを取る。
「開胸手術にする理由」
→解離の出発点が首の付け根に近いことから、ステントグラフト手術に必要な糊代のようなものが少ないことと、常用薬もなく年齢的に開胸手術に充分耐えられると判断したから。あと、術後の再発のリスクの軽減、確実性から開胸手術と判断した。「一時退院を提案した理由」
→低空飛行ながらに安定しているから。
ただ、本人が心配なら一時転院をするのがいいと思う。
よく話し合って結論を知らせて欲しい。
一時退院するとしてもまだ入院から2週間経ってないので、早くても来週になるだろうとのこと。「足の痺れについて」
→分枝障害の一種。
解離の影響で、偽腔に血液がはいりこんで、足の付け根の血管が狭くなっているから。
これについては、通常人工血管に置き換えて出血が止まれば改善していく。
もしも改善が見られない場合は、
別途内視鏡手術で、足の付け根の血管にステントグラフトを入れる。いずれにせよ、退院なり転院する時は一度写真を見ながら先生から直接話を聞く機会があるとのこと。
手術時期の選定については結局あんまりピンと来なかったが、時間切れだ。遅刻しそう。
急いで出勤する。
出勤後、作業の合間にミッコに主治医と話した内容をLINEする。
「一時退院がいいか、転院がいいか考えてみて。木曜日の面会でまた話そう。」
今日の今日で先生と話せて良かった。
わからないことが多いと、あることないことネガティブに考えてしまうから良くない。
確実な情報が得られると前向きな考えが生まれてくるものだ。
お店を閉めて、車を暖気する間に今朝の話を弟にLINEで報告する。
店の買い出しを済ませ帰宅。
夕食を作っていると夫が帰宅する。
今朝の話をすると、
ミッコの好きな方にしたらいいけど、ミッコも家でやりたいことあるかもしれないし、手術前にそういう時間が作れるなら退院もありだよねと言う。
確かに〜。
追加で先生に確認しなきゃならないことは色々あるけど、退院がいいのかもしれない。
自分たちの動きはどうとでもなるだろう。
スタッフのMさんもできることがあったらなんでも言って下さいね。と言ってくれているし、
なんとかなるなる!
夜に聞いたミッコの体調
朝はちょっぴり眩暈がしてたけど、大丈夫そう。
酸素は朝から外してるけど、まだ大丈夫そう。
ただ、寝ると酸素飽和度が下がるらしい。