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ミッコの入院備忘録⑦

母が入院してからのことを備忘録として綴っておく。
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母のミッコは72歳。
自身が経営するティールームで週4日働いている。娘の私はフリーランスのガーデナーで、お店との関わりは裏方作業中心。お店には月5日ほど立っている。
ミッコは20年ほど前に離婚していて、今は娘の私と会社員の私の夫の3人と保護猫3匹と暮らしている。車で2時間程のところに息子(私の弟)がいる。

6回目の面会

今回の差し入れ要望品

  • ノンカフェインのお茶

  • 割り箸

今日は弟が面会にやってくるので駅まで迎えに行く。
数年ぶりに会う弟は歳をとっていた。
向こうもそう思ったことだろう。
「色々ありがとうね。」弟は手土産を買ってきてくれていた。

病院に向かう途中はお互いの近況報告。
「今の仕事って何?」とかだ。どんだけ会ってなかったかはお察しください。
順調に病院に到着してナースステーションにいくといつもより混雑していた。

受付に行くといつもの方は席を外していたようで、看護師さんと思われる方が応対してくれた。いつも待つベンチは満席だ。
邪魔にならなそうなところで待っていると
ミッコが酸素ボンベを押しながら一人で歩いてきた。
「看護師さん忙しそうだから一人できた。」

ちょうど席が空いたのでミッコに座ってもらう。
「でかい靴だね。」
久しぶりに会った息子への第一声がそれかい。まぁいいけど。
弟は身長180cmくらいで足は28cmくらいなので確かにデカイ。
「これ、今年の新作だって。」
弟のミッコへのお土産は可愛いポーチに入ったバスセット。
気分が上がるようにと気遣ったもの。
「へ〜。ありがとう〜。」

近況を確認していると
「あ、そうだ聞きたいことがあったのさ。」と、携帯電話を取り出すミッコ。
「ミッコの入院備忘録ってどうやって見るの?続き読もうと思ったんだけどどこから見るかわからなくなったんだよね〜。」
まさかの自分の備忘録日記を他人の物語のように楽しんでいたらしい。
まぁいいけど。

運動制限に関しては結局、自由に歩けるのは病室内のみとなったらしい。
看護師さんが来る度に言うことが変わるので戸惑うという。

「次来るときに、退院後の食生活の説明をしたいって看護師さんが言ってた。娘さんも同席して欲しいんだって。」「ふ〜ん、わかった。」
まだ退院どころか手術するかもわからないって言っているのに気が早いな。
まぁいいけど。

「お店が月曜日から始まるから、次は木曜日に来るね。」と言って別れる。
ミッコは差し入れのお茶と水500ml8本を酸素ボンベのハンドルに引っ掛けて病室に帰っていった。

この後CTの検査が待っている。

次の予約を入れようと受付に行くといつもの事務員さんが戻ってきていた。
「時間て何時が混みやすいとかあるんですか?」
「日によるんでわからないですね〜!」
まぁ、そうだろうけどさ、それは前提としてのプラスαの情報を求めてんだよ。
本当にこの人に何を聞いてもわからないなと思いつつ、
予約を入れてエレベーターに向かう。
「受付の人のこと。なんか、ねぇちゃんが言ってた意味がわかったわ〜。」
「あ、わかってくれた?大変なのよ。」

なんか小腹が空いたので弟とスタバに行くことにした。
弟は結構健康に気をつけているようだ。
意識高いっぽいことを色々言っていた。
弟はチャイティーラテ。
私はバゲットサンドとアールグレイティーラテの茶葉追加。

実はこの20年くらいゆっくり二人で話したことがない私たち。
大きな出来事を端的な情報としては知っているけど、
お互い詳細な事情や当時の心境を知らない。
せっかくなのでゆっくり話をする。
結論は、我が家は特殊で変な家庭だったね。だ。
話せてよかった。

夕方、弟を駅まで送って行く。

家に着いて、思い出す。
「あ〜〜〜〜、割り箸渡し忘れた。」
次は木曜日まで行けないのに。申し訳ないことをした。
でも使い捨てではないカトラリーも色々渡してあるので、なんとか凌いでもらう。

夫が帰宅。
夕飯は残り物色々。
久しぶりに二人でアニメを観る。
弟のお土産の高級柿の種をつまみにビールも飲む。
KAKITANE KITCHEN。うまい。
「アンダーニンジャ」一気観。すげ〜面白いってこともなかったけど
なんとなく続きが気になって観ささってしまう不思議な作品だった。
のんびりした気分で過ごせたのは久しぶりなような気がした。



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