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ミッコの入院備忘録③

母が入院してからのことを備忘録として綴っておく。
その①はこちら
その②はこちら

母のミッコは72歳。
自身が経営するティールームで週4日働いている。娘の私はフリーランスのガーデナーで、お店との関わりは裏方作業中心。お店には月5日ほど立っている。
ミッコは20年ほど前に離婚していて、今は娘の私と会社員の私の夫の3人と保護猫3匹と暮らしている。車で2時間程のところに息子(私の弟)がいる。

4日目の朝

2025年2月3日
毎週月曜日は夫が会社の除雪当番で4:00に起床。
弁当を作って送り出す。

そろそろお店の諸々も動き出さねばと思い、今後のことを考える。
1週間でいろんな段取りをしておかなきゃならない。
ノートに書き出していく。

取り急ぎミッコに確認しないといけないこと

  1. 取引業者への支払いの件

  2. スタッフへの給与の支払いに関すること

  3. 売上金の扱い

  4. 税理士さんとのやりとり(確定申告!)

  5. 今後の営業日に関すること

  6. ケーキや食事メニューの仕込みに関すること

今後の営業日に関しては色々と問題がある。
無事に退院できたとしてもすぐに働けるわけじゃないし、ミッコは基本出勤しないと考えて段取りしなければならない。
とはいえ、私にもガーデナーの仕事があるわけで、4月から6月、9月から11月は繁忙期なのだ。
フリーランスになって10年近く経ち、ありがたいことに固定のお客様もいるので、春と秋は作業が集中してしまう。
それにプラスして一応バラの専門家でもあるので、3月から月に1回、講習会の仕事も決まっていた。

端的に定休日の曜日を増やすしかないのだ。
今年の売上減は仕方ないとして、気持ちを切り替えていく。
何より無理し過ぎずに健康第一を考えよう。

まずは、年間の細かい予定をカレンダーに入れていき、連休を作らねばならない月
単純な週3日休みの月を見やすいようにまとめていく。
POSレジのレポートと睨めっこして売上の低い曜日を候補として絞っていく。
ミッコにプレゼンするための資料作りを終えるとようやく外が白んできた。

3回目の面会

面会の時に何か欲しいものあれば持っていくよ、とメッセージを送ると
「ロクシタンのボディークリームを持ってきて欲しい」とだけ返信があった。
ミッコの乙女は平常運転だ。
必要なものって、なんかもっと違うものを想像していたが、
前回会った時は無気力過ぎたので、そういう「気持ちを豊かにするもの」に気がいくようになるのは良い傾向だと捉えることにする。

まだ使えるようにはならないだろうけど、というものも追加で持っていくことにする。

  • ドライヤー(くるくるブラシ付きのやつ。ミッコの必需品)

  • 体を洗うタオル的なやつ

  • ミッコのお気に入りのマグカップ

  • キャンプ用の使い捨て食器洗剤シート

  • ティーバッグのお茶

  • バスタオル

  • 携帯電話と充電器

もちろん、ボディークリームも忘れずに袋につめた。

ミッコが立った!

病室に着くと、前回会った時よりも表情が豊かになっていた。
元気になってきている!と実感できた。
「ご飯が美味しくないの」と文句まで言えるようになった。

ミッコに確認したいことを先に確認してザックリと方針が決まる。
ひとまず動けることが増えた。

イベントにたくさん心配してきてくれてたよ。と報告すると、へへへと喜んでいた。
ミッコが推している私の夫の音楽仲間のイケメンギタリストさんも来てたというと
入院して一番テンションが上がってキャッキャと喜んでいた。乙女だな。

話していると看護師さんがやってきて、
「ミッコさん、起き上がってみますか〜」
介助してもらってベッドの縁に座ることができた。

「立ち上がれそう?」
すんなりと立ち上がることにも成功。体調も問題なさそうだ。
「ハァ〜、気持ちいい」
4日ぶりにミッコが立った。おめでとう!

あれよあれよと車椅子でトイレにまで行ってしまった。
なんという回復力。
しかしながら、まだおしっこの管は外してもらえなかった。

「私ってしぶといね。不死鳥のように蘇ってきた」と、
調子に乗ったことまで言えるようになった。本当によかった。

このテンションの高さはイケメンギタリストのお見舞いの言葉が大きく影響してるんだろうなと思ったが言わないことにした。

Netflixを見る気力が湧いてきたようなのでセットしてあげる。

調子に乗って喋っていたら面会の制限時間を大きく過ぎてしまい軽く注意を受ける。ごめんなさい。

「また来るね。」と言って、病室を後にする。

帰りに友人のお店に寄ってカフェラテをテイクアウトしがてら近況を報告。

経過は良好。
がんばれ、ミッコ!




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