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みんな、なりたいものになれた?

自分が25歳の時に作った曲を聴いた

色んな事を思い出して、少し泣けた。

「こんな事思ってたんだな」と、思ったり
今は少し違う自分だなと思ったり。



私が今これだけ
バキ童チャンネルバキ童チャンネルって
言っているのは、
おそらくこのコンテンツの強さや
登場人物の人柄に惹かれただけではなく

土岡や町田(町ルダさん)の
大学を卒業してからこれまでの日々に
強く共感を抱いているからという点もある。


私はずっと、歌手になりたかった。
歌手になりたいと思ったまま
覚悟がなくて大学に行って
卒業するときは「就職はしない、音楽をする」
と言って、本当に就活もしなかった。

フリーターになって音楽活動をするんだと。


それでもいざ4月が来てみると
「何もない」自分に焦った。
みんながスーツを来て、「何か」になっていく
研修に行ったり毎朝起きてどこかへ行く

私だけ「何者」でもなかった。
何者かになりたいなんて思ってなかったのに。
自分だけが役をもらえない劇を観ているみたいだった。
不安を言える友達もいなかった。
みんなもう役をもらっていた。
その時期はお酒を飲むたびに泣いていた。

実家に住んでいたけれど
「お金は稼がなきゃ」と
携帯代や奨学金を払うためにバイトを探した。

見つけた仕事は電話のテクニカルサポートで
週5で働いたから、結局忙しない毎日になった
慣れない社会生活に疲労困憊した。

曲を作るために音楽理論を習いながら
働いて過ごす日々になった。
家で曲を作るけど、ライブにはあまり出ず
「音楽活動って何やるんだよ」と思いながら日々が過ぎた。

職場には音楽をやっている人やラッパーがいた。
私は色んな頃があって職場で心を閉ざしていた。
その人はたくさん働きながら
たくさん音楽を作ってはパフォーマンスしていた。
今その人は有名なラッパーになった。
あの時、素直に色々話せたら
よかったのにと思う。


3年働いてある日仕事を辞めた。
突然辞めたから次の日は
朝10時くらいにちゃんと目が覚めた。

ベッドの上でビートルズを聴いた。

「私はいつも、こんな最高の時間を
労働に使っていたの?」と唖然とした。

失業保険をもらうためにハローワークへ行った
「バイトをしてました、社員ではありません」
と書類を渡したら

「この契約は、契約社員ですよ」と言われた。
ずっとフリーターだと思っていた私はめちゃくちゃ驚いた。

あれだけ「正社員にならない!」と言っていたのに
気付けばボーナスがないだけの社員になっていた。

結局音楽活動も開始しないまま
もう25歳になっていた。
電話対応のスキルと、若干のPC操作と
3年の社会経験だけ身についた。


「お金が続くまで自由にやろう」
と働かない生活を開始した。
曲を作ったり、絵日記を書いたり、ハンドメイドをやったりして過ごした。
旅行にも行って遊びにも行った。
お金はすぐになくなった。

友達の結婚式に行くために、慌ててお金を稼ぐことしにした。

学生時代からスナックは何年かやっていたから
自分がすぐにお金を稼げるのは水商売だった。

キャバクラの店に所属した。
週3くらいで働いた。

お金を作れるようになったけど
結局音楽活動もやれていなかった

今思うと、自信がなかったのかもしれない。

スナックに慣れていた私は
キャバクラでは全然ダメだった。接客方法が違い過ぎて
出勤するたびに疲れた。指名のお客さんも1人しかいなかった。

「いつのまにかこんな所まで」と
送りの車で考え事をしていた。
窓から空を仰ぐと月が出ていた。
「月だけが見ている」と思った。
家でこの曲を作った。


そこから少しライブに出るようになった。
ライブに出ると、よく曲を褒められた。
歌唱力は悔しいところが多々あった。

そのうちに、キャバクラをやめた。
どうしようかなと思っていたら
キャバクラの送りで仲良くなったドライバーの人から

「水商売の店舗を作るから、
是非管理者として来て欲しい」とスカウトされた。

少し悩んだけれど
面白そうなので話を聞いてみた。
気付いたら働き始めていた。
「音楽活動も応援する」と言ってくれた。

仕事は大変だった。
女の子の管理も大変だった。
接客もしないといけなかった。
ボスはパワハラでモラハラだった。

ライブに中々出れなくなった。
曲も作る日が減った。
タバコの煙とカラオケで声が枯れていった。
元々発生方法がきちんとしていないから
歌えば歌うほど枯れた。

抜け出さなきゃと思うけど
責任と部下と仕事だけが増えていった。

ガールズバーでは接客が跳ねた
10個くらい年が下の子たちに囲まれて
店を回しながら、
その子たちに負けないくらい指名を取っていた。
ボスには後に「あいつは天才だ」と言われた。
管理職も向いていた。
女の子が皆信頼してくれた。
毎日祭りの様に夜を過ごして
昼は一緒にどこかで身を寄せ合って寝た。
陽の光から逃げるような生活だった。
昼の世界は、居心地が悪く感じた。
夜が来ると安心した。


ある日ボスと揉めて仕事を辞めた。
その時には28歳の手前だった。

お金を稼がなきゃと思ったけれど
今までの経験が
行く先行く先で全てゼロになることに
飽き飽きとしていた。

「積み上げられるものを」と、
未経験からIT企業に入社した。

文系だった私は苦労した。
研修に必死でついていって
終わってからも業務は
わからないことばかりだった。

そのまま5年以上が過ぎた。


いつしか曲は作らなくなった。
最後にライブで歌ったのは5年前だ。

ここ数年で知り合った人には
楽器を弾く事さえ言っていない。

わたしはいつから
「音楽をやっている」人じゃなくなったんだろう。



そんな事を考えて
自分の作った曲を聴いていた。





正しく言えば
「音楽は辞めていない」と心では思っていて
「辞めない限り、大丈夫」と日々不意に思う。
でも言い訳をして自分をごまかしているのかもしれない。

本当に好きなものや必要なものというのは
「続けられるもの」であるという風にも思っているけど
「離れてもまた戻ってくる」ものでもあると思っている。

曲を作らないまま過ごして、
それで自分がいいならばそれでいいのだと思う。


でもまた作りたくなるのなら
また作ればいい。

「良い曲を作りたい」思いは変わっていない。
またちゃんと、作る日がくるから大丈夫。
それは本心である。




土岡がニートの時期の話をしていたり
町田が「落語家になりたいけど燻っていた」と話す時期のことは
正直他人ごとに思えないくらい
私も近い経験をしたなと思う。

私のニート期間は半年だったけど
土岡は「人生には意味がない」」と気付いたと、言っていて
私もニート期間にほとんど同じ事を思ったから
それを聞いた時はかなり驚いた。
今まで誰も分かってくれなかった。
なんなら「人は暇つぶしで働いてますからね」
「人生は暇つぶしですから」って言って
会社でめちゃくちゃ怒られた事もある。


町田が「落語が好きだけど自信がなくて、
自転車操業みたいなその日暮らしをしていた」
ってどこかで話していたのも
「音楽をやりたい、けど、、」と
キャバクラの派遣とかで食い繋いでいた時の
自分を思い出すようだった。



だから今彼らが
自分の過去をYouTubeで話したり
芸事を極めようと舞台に立ち続けて

町田はバイトしながらライブをやっていて
自分がライブも落語も観に行ったからこそ
本当に凄いなと、思う。




私はそれが出来なかったんだ。



今思えば
「未完成」な自分の姿や経過を
受け止められなくて、人に見せられず
中々色んなことが動けなかったんだと思う。

音楽は大好きだった。
今も大好きだ。
大好きだから全部躊躇ったんだ。





今は恥をなるべく捨てるためと
「何かを創り続ける」ために
文章をら書くようにはしていて

曲も同じように作り続けたいなと思う。


町田がライブに出ているのを観たら

「私もライブで良いステージをしたいな」
とここ最近思っていることに気付いた。



「この人のステージが観たい」

って、観に行くことって
本当に凄いことだと思うから。
自分がお金を払って観に行っているからわかる。


曲も作るけど、
ステージで、誰かに
「この人の歌また聴きたい」と

思われたい気持ちが芽生えた。


ガクヅケ木田さんの「後輩君」に、触発された面もある。

本当にすごい。
あんなに自分を曝け出して
経験を笑いに変えて、すごい。
曲にも漫画にもなっているし。

ぐんぴぃも。
コンプレックスを全て笑いに代えようとしていて

本当にすごい。



「IT企業のOL」としか名乗れなくなっていた
今の私に

全てがもう、ビシバシと刺激になる。


別にIT企業のOLでもいいんだけど


私は文章を書いたり良い曲を
やっぱり作りたい。
「良い曲だな」って思ってくれる人が
一人でもいたら、嬉しいんだと思う。



春とヒコーキのラジオで
町田のち〇ちん落語の話をされた時に、
「町田って一時期落語家になりたかったんだよね?」
とぐんぴぃに言われた町田が



「今もね」ってボソッと言ったのが



ずっと忘れられない。





私は、曲を作ったり歌ったり
文章を書く人です。


2018年に宅録した映像をYouTubeに載せました。



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「月だけが見ている」


何をやったって 格好つかないのは
たぶんあたしが恰好悪いから

何を見たって つまんないのは
きっとあたしが つまんない奴だから

もっとちゃんとしよう
もっと優しくなろう
そんな風に胸に誓って
少し赦された気になろう
胸なんか 張れるもんか

ずっとそんな風にはいられないんだ
情けなくてたまらない
誰とも分かち合えない
虚しさ抱えて 乗り越えるような夜
 
何だって出来るって思っていたのに
このままじゃ「何も出来ない奴」だ
何にだってなれるって思っていたのに
このままじゃ何にもなれない


もっとがむしゃらに
もっと清らかに
そんな風に繕って
少しの憂いを忘れずに
虚勢だけは 張っていよう

ずっとこんな風にとぼけながら
拭えぬ不安 詩にする
飲み込んだ言葉唄に乗せ
天を仰ぐ 月だけが見ている

何かになりたい訳じゃない
なりたい「私」がいる
だから歩みは止めない
辿り着きたい場所がある


何だって出来るって思っていたのに
このままじゃ「何も出来ない奴」だ
何にだってなれるって思っていたのに
このままじゃ何にもなれない

何かになりたい訳じゃない
なりたい「私」がいる
だから歩みは止めない
辿り着きたい場所がある


何をやったって 格好つかないのは
たぶんあたしが恰好悪いから

何を見たって つまんないのは
きっとあたしが つまんない奴だから


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