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まさに死闘の深夜高速バス


別媒体からの移植です。


2017.10月記載



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大阪から横浜へ向かう深夜高速バスに乗っている。


高速バスは、良い。

バスが元々好きなのだけど

深夜高速バスは更に好きだ。



日食なつこの曲に「ハイウェイは気にも留めない」という曲がある。

その曲を聴いた時に私は「深夜の高速バスはやっぱり良いなあ」とシミジミと思った。


終わってしまった恋を振り返りながら少し苦しんで悲しんでいる曲で

サビの最後に「ハイウェイは気にも留めない」ってしめるんです。

そこからピアノのリフが入るんだけれど


それがまた良くてねえ。

ちゃんと曲を通して、音全体で「ああ、深夜のハイウェイだ」と感じ取れるんです。






そんな事をまったりと考えながらバスの中でブログを書いている。

私は今とても幸福な気持ちなんです。





どうしてかって言うと




まあついさっきまで地獄の最中にいたんですよね。



これは久しぶりにマジでキツイなあ、私耐えられないかもしれないって思った。


こんなのって酷いしありえない。信じられない。夢なら覚めて欲しいと思った。




簡単に言うと



もう

オシッコ漏れそうで。



本当に辛くて。



なんでそうなったかって言うとさ〜



まあ高速バス乗り場に行くじゃん?

大人だから余裕持って。

USJ 帰りだったんだけど、USJ も閉園の21時にはさら〜っと出て来て。

そんなダラダラ遊んだりお土産買ったりもしなくて。

「お土産、まあ間に合えばバス乗り場の近くで買おうか?」みたいな。


「夕飯もどこかで買おうか。で、最悪SAとかの休憩で買えばいいよ。お土産も。」


みたいな。



やっぱ大人だから。


その辺の管理が子供とは違うんだよね。



22:50発のバスで22:30集合でも


22:10とかには余裕で着いててさ。


余裕あるからコンビニ交代で行こっか?

みたいな。




2人で来てるけどお互い1人でコンビニ行けるし、1人で待てるしみたいな。


そんで相手が「コンビニ少し遠いから買って行くよ、何がいい?」


って電話くれたりさ。





そんな感じで余裕でバスに乗ったんだよね。



で、乗った瞬間


「あれ、トイレ無くない?」


って言われて



「あ、本当だー。」


って私言って。





でも「まあ、最初の休憩で行けばいいよね」

って。




で、席も1番後ろだから席気にせず倒せて最高で

「お腹空いたなー」とか言ってて。




で、次の瞬間




車内真っ暗な中で目が覚めたのね。






一瞬「あれ?」って思って


でも私はすぐに気が付いた。


「あ、私眠ってたのか」って。


横浜から大阪に来るときのバスが昼間で、爆睡してたから

そういや昨日ホテルでねれなかったよな〜って。


そこからの今夜だし、USJ行ったし、
そりゃ眠るよねって。


かなり眠ったな〜爆睡したわ〜って。


感心してて。





でその時に


「あ、トイレ結構行きたいな。」


って少しびびったのね。


起きたら突然尿意だから。


普段尿意ってそんなに突然はこないから。

便意は突然だけれども。

その昔にサバンナの八木さんも
「許せない話」で話してたもん

「尿意はわりと気配がするのに、
便意は突然過ぎて許せない」って。


そう、尿意って突然のものではないから

こんなに即「めちゃくちゃオシッコしたい」
というものが自分に降りかかって驚いた。


でも真っ暗で、いつトイレだかわからないし、どうしようかな〜とか思ってて。



そしたら私の動きにつられたのか


一緒に旅行に来た隣の子も起きて

「寝ましたね。かなり。」って話してて。




「そうなんだよね、トイレ行きたい。このバストイレ無いからさ〜休憩ないかな。」って言ったら



「確か、滋賀と静岡って言ってましたよ。」


って地図見始めて



その子は行きのバスでも


「次は○○って言ってたんで、あと20分ですね」

とかいちいち教えてくれてて

マメだな〜って驚いたんだよね。


その子は「いつも実家の青森に帰るとき、1人でこうやって地図見てるんですよ〜笑」

とか言ってて


へ〜って思って。



そしたらその子が



「てか、滋賀とっくに過ぎてます。たぶん、ついさっきとか?」



って言い出して



ん?


ってなって。



でもその子が、


「滋賀と静岡って言ってましたよ。確か。」


って続けるのね。


私は


「えっ待って、無理無理。かなりトイレ行きたい。嘘でしょ?」



って言って。



そしたらその子がじっくりまた地図見て



「、、、いや滋賀過ぎてますね〜。」



とか平然と言うわけ。






「静岡まであと1時間とかですね。」



って言い出して








私、目ん玉飛び出るかなって思った。



なんで「目ん玉抑えておけよ?」って言ってくれないんだろうって思ったもん。飛び出ちゃうよ。




「え、嘘でしょ?え、待って。無理無理。てかえ?休憩あった?え?気づかない、、、とかなくない?」



って私少し焦って聞いたんだけど



その子に無視されて。


まだ地図見てんのね。





で、3分くらい黙って



「え、、、休憩、、、、気づかない、、、、?とか、なくない、、、、、?」



ってもう一回言ってみた。



祈るような気持ちで。




滋賀と静岡が休憩ってのがどうにかその子の聞き間違いであってくれって気持ちと


もしくは運転手がズボラな人で

「滋賀って言ったけど、通り過ぎちゃお〜〜☆」

「次のSAの方が飯うまいし、みんな寝てるしそっちにしよ〜」



って

自分勝手な所出して来たりしたんじゃないの?

公私混同なんじゃない?

確かにもうすぐで名古屋だけど?

SAの飯うまそうだし????



って。




でもその子は




「いや、爆睡してる時、結構ありますよ。」




って地図見ながら言うの。






私は気が遠くなった。




USJ 帰りのバス乗り場のある難波までの電車で


「眠い、本当に眠い。
バス寝る。絶対寝る。爆睡。」



とか話してたの思い出して白目になってた。






その子に更に



「えっ、どうしよう。。トイレ本当に行きたい。。運転手さんに言ったらどこかのSA寄ってくれるかな?」


って言ったら



「えっ?  いや、無理じゃないですか」


って



眉間にしわ寄せて言われた。



バスの中真っ暗だったけど、

その子がiPhoneで
地図見てる灯りで眉間のシワが見えた。





私はそれ以上何も言えなくなった。



そこから私は元気が無くなって


(いやでも、、、、ワンチャン聞き間違いか、、、運転手の、、、気まぐれ、、、、、)




とか1人で思いながら



バスに揺られてた。




でも5分経っても

10分経っても



バスは止まる気配がなくて



地図を見ると名古屋はもう過ぎてしまって





ああ、、本当に、寝過ごしたんだ、、、



ってその時私は受け入れた。




だって滋賀と静岡って
ハッキリその子は言ってるし。



だって確かにあの時


「あれ?」


って急にぱっちり目が覚めたし



「私、眠ってた?」


って瞬時に理解出来なかった位記憶ないし。

なんというかもはや気絶だったんだよなあれは。


いつの間にか車内が真っ暗になった事さえ知らなかったし。


どれだけ爆睡してたんだろうって思うくらい寝ていたんだなって思った。



よくある包丁売る人の


「今このトマトは切られてる事に気付いてませんよ」


のアレだよね。


私は眠過ぎて、眠っている事さえ気が付かなかった。


私は切られている事に気が付いていないトマトだったんだ、、、



完璧な爆睡。







で、問題はここからなんだよね。




もう、



トイレの事しか考えられない。






もう、



「あー、トイレ。」

「トイレ行きたい」

「トイレ」

「あーーーーーー。トイレ。」




って感じ。


で、チラチラiPhone見ちゃうのね。

「だめだ、見るのやめよう、焦っちゃだめだ」


って思っても5分おきに見ちゃうのです。


"おそらく浮気してる彼氏の携帯"
くらい気になっちゃうの。

見たって良い事ないのに。

見たあと絶対に後悔するし分かってるのに。

でも辛くて、アタシ。

耐えられなくて。






何度見ても何度見ても



静岡には着かないし時間も経ってないんだよね。


尿意は増すばかりで

気持ちもどんどん焦って

車内は真っ暗で

運転席もカーテンして見えなくなってて

もうミステリーツアーみたいになってて

外の様子を見ようと思っても私の安眠のためにカーテンはガッチリとしまってて


ちょっと無理して前の人に迷惑かけないとカーテン開けられないようになってて


「ああ、この完全防備のおかげで
さっき私は爆睡したんだな」


って感心したし確信した。





で、どんどん気持ち焦るのね。


何か他のことしようと思っても

全く手につかなくて。

iPodで音楽聴く気にもなれなくて

iPhoneも地図と時間以外見れなくて

普段大好きなSNSとかYouTubeとかも

全部何もかも出来なくて





超ヘビー級の片思いしてるのかな?


って思った。



その位オシッコの事しか考えられなくて。

もう私にはオシッコしかなくて。

オシッコしか私を救えるものはいないと思ったし

オシッコだけが今の私に必要な事って思った。

世界の誰が否定をしても

親友に絶交されたとしても

親に勘当されたとしても

今私はオシッコにしか目がなくて、
オシッコさえ出来ればいいし、
明日世界がなくなっても構わないと思った。





狭い座席で体勢を何度も何度も変えて

膀胱を刺激しない体勢を試したり

足で尿道をガッチリカバーする体勢とか

逆にシート倒して
めちゃくちゃリラックスしてみたりとかして


「やばいこれすんなり漏れるわ」
ってすぐに座り直したりとか



もう試せる体勢全部試した。


それでも時間は進まないし

バスも止まらないし

私の尿意は更に増すばかりで


どんどん汗をかいてきて

バスの中暑い気がしたけど

もはや私の冷や汗なのか区別さえつかなくて



「ああ、もう、
何でバス乗る前にトイレ行かなかったんだよ」



って自分を相当責めましたよね。


あれだけ色々管理できてたのにさ?

大人だから〜つって

USJ 出発する時間とかとか

お土産買う時間とか

バス乗り場に着く時間とか




あれだけ余裕だったのに


3〜4歳で完了するはずのトイレトレーニング終わってねーのかよ私、みたいな


尿意管理できてねーじゃねーかよって




最後は本当にずっと


「あーーーーーー」



「マジで」


「神様、、、、」





の三種類がひたすら頭の中で繰り返された。


滅多に神頼みしない私が何度も何度も神頼みした。





オシッコ漏らしませんように。





って。




最後はやっぱそこなんだよね。


オシッコ漏らすかどうかだと思う。



「トイレに行きたい」


という思いがいつのまにか

「オシッコ漏らしたくない」

に変わって来るの。




もう目的も違うでしょ。

達成か回避かっていう。


そのぐらいギリギリで

汗めちゃくちゃかいて


絶対に漏らす訳にはいかない、、、
って事だけずっと考えてた。

だって一生馬鹿にされるもん。

一緒に旅行に来たのは職場が一緒の子だから

絶対上司にチクられるし。

上司は私を揶揄うのが生きがいだし。

それだけは避けたい。


もう冷や汗ダラダラ。





そんな時にさっき書いた
日食なつこの曲が頭に流れた



「ハイウェイは気にも留めない」


って。




うん。アタシなつこの気持ちわかった。


冷たいよね、ハイウェイ。


「ああ、ハイウェイは気にも留めないよね。そうだよね、私がオシッコ漏らしたってハイウェイには関係ないよね、、、、」




って超BAD入った。




そんで隣の一緒に旅行した子を起こして



「もうダメだ、、、本当に無理。
運転手さんに相談するね。」





って席を立って運転席に向かった。




あの時の気持ちはなんていうのかな



ハイ?



もう車内が真っ暗とか

みんな寝てるとか関係なくて



iPhoneで足元を少しだけ照らして
私は勇敢に運転席まで歩いた。


運転席までの道のりは
全部スローモーションに見えた。



最悪携帯用トイレとかバスに備え付けであるんじゃないかな?って思った



もうそれ借りてもいいやって思った。




そんで運転席について




「あの、、、トイレをとても我慢していて、、、、あと何分ですか、、、?」



って聞いた。


あの時の私は濡れた子羊みたいだったと思う。

とても謙虚で真剣だった。


「あ、あと10分くらいです」



って言われて



「、、、、! えっと、、、じゃあ、、、前で待っててもいいですか、、、?!」



って聞いたら


私のピンチを察知して運転手さんが



「、、、はい!」




って、運転席の横の補助席に座らせてくれた。



そして運転手さんはそっとウィンカーを出して右車線に入ってスピードを上げた。




さっきまで見えなかった行き先と道路と
バスの外の景色が見えて



「あれ、、、これ、、、行ける、、、、」




って私は少しずつ正気になった。



さっきまでの真っ暗なミステリーツアーが私を余計に焦らせていたんだなって知った。




おおよその時間と

徐々に近付くSAが視覚的に感じられる事によって


私も私の尿意もだいぶ落ち着いた。





でも本当にギリギリだったから


もう体ソワソワそわそわしまくってて

それにつられて運転手さんもソワソワしてた。


「もうですか、、!もうですか、、、?」


って私は無言で語りかけていたし


「もうすぐです、もうすぐです、、、、!」

って運転手さんからも無言で伝わってきた



SAに入ってからはもう
私は若干手拍子みたいになってた。


手は叩いてないけど。


運転手さんがバスの駐車を始めた時には座らせてもらった補助席を片付けて立ち上がってスタンバイしてた。




バスが止まった瞬間に


運転手さんが休憩カード(誰が休憩に行ってるか管理するカードらしい)をくれて


私はトイレにダッシュした。








歩いたら漏れるんじゃないかと思ってたけど、

運転席の横で落ち着いたおかげで


ダッシュ出来たし、漏れなかった。






トイレに入って用を足している時は




これ、夢だったらどうしよう?



って思った。


実はバスの中でまだ爆睡していて、
単にオネショしてるのかなとか。





でもどうやら夢じゃなくて

その後個室から出てトイレから出て

どんどん喜びと安心が湧き上がってきた。


確証はないけど、なんとなく夢じゃなさそう。



私はスキップしながらトイレを出た。






後からトイレに来た職場の子に


「大丈夫だったんですか笑」



って笑われながら



「あーマジ危なかった〜」




ってアイス食べながらバスに戻った。







そして日食なつこの

「ハイウェイは気にも留めない」




を鬼リピートしながらブログ書いてる。






私は今日の事忘れたくないですね。




もう無理かもってこんなに思った事中々無いし、


それを耐え抜いたっていうのは
相当な成功体験だ。





ここ数ヶ月仕事も本当にしんどくて 
ピーピー言ってたけど



こんなにピンチで限界感じたのは無かった。


お腹弱いほうだし、前の仕事とかでも出勤中の電車でよくお腹壊して途中下車してたけど

「私こんなに突然お腹下していつかうんち漏らすんじゃないかな」


とか思ってたけど




今回こんなに耐えられたなら




これからも耐えられる気がする。





「えっ、トイレ行きたい今すぐ行きたい」


って思ってから


1時間20分も耐えられるなんて知らなかった。




しかも漏らしてないって事は
まだ限界では無いからね。



昔からオネショがめちゃくちゃ多かったから

「尿道の筋肉が弱い」


とか言われてたけど


たぶんそんな事ないわ絶対。


幼少期のオネショは絶対精神面だよね。



尿道の筋肉と膀胱のキャパシティに少し自信がついた。






あーもう







漏らさなくて本当に良かった。







なんか最近キモい事しか書いてない気がする。



キモオタから


「この間の韓国のブログ、キモくて本当に良かった。やっぱブログいいよ。ジヨン好きになった。」





って言われた。


キモオタにキモいって言われるのは褒め言葉なんだよね。



私もブログ書くの好き。

キモくていいや。


オシッコ漏らさなかったし。

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ちなみにこの6年後

私はうんちを漏らします。


まあそれも別媒体に書いたものを

そのうち移植してこようかなと思います。

こんな汚い話書く女って
本当にどうかしてるのかな。

でもこんなに書きがいのある話を
書かずにはいられないですよ、、、


2017年の自分の文章を読むと

なんか「若っ」と驚きます。


オシッコ って書き過ぎ。

今なら絶対「排尿」と書くのに。

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