バンコクに来た
先月からタイ・バンコクで暮らしている。
しばらく日本で働いたのちにやってきたバンコク。
今まで人並みに海外旅行はしていたけれど、日本以外、ましてや実家以外に腰を据えるのは初めてのこと。
日本の文化や国際関係、政治や経済なんて1ミリも興味のない人間が記す何でもありのダイバーシティ日記。はじめます。
バンコクに来て思ったこと…
想像よりも発展している、暑い、野良犬がいる、舗装された道もでこぼこしている、東京よりはコンパクト、物価の差、カフェが多い、歩行者用の信号がない、優しい、これがインターナショナルシティか…
ざっとこんな印象。まだ1か月も経ってないから旅行者並みの感想しかない。
日本人は東南アジアというだけで日本より遅れているという印象は少なからずあると思う。わたしも実際そうだった。
道を歩くだけでぼったくり兄ちゃんに話しかけられるんじゃないか、きれいな格好しているだけで街で浮いてしまうのではないか、バンコクに来る前はそんなことを考えたりもしたが、実際は街中で話しかけられることなんてないし、タイ人はブランド好きで見た目で判断することが多いようでブランド物を持っている人はいっぱいいる。(本物か偽物かは別問題)
もちろん、日本より道路や商業施設のトイレ、駅などは汚いし、そこら中に屋台があり、よく停電し、冠水し、トイレに紙を流せない。大通りから一歩入ればまだまだ古い町並みが残っている。
何より、本当にいろいろな国の人がいる。待ちゆく人がどこの出身かなんてわからないので顔で判断するしかないが、様々な人種の人が暮らしていると思う。東京にいたら外国の人ってすぐわかるけれど、世界的に見たらそっちの方が変わっているのでしょうか。いわゆる大都市?的な分類の中だとまだまだ東京は偏った人種構成をしているのかもしれない。
まあでもきっとこれもバンコクだからでしょうね。東京なんかよりも全然国際都市です。
最後にタイ人のやさしさエピソードを、
バンコクに向かう飛行機内でわたしは3つの座席の真ん中に座っていたのだけれど、恥ずかしながら搭乗前から不安と寂しさで存分に人目を憚りながらも大号泣していた。両サイドにはタイ人のおじさん2人。
飛行機が動いてからも最後に日本の風景(空港だけど)を目に焼き付けようと必死に窓の外を眺めてた。泣きながら。映画さながらの感動的なクライマックスシーン。そんなシーンに窓際のおじさんが最高のエンディングを添えてくれた。
離陸直前話しかけてくれながら立ち上がるおじさん。自分を指さし私の席を示し、わたしを指さし自分の席を示す。どうやら交代しようと言っているらしい。その時わたしは本当に申し訳ないんだけれども、おじさん都合で席を変えたいと言っていると思い、なんか渋々快諾した。もう離陸するけどしょうがないあ、いいよ。的なスタンスだった。
実際、席を変わると窓の外がより見える。当たり前。それからバンコクまでの6時間ちょい、窓の外を見て黄昏ながら心行くまで泣くことができた。すべてはおじさんのおかげ。ありがとう、おじさん。あなたのおかげで心の整理ができたよ、と伝えたい。
でも本当のところは離陸後2時間くらいで気持ちは落ち着いていて、飛行機最大の楽しみである映画でも見たかったのだけれど、さっきまであんな泣いてて席まで変わってあげたのに映画見て笑ってんじゃねーよと思われるのが嫌で映画を1本も見られなかった。でも本当にありがとう。
誰かが隣で泣いてても見て見ぬふりしてあげるのがやさしさと思っている人も多いと思うし、わたしもそうすると思う。やさしさにはいろいろな形があるし、それぞれその人が持っているやさしさのポリシーがあると思う。自ら発する、何かを生み出すやさしさって慣れないと勇気がいるしエネルギーが必要だけど、そういうエネルギーの使い方をしたいなと思った。
ぬくぬくとぬるま湯の中で自分勝手に生きてきたわたしがこんなことも考えられるようになったのだから、無茶なことをするのは大切。