ミューリー『マーニー』 MET 2018年

METがすごい❣️感動の嵐。毎晩、この人、世界最高峰かもと感じる新しいスターが続出。今日は、珍しく1959年舞台。ミューリー『マーニー』英語。明日7:30amまでだが、時々延長されていることが、時間がすぎていてもトライする価値あり。
https://www.metopera.org/season/on-demand/opera/?upc=810004200517

Thursday, April 30
Nico Muhly’s Marnie
Starring Isabel Leonard, Iestyn Davies, and Christopher Maltman, conducted by Roberto Spano. From November 10, 2018.

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=Bvz0t8475To

松竹サイト
https://www.shochiku.co.jp/met/program/855/
"盗みを繰り返す謎の美女マーニー。彼女に惹かれた男が探り当てたショッキングな過去とは?あのヒッチコックが映画化したW・グラハム原作の心理サスペンスを、ジャンルを超えて活躍する鬼才N・ミューリーがオペラ化!冷たくも火花散る音楽が、怯え惑うヒロインの心の襞をすくい取る。美貌と美声のI・レナードは理想のマーニー。映画のようにゾクゾクとリアルなM・メイヤーの演出、50-60年代ファッションを再現するA・フィリップスの衣装も見逃せない。"

ニコ・ミューリーについて
1981年生まれの若き鬼才 。"オペラや映画音楽の他にもビョーク、アデル、スフィアン・スティーヴンスなど多ジャンルで様々なミュージシャンとコラボ。METでは、2013年オペラ《Two Boys》上演に続き、本作が2作目。"
本作品についてNY現地インタビュー:
https://www.shochiku.co.jp/met/news/1696/
英語wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Nico_Muhly

プログラム
https://www.metopera.org/globalassets/user-information/nightly-opera-streams/week-7/playbills/111018-marnie.pdf

Nico Muhly and Isabel Leonard on Marnie インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=xGJjlbuCTkw
最初から Isabel Leonardを想定して、このオペラを作曲したとか。

出演
marnie
Isabel Leonard/イザベル・レナード、米、b.1982、35歳
https://en.wikipedia.org/wiki/Isabel_Leonard
10年前のレナードを書いたこの記事、面白い。大学院修了後にすぐMETデビューとは!https://www.tokyo-harusai.com/news/news_727.html
MET2013-14 第9作 モーツァルト《コジ・ファン・トゥッテ》にも出演
フィガロの結婚(チェルビーノ)、ジュリアスシーザーなどに出演中の動画
https://ka2ka.exblog.jp/21268531/

mark rutland/
Christopher Maltman/クリストファー・モルトマン、英、b.1970、48歳
先日の『コジ・ファン・トゥッテ』にも出演

terry rutland
Iestyn Davies/イェスティン・デイヴィーズ、カウンターテノール、英、b.1979、39歳
https://en.wikipedia.org/wiki/Iestyn_Davies
METの他の出演作品

shadow marnies
Deanna Breiwick
Dísella Lárusdóttir
Rebecca Ringle Kamarei
Peabody Southwell

little boy
Gabriel Gurevich

lucy
Jane Bunnell

dawn
Stacey Tappan

derek
Ian Koziara**

l aur a fleet
Ashley Emerson*

malcolm fleet
Will Liverman

mrs. rutland
Janis Kelly/ジャニス・ケリー

dr. roman
James Courtney

指揮
ロバート・スパーノ

演出
マイケル・メイヤー
1960年アメリカ生まれ。
他作品ブロードウェイ:
トニー賞を総なめにした『春のめざめ』(2007)
『アメリカン・イディオット』(2010)
『ヘドウィグ・アンド・ザ・アングリーインチ』リバイバル版(2014)
日本のみで上演された『お気に召すまま」(2016)
METでは『リゴレット』の新演出(2012)
さらに2018年「椿姫」の新演出

MET ライブビューイング案内
Anthony Roth Costanzo

感想
このオペラは最後、カタリシス、精神の浄化作用がある。手錠をかけられた時に、I'm freeと叫ぶ心情が、自分に起きたかのように伝わってくる。ちょうどトゥルーマンショーで主人公が虚像の世界から抜け出すように。マーニーが数々犯してきた詐欺窃盗罪や男性恐怖症の原因は、幼少時代から母親から刷り込まれた記憶。それが最後に偽りであったことが明かされる。マーニーの4人の分身と共に複雑な心理状態をI・レナードが好演。彼女は、「美貌」という言葉が似合う。マーニーが心から愛していたのは、Fabioという馬だけ。そのシーンが美しく切ない。

落馬のシーンを造形の馬を使わず、複数の男性の動きでアーティスティックに表現。ファッションも舞台もモダンアートしている。無料配信中のオペラで初めてカウンターテノールを聞いた。話の運び方が自然で洗練されている。音楽が前衛的なクラシックでオペラ歌手が歌い、舞台上、視覚的にも芸術が展開される。これは明らかにオペラなのだと感じた。

レビュー検索サイト

写真がよい
https://spice.eplus.jp/articles/217887

"音楽は現代ものとはいえ調性がある、ミニマリスト系の聴きやすいものでした。私にとってはオペラは楽しむもの、スペクタクルですから、無調のオペラなどは見てるのが辛いです。これくらいでよろしいと思います。

ただ、グラスの作品などと比べると、革新の力とエネルギーはなく、ハッとするような驚きはありません。ミニマリズムは狭義の現代音楽であることをやめ、映画音楽手法に落ち着いたことを(私の勝手な思い込みですが)再確認しました。そこだけちょっと残念です。

音楽的情動を動かす現代音楽は、もうありえないのでしょうか。"

https://filmarks.com/movies/80533


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