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バター衣しゃ/ラング・ド・シャ ミュージアム


バター衣しゃ 14枚入

収集年:2024

購入場所:関越自動車道 三芳パーキングエリア下りショッピングコーナー

形:長方形型

内容量:14個(7枚+7枚)

価格:1,458円(購入当時)

製造地:埼玉

販売者:株式会社グレープストーン バターステイツ

特徴:「バター衣しゃ」は、北海道バターを贅沢に使用したラングドシャクッキーである。独自の「プリエ(折りたたむ)製法」により、薄く繊細な生地が4層に折り重ねられ、軽やかな口当たりを実現している。クッキーは、しゃりっとした繊細なくちどけとともに、力強いカカオのコクとバターの豊かな香りが広がる2種類の味が楽しめる。「チョコレート」と「バター」の詰合せで、特許取得の製法が生み出す独自の食感が特徴である。


ストーリー:老舗洋菓子店の二つの世代

第1章 静寂と変化の狭間で

古都・京都の路地裏にひっそりと佇む老舗洋菓子店「花鈴堂」。木製の引き戸を開けると、甘くどこか懐かしい香りが鼻をくすぐる。ショーケースには、色とりどりの和菓子が並べられ、静かに光を放っていた。

厨房では、薫子が静かに和菓子を作っていた。白髪混じりの髪を後ろでまとめ、白い割烹着姿の彼女は、何十年も変わらぬ手つきで、一つ一つ丁寧に形作られるお菓子に心を込めていく。その姿は、まるで流れる時間さえも忘れさせるような、静謐な美しさがあった。

一方、その光景を少し離れたところから眺めていたのが、薫子の娘の美鈴だった。若々しい顔には、どこか落ち着きのなさが見え隠れする。美鈴はスマートフォンを片手に、SNSの画面を眺めていた。伝統的な和菓子よりも、新しいスイーツに興味津々で、日々、様々なレシピを検索していた。

ある日、店に新しい商品「バター衣しゃ」が届いた。箱を開けると、そこには、薄く繊細なラングドシャクッキーが整然と並べられていた。薫子は、新しい商品が入荷することに戸惑いを感じながらも、丁寧に検品を始めた。一方、美鈴は、その斬新な見た目と風味に心を奪われ、思わず一枚口にしてしまう。

「美味しい!」

思わず声が出た美鈴に、薫子は静かに目を向けた。

「新しいものが入ってきたわね。でも、うちは伝統を大切にする店なのよ。」

薫子の言葉に、美鈴は少し肩を落とす。

「でも、新しいものに挑戦することも大切じゃないですか?」

美鈴の言葉に、薫子は何も言わず、ただ静かに頷いた。

第2章 世代の衝突と葛藤

美鈴は「バター衣しゃ」の写真をSNSに投稿すると、たちまち若者たちから多くの「いいね!」やコメントが寄せられた。「美味しそう!」「斬新!」「絶対食べたい!」といった声に、美鈴は嬉しくてたまらなかった。しかし、その喜びも束の間、薫子の厳しい言葉が彼女の耳に飛び込んできた。

「何をしているのかしら、美鈴。店のことを考えずに、勝手なことを!」

薫子は、伝統的な和菓子を守り続けてきたプライドを持っていた。新しいものを取り入れることに対して、強い抵抗感を持っていたのだ。美鈴のSNSでの発信は、そのプライドを傷つけられたように感じたのだろう。

「でも、みんな新しいものが好きなんだから。お店も変わっていかないと」

美鈴は反論するが、薫子は聞く耳を持たない。「伝統を大切にするからこそ、この店は長く続いてきたのよ!」

二人の意見は平行線をたどり、言い争いは日に日に激しくなる。美鈴は、自分の意見が通らないことに不満を感じ、将来への不安を抱くようになる。一方、薫子は、時代の変化についていけず、孤独を感じていた。

ある日、常連客のおばあちゃんが店を訪れ、美鈴に声をかけた。「新しいお菓子、とってもおいしかったわよ。若い子も喜ぶだろうね。でも、伝統の味も大切にしてね。」

おばあちゃんの言葉に、美鈴はハッと我に返る。確かに、伝統の味を守りながらも、新しいものを取り入れることはできないのだろうか。しかし、薫子との溝を埋めるのは、そう簡単ではない。

美鈴は悩み、葛藤する。果たして、彼女はどのようにこの状況を乗り越えていくのだろうか。

第3章 周年祭と新たな試み

花鈴堂の創業100周年を記念して、街全体を巻き込んだイベントが開催されることになった。美鈴は、この機会に店を大きく変えたいと意気込んでいた。SNSで積極的に情報を発信し、若い世代にもアピールできるようなイベントにしたいと考えていた。

しかし、薫子は伝統的な形で周年祭を迎えたいと考えていた。長年愛されてきた和菓子の味を守り、地域の人々に感謝の気持ちを伝えたいのだ。母娘の意見は対立し、再び険悪なムードが漂い始める。

そんな中、美鈴は思いついた。それは、伝統的な和菓子と新しいスイーツを融合させた、全く新しい商品を作ることだった。薫子の作る上品な和菓子に、現代的なアレンジを加えることで、老若男女が楽しめるようなスイーツを作り出したいと考えたのだ。

最初は反対していた薫子も、美鈴の熱意に心を動かされ、少しずつ協力し始める。二人は何度も試作を繰り返し、ようやく納得のいく一品を作り上げた。

周年祭当日、花鈴堂は多くの人で賑わっていた。美鈴が考案した新しいスイーツは、予想以上の好評を得た。老舗の味を守りながらも、新しい風を吹き込んだその味は、多くの人々を魅了した。

イベントの最後には、薫子が壇上に上がり、これまでの感謝の気持ちを述べた。そして、美鈴の手を握り、未来への希望を語った。

第4章 新たな章へ

周年祭は大成功を収め、花鈴堂は再び街の注目を集めるようになった。新しいスイーツは、老若男女問わず人気となり、店の売り上げは大幅にアップした。美鈴は、自分のアイデアが形になり、多くの人々に喜んでもらえたことに大きな喜びを感じていた。

しかし、その一方で、新たな問題も浮上してきた。新しいスイーツの人気は高まる一方だったが、伝統的な和菓子の売上は伸び悩んでいた。常連客の中には、新しい味ばかりに目が行き、昔ながらの和菓子を懐かしむ声も聞こえてきた。

薫子は、伝統の味を守りたいという思いと、店の未来を考えなければならないというジレンマを抱えていた。美鈴は、伝統と革新のバランスをどのように取ればいいのか悩んでいた。

そんなある日、美鈴は、パティシエの専門学校に通いたいという夢を抱いていることを薫子に打ち明ける。薫子は驚きながらも、美鈴の成長を喜んでくれる。

「私にも、あなたのように新しいことに挑戦してみたいの。」

薫子の言葉に、美鈴は感動する。そして、二人で話し合い、店の未来について真剣に考えることにした。

美鈴はパティシエの専門学校で、日々研鑽を積んでいた。師匠から教わった技術を活かし、花鈴堂に持ち帰った新しいスイーツは、どれも斬新で評判だった。しかし、伝統的な和菓子とのバランスに悩み、薫子と何度も話し合った。そんな中、薫子は体調を崩し、入院することになった。

美鈴は、母親のいない間、店を切り盛りしながら、自分の将来について深く考える。パティシエとして成長したいという気持ちと、家族の店を守りたいという気持ちの間で揺れ動いていた。

ある日、美鈴は、SNSで花鈴堂のスイーツを紹介したインフルエンサーの投稿を見て、驚く。投稿は瞬く間に拡散され、花鈴堂は多くの注目を集めることになった。しかし、その一方で、伝統的な和菓子を蔑ろにするといった否定的なコメントも少なくなかった。

美鈴は、伝統と革新のバランスをどのように取ればいいのか、再び悩んでいた。そんな時、幼い頃に一緒に遊んだ隣町に住む友人から連絡が入る。友人は、地元の農家で働いており、新鮮なフルーツをたくさん持っていた。美鈴は、友人からもらったフルーツを使って、新しいスイーツを開発することを思いつく。

薫子が退院し、新しいスイーツを試食すると、目を輝かせた。「素晴らしいわ、美鈴。あなたは本当に才能がある。」薫子の言葉に、美鈴は大きな喜びを感じた。

花鈴堂は、伝統と革新が融合した、新しいスタイルの洋菓子店へと生まれ変わろうとしていた。

第5章 未来への架け橋

花鈴堂は、美鈴の新作スイーツと、薫子の伝統的な和菓子の両輪で、ますます賑わいをみせていた。SNSでの評判は広がり、遠方からもお客さんが訪れるようになった。

そんな中、美鈴は、海外のスイーツコンテストへの出場を打診される。それは、世界中のパティシエが集まる大きな舞台であり、美鈴にとって大きなチャンスだった。しかし、海外へ行くということは、店をしばらく留守にしなければならないことを意味する。

薫子は、美鈴の成長を心から喜んでいながらも、店を一人で切り盛りすることに不安を感じていた。しかし、美鈴の熱意と決意に心を打たれ、海外への挑戦を後押しすることを決める。

「行ってらっしゃい。そして、たくさんのことを学んできてね。」

薫子の温かい言葉に励まされ、美鈴は海外へと旅立った。コンテストでは、世界中のパティシエたちの素晴らしい作品に触れ、大きな刺激を受ける。そして、自分自身の新たな可能性を感じた美鈴は、見事、入賞を果たす。

帰国した美鈴は、海外で学んだことを花鈴堂に持ち帰り、新たなスイーツを開発し始める。それは、日本の伝統的な食材と、世界各国の技術が融合した、独創的な作品だった。

一方、薫子は、美鈴がいない間、店を一人で切り盛りしながら、新しいことに挑戦しようとする。地元の農家と連携し、季節の食材を使った限定の和菓子を販売したり、茶道教室を開催したりするなど、花鈴堂はますます活気あふれる場所になっていった。

そして、ある日、花鈴堂の門前に、一通の手紙が届く。それは、海外の有名ホテルから、美鈴を招き、一緒にスイーツを開発したいという内容だった。

最終章 時を超えて紡ぐ物語:新たな章へ

美鈴と薫子の二人三脚で、花鈴堂は地域の人々に愛される場所へと成長した。しかし、二人の挑戦は、まだ終わっていなかった。美鈴は、花鈴堂をさらに発展させ、世界中の人々に日本の伝統と革新を融合させたスイーツの魅力を伝えたいと考えていた。

そこで、美鈴は、花鈴堂のオンラインストアを大幅にリニューアルし、世界各国への発送に対応できるようにする。また、海外の食イベントへの出展を積極的に行い、花鈴堂の名を世界に広めていく。

一方、薫子は、地域の高齢者の方々との交流を深め、伝統的な和菓子作りのワークショップを定期的に開催する。さらに、地元の学校と連携し、子供たちにお菓子作りの楽しさを伝える活動も始める。

花鈴堂で働く若いパティシエたちは、それぞれが個性あふれるスイーツを開発し、花鈴堂のメニューをさらに豊かにする。あるパティシエは、地元のフルーツを使った季節限定のスイーツを開発し、別のパティシエは、伝統的な和菓子にモダンなアレンジを加えた新しいスイーツに挑戦する。

これらの若き才能たちが、花鈴堂に新たな風を吹き込み、老舗の和菓子屋に新しい活気を与えていく。

ある日、花鈴堂に、一人の若い女性が訪れる。その女性は、海外で暮らしていたが、日本の伝統的な文化に興味を持ち、花鈴堂を訪れたという。女性は、美鈴が開発した世界各国の食材を使ったスイーツを味わい、感動する。

「このスイーツは、日本の伝統と世界の文化が融合していて、本当に素晴らしいです。花鈴堂は、これからも多くの人々に感動を与え続ける場所になると思います。」女性の言葉に、美鈴と薫子は、これまでの道のりを振り返り、そして未来への希望を感じた。花鈴堂は、これからも、時を超えて、人々の心を繋ぐ場所であり続ける。

花鈴堂の物語は、決して終わることはない。美鈴と薫子、そして花鈴堂で働く人々、そして花鈴堂を訪れる人々によって、物語は紡がれていく。花鈴堂は、これからも、地域の人々、そして世界中の人々に愛される場所であり続けるだろう。

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