キレイなビルが当たり前では無くなる?!かも 労災保険料の引上げに立ち向かうビルメンの奮闘
ビルメンテナンス×ウエルビーイング
2024-11-17
📌 この記事のポイント
全54業種の中で3業種のみ引き上げとなった労災保険料
高齢化が進むビルメン業界の課題
新しい働き方や仕組みづくりにチャレンジ
なぜ今、ビルメンテナンスが注目されているのか?
コロナ禍でエッセンシャルワーカーとよばれた「ビルメンテナンス業界」
キレイで清潔な職場環境は当然のようになっているビル清掃の現場。でも、実は今、その現場で大きな変化が起ころうとしています。なんと、2024年度からビルクリーニングの労災保険料率が引き上げられました
全54業種全体では平均4.4‰への引下げとなりましたが、その中でもビルメンテナンス業界は特に厳しい状況に置かれているのです
高齢化が進むビルメンテナンスやビルクリーニング業界では、こうした労災保険料の増加が大きな負担となりますが、ロボットやセンサーなどを活用した新しい働き方や仕組みづくりで、次回の保険料改定時に引下げを目指す必要があります
1. 全54業種の中で3業種のみ引き上げとなった労災保険料
ビルクリーニング業界では、労災保険料率が5.5‰から6.0‰に引き上げられることになりました。業種全体で平均4.4‰への引下げとなりますが、全54業種中でビルメンテナンスを含む3業種のみが引上げの対象となっています
2. 高齢化が進むビルメン業界の課題
東京ビルメンテナンス協会によると、都内のビルメン業界では、今年に入って転倒による労働災害が急増しており、特に70歳代以上の高齢者の災害発生が前年の約2倍にも上っています。高齢者の就労が多いビルメン業界では、こうした労災保険料の引上げは大きな負担となっているのです
3. 将来を左右する、この3年間
労災保険料の改定は原則3年ごとに行われるため、ビルメン業界では次回の改定に向けて、この3年間の労災発生状況の改善に取り組む必要があります
では、ビルメン業界はこの厳しい状況をどのように乗り越えていくのでしょうか? 業界関係者の中では、すでにロボットやセンサーなどを活用した新しい働き方や仕組みづくりにチャレンジしている企業が登場しています!
詳しくは、こちらの展示会レポートで最新状況する予定です!
まとめ:人生100年時代の職場環境の整備
例えば建設関連の法律に、誰もが暮らしやすい街づくりを目指した「バリアフリー新法(正式名称:高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)」が、あります。この法律は、高齢者、障害者等の円滑な移動及び建築物等の施設の円滑な利用の確保に関する法律で、具体的には駅にスロープやエレベーター、エスカレータを設置し移動をしやすくするなど、さまざまな場所でバリアフリー化を進めるものです
バリアフリーという言葉は、英語の "Barrier-free" を翻訳したものです
"Barrier" は「障壁」や「障害」を意味し、"Free" は「自由な」「無料の」という意味があります
つまり、バリアフリーとは、高齢者や障がいのある人が、社会生活を送る上で遭遇する様々な「障壁」を取り除き、自由に移動や利用ができるようにすることを意味しています
この法律の対象は、建物の主要部分に関わる部分であり、全ての部分にこれを求めるのは建物オーナーには厳しい内容です。 しかし、今後は建物全体にこれに近い視点が重要になると筆者は考えます
かつて、企業は判りやすく収益が生まれる部分にお金をかけて来ました。しかし、働き手不足の今、働き手の関わる環境の整備に力を入れる企業が増えています
「人材」を「人財」と書き換え、社員の働く環境をよりよく改善することで、ウエルビーイングを高めて動労生産性を上げることに世界が注目しています。企業のオフィスつくりでABW(Activity Based Working/アクティビティ・ベースド・ワーキング)といった業務内容や気分に合わせて、時間と場所を自由に選択するというオフィスが多く採用されているのはこの一例です
一方、ビルメンテナンスを行う人たちの職場(休憩室など)はビルの地下の一角など、良好な環境とはいい難い場所が一般的です。なぜならテナント料などは求められない、ビルオーナーから提供される場所だからです。
昨今、土木や建設業界と同じようにビルメンテナンス業界も女性社員の雇用も増えています。このあたりの整備は、オーナーとの協議が必要となります
さらに働き手が少なくなるこれからは、今までと同じ仕組みでは多くのを続けるのは難しくなる事は誰でも想像がつきます。では、どうすればいいのでしょうか?ビルオーナーたちはビルマネジメントの1つに、裏方でビルを支える人たちの職場環境づくりや、ロボットやセンサーの活用を真剣に考える時代を迎えています
そして、ビルメンテナンス業界では自分たちの働く環境を守るため、懸命に新しい取り組みと挑戦が始まっています
先ずは、次の3年間までの活躍ぶりをぜひ見守ってあげてくださいね。きっと、かっこいい働き者ぶりに胸が温かくなるはずです♪
ご質問やご意見がございましたら、メールで情報交換させて下さい。
ご返信させて頂きます。
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氏名:あんさん
mail: wellbeinglab2040@gmail.com
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≪参考≫
・厚生労働省 労災保険料算出に用いる労災保険率の改定等を行いますhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37107.html
・「ビルメンテナンス業」労災保険率は令和6年度より6/1,000に
https://www.j-bma.or.jp/go/88838
・労働新聞社 高年齢者の転倒災害が急増 大会で取組み強化を確認 東京ビルメン協会
https://www.rodo.co.jp/news/185630/
・高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律
https://www.rehab.go.jp/ddis/system/supportact/transportation/