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物語④「幸せな景色を作る」
アンは花を見たり、花畑に行くととても喜び時間を忘れて過ごしていました。
そんなアンの姿を見ていたヒーはアンを喜ばしたいとハートに相談していました。
アンとヒーは大きな木のハートの背中の穴に住んでおり、そこから見える景色はまばらに草が生えている程度で植物は少なく、雨が降ると地面はぬかるみ綺麗な景色とは言えませんでした。ヒーは住んでいる家からも色とりどりの綺麗な景色にしたいと思いハートに話しました。
「植物に詳しい動物を紹介するよ」とハートは言い、次の日ハートの木の前でヒーはその動物と待ち合わせをしていました。ヒーはハートの前で待っていると遠くから黒く大きな影が見えました。
そしてはっきりと見えた動物はヒグマでした。
驚いたヒーは急いでハートの木の高い枝に上りました。ハートは「ヒー、大丈夫だよ。この熊が今日ヒーを案内してくれるピッピだよ。大丈夫だから降りておりで」と言いました。ピッピは優しい顔でお辞儀をしました。ヒーはその姿を見てゆっくり降りました。
そしてヒーもゆっくりとお辞儀をしました。
ハートは「ピッピは植物に詳しくて、そして力持ちだからとても頼りになるよ」と言いました。ピッピは「初めましてヒー。いつもハートから話しを聞いているよ。今日はたくさん花が咲いているところに案内するよ」と言いそっとヒーを自分の肩の上に乗せて歩き出しました。
ヒーは少し不安はありましたが、ピッピの優しい雰囲気に安堵した気持ちもありました。ヒーはピッピの肩の上に乗ると落ちないようにピッピにしがみ付いていました。
そしてある花畑に着きました。色とりどりの花が咲きとても綺麗でした。ヒーが目をキラキラさせて景色を見ていることに気づいたピッピは「ヒーはどの花を家の前に植えたい?」と聞きました。するとヒーは「チューリップやラベンダー、パンジーや桜、あと紫陽花も良いね」「あとここに咲いているこの花も良いね」と言い、綺麗にさいている花のところに行きました。「これはダリアっていうんだよ」とピッピは言いました。ヒーはダリアがお気に入りになりました。
ピッピはここにある花で持っていけそうな花をヒーの家に植え替えよう」と言い、早速ピッピは小さな桜の木の周りを手で掘り、そのほかにも土を掘りチューリップの球根を掘りました。そして大きな木のハートの周りに植物たちを植えに行きました。ピッピとヒーがハートの前に着くとハートは言いました。「植物たちを植えるときにどのようになって欲しいか植物に声をかけながら植えると植物たちは答えようとしてくれるよ。」それを聞いてヒーは「綺麗な花を咲かしてね」とアンの喜ぶ顔を想像して植物たちに声を掛けました。
まだ花が咲いていない植物の苗もたくさんの植物を植え終えました。ピッピは「次は水が必要だね」と言いました。ヒーはピッピの肩に乗り湖まで行きました。ピッピはバケツに水を汲みました。
そして湖に入り「体を水につけて植物の前で身震いすると水が飛んで植物たちにかかるんだよ」とピッピは言いました。ヒーはそれなら自分も出来ると思いヒーも水につかりました。
何度か往復したくさんの植物へ水をあげることが出来ました。
全ての植物への水かけが終わるころ出かけていたアンが帰ってきました。
そして家の周りが花畑になっており驚きました。ヒーがピッピと一緒に花を植えてくれたことが嬉しく、飛び跳ね踊りました。
それからアンとヒーは晴れの日も雨の日もハートの木の中から景色を眺めるのが大好きになりました。