今更ながらのEssen報告

メリークリスマス!

ウィープルのアドカレにもついにラスト三日です。アドカレで私が担当をするのは初めてなんですが、何を書こうかなあ…

なんて悩むはずもなく、書くべきことは決まっています。

そう、「エッセンシュピールの報告」です。
いまさらながら、なぜ〜?という感じですが、実は今年10月に開催されていたエッセンシュピールに行っていました。報告しなきゃとおもいながら、学部四年生のサガである「卒論」とやらに追われてタイミングを失ってしまっていました…ごにょごにょ

という言い訳は置いといて…

10月末に途中まで書いていたものを掘り起こしてまとめます!


Essen Spielについて


10月3日から10月6日の4日間にわたって開催されたドイツ最大のボードゲームの祭典エッセンシュピール(Essen Spiel)! 1983年にスタートし、ボードゲーム愛好者からプロフェッショナルまで多様な参加者が集まる場として成長しました。このイベントはボードゲームの展示会であり、新作ゲームの発表や販売、試遊が行われることから、世界中のボードゲームファンや業界関係者にとって重要な場とされています。今年の来場者は過去最高の20万4千人に達し、ボードゲーム市場全体の盛り上がりが期待されています。

今回はEngamesさんにご協力いただき、学生インターンとしてEngamesの出展のお手伝いとして同行させていただきました。今年はEngames,Sunny Bird, コロコロ堂, ClaGlaの4社共同出展。私はEngamesさんのお手伝いとして、ブースに入らせていただきました。目的は、14Gamesが手がけるSnow Plannerの海外リテールパートナーを探すこと。そのため、ブースでは商品の販売は行わず、主に試遊を通じてSnow Plannerを体験してもらうことに重点を置かれていました。

もちろん私はエッセンシュピール初参戦。ましてやドイツも初めてでドキドキしながら参加させていただきました。

1日目|日本出発、フライトは長くICEで爆睡…からのハプニング!

朝早く羽田で杉木さんと合流し、いざドイツへ。ドキドキしつつも、ネックピローとアイマスクで14時間フライトに挑むものの、やっぱり長い…。フランクフルト空港に到着した頃には夜19時、日本は深夜2時という眠気MAXの状態で、エッセンまでのICE(高速鉄道)に乗り込み爆睡。

…が、ここで事件発生!なんと杉木さんのカバンがICEに置き去りにされ、PCがデュッセルドルフ駅で「人質」に!慌てて電車を追いかけるも間に合わず…日本と違い駅員さんも非協力的です。結局、次の日に取りに行ったそうで、貴重品は無事だったとはいえ、初日から予想外のハプニングに見舞われました。

2日目|エッセンの巨大会場に圧倒される!

翌日のノベルティショー準備のため、この日はエッセン会場へ。

会場がとにかくでかい…!そして各ブースもとにかくでかい…!面積で言うとゲムマの3倍はあるそう。看板ドン!ボドゲ陳列棚ドンドン!試遊卓ドンドンドン!という感じで、迫力満点。正直名前の知らない出版社がずらり😅

今まであまり出版社を意識せずにボードゲームで遊んでいたので、ゲームの名前を聞いて初めて「あ〜ここがあのゲームのところかあ」と毎回感心。雰囲気としてはTokyo Game Showのほうが近いかな。同人卓のようなものはなく、すべてエリア出展。ヨーロッパのボードゲーム市場の大きさを実感しました。

開場設営の様子

3日目|ノベルティショーで初めてのSnow Plannerインストに挑戦

ついにノベルティショースタート!この日はエッセンの前日に開催されるメディア向けカンファレンスで、ブロガーやユーチューバーがぞくぞく登場。Snow Plannerを説明する役目を任されていたものの、いざとなると緊張の嵐!

ノベルティーショーの様子

ドイツボドゲ大賞の授賞式が終わると、メディアの方々がワラワラと会場にやってきました。すこし活気が増す会場。

これは、自分から話しかけるべきなのか?それとも、話しかけられるまで待つべきなのか?わ、わからん…!メディアの名札もなく、スタッフなのか、他の出展者なのか見分けがつかず、モジモジ。

とりあえず、隣に展示していおじちゃんに挨拶。おじちゃんも初めてノベルティショーに出るらしく、二人でわからないね〜とたわいもない世間話。でもそんな会話も20分も続かず、話題がつきる。うああ、気まずいよう。

なんとかSnow Plannerを覗き込んでいるお客さんに“Hi”と声をかけてみると、「このゲームについて教えて」と質問され、心臓バクバクしながらも説明開始。ゲームの概要や目的などをざっくりと説明。「これはドイツでこれから売るの?」と販売に興味がありそう。「明日ゲームをやりに行くよ」と言葉を残していく人や、「ローカライザーを探していないかい?」という人、「こんなブログを書いているからサンプルもらえないかい?」という人、いろんな人が声をかけてきた。かなりビジネス色がつよい。この日は各ボドゲ会社の最新作や拡張版などが展示され、メディアにお披露目する絶好のチャンス。ここで誰の目に止まるかが肝心なようです。

スノープランナーを説明中

その後も断続的にSnowPlannerの前で立ち止まる人が現れ、ゲームの説明。説明していくたびに、自分の説明もグレードアップしていく。助かるのが、みなさんボドゲ好きなので、ワーカープレースメントやリソースマネジメントという言葉で、大体ルールを察してくれる。

それにしても、みんな「見た目が素敵〜」といって、足を止めてくれる人が多い。確かに、回りのボドゲを見ても、海外のゲームって結構原色なものが多かったり、重めのゲームだと細かいイラストだったりが多い。日本のパステルな色合いにみんな吸い寄せられてるみたい。

4日目|エッセンシュピールDAY1 伝説のNokosu Dice探しに肩を落とす来場者たち

富山出身ドイツ在住のHさんも加わり、二人体制でブースを担当。この日は多くのドイツの祝日のため、家族連れや夫婦、友達同士など、たくさんの来場者が開場前から列を作っていました。

開場前に並ぶボードゲーマーたち

開場早々「Nokosu Diceはあるのか?」と聞いてくる人が大勢。しかし、残念ながらNokosu Diceの販売は今年はしていない。去年のシュピールでEngamesが販売し、長蛇の列の後、一瞬でなくなった伝説のNokosu Diceを今年こそは!と意気込んでやってきた人たちががっくりと肩を落として帰って行きます。

最近少し人気が出てきたトリックテイキング。日本ではトリテが多いと言われるようですが、海外でも熱狂的なファンは多く、トリテ情報だけを集めているコミュニティがあるそう。コロコロ堂が今回出した「Milkuro」も1日目にすぐ完売となっていました。出店者の間でもトリテは絶対売れるという定評があるらしいです。

他には、試遊はできるのか?と一人でやってくる方もいらっしゃり、昨日より詳しくゲームの手番を説明します。Snow Plannerはラウンド制で各ラウンドの中に7つのフェーズがあり、メインフェーズでは10種類のアクションがとれるという構造になっているので、なかなか説明が難しい。アクションの説明をしている間に頭を抱え出すお客さんもいました。でも、結構みんな最後までプレイしていく人が多い。ゲムマでは試遊スペースといっても、横にちょっと座れるスペースがあったりするぐらい。でも、ここではみんながっつり最後までプレイして行きます。

1日中インストをしていると喉がガラガラ。このままあと3日間持つか不安…( ;  ; )

この日の夜は同じブースで出展しているみなさんとドイツ料理を食べに行きました。

ビールのチョイスは0.3L, 0.5L, 1Lと期待を裏切らない。(この写真は遠近法で大きく見せてますが、私は喉が痛いので0.3Lです。すみません。)

ドイツビール

しかもドイツ定番の豪快な料理シュバイネハクセ。ナ、ナイフがブッ刺さっとるやんけ…!(富山弁)外はカリっと中はジューシーで絶品!サイドのザワークラウトとも良く合います。

シュバイネハクセ

5日目:エッセンシュピールDAY2まわるだけで疲れる…

今日はちょっと時間が空いた時に回ってみた。HALL3が重めのゲームで、HALL4は工場とかが多く、HALL5は子ども向けのゲームや海外のゲームが多い。HALL6は大きな企業のブースが多い。

エッセン開場図

とにかく開場が広い!エッセンには専用のアプリで場所を検索したりすることができますが、目的のところに行くまでがとにかく遠い。日本では買えない、持ち帰りやすい、ルールが新しいゲームを求めて、グルグルまわったが、人が多くて、店員さんに声かけるのも気が引け、なにがどんなボドゲかもわからず、泣く泣くアイスを買って退散。激甘でした。その後はブースにいらっしゃるお客さんと一緒にボドゲをしたり、説明したり。

疲れは最高潮。折り返しというのに一番つかれました。帰ったらベッドに直行。もう動けません。_:(´ཀ`」 ∠):

6日目|エッセンシュピールDAY3 今日こそ買うぞ!

会場に行くと、他の出展者さんもげっそり。みなさん疲れがたまりにたまって、かなり大変そう。私たちのブースは販売よりもリテール先を探しているところが多かったので、立て続けに海外の出版社とのミーティングを組み、商談続き。しかも、すべて英語のミーティングになるため、余計に疲れます。

清水もかなり疲れていて、それが顔にでていたのか、なんとHさんは私に午前中シフト変わるので、会場楽しんでおいで〜と言いてくださり神!ドイツ語でいうならGott!!

今日こそはなにか買うぞ!と人が来る前に一番混むHALL3へ!気になっていた、SETIやWyrmspanの説明を聞く。おおお面白そう!だけど、試遊せずに80ユーロは簡単には払えない…もう少し会場を見よう。グルグル。今日は時間があったのでいろんなところを回り説明をじっくり聞く。

ここで購入品紹介!最初に予算を100ユーロに決めていたので、その中での自分の中のチョイスです。

こちらはアムステルダムの街を作る投資ゲーム『Chartered: The Golden Age』。1600年代のアムステルダムを舞台にした経済・建築ゲームで、プレイヤーは商人となり、株式を使って企業を設立・拡大しながら、富と利益を目指します。企業の倉庫を増築して株価を上げたり、他プレイヤーの計画を阻止したりする戦略が求められ、企業の成長と合併を巧みに活用し、投資のタイミングを見極めることが勝利の鍵です。特にこの建物が立体的に積み重ねられ、ゲーム画進むに連れて3Dにその企業規模や富が表されているのがかっこいいと思い一目惚れで購入しました。

Chartered

こちらはトリックテイキングの『Power Vacuum』。プレイヤーは各ラウンドでトリックを使って他のプレイヤーの「パワー」を操作し、自分の隠されたアジェンダ達成を目指します。高いカードで勝利しパワーを得るだけでなく、最も低いカードを出したプレイヤーが「コントロールボード」を操作し、他プレイヤーのパワーを増減させたり交換したりすることができるのが醍醐味。時には他のプレイヤーと共闘したり、あえて敵に回ったり。ラウンド終了時にアジェンダを達成すればボーナスを獲得し、自分の「偉大なる像」のパーツを集めていきます。最初に像を完成させたプレイヤーが次の「至高の家電」となります!勝利の鍵は、すべてのトリックで勝つのではなく、最適なタイミングでカードを出し、短期的には他者を操り、長期的な利益を得ること。

Power Vacuum

他にもいろいろな面白そうなゲームがたくさん。ちょっと試遊卓に座ってやってみたりもしました。それでもやはり一人で試遊卓にすわるのはなかなか気合がいるので、タイミング良くプレイヤーを集めている時に行くか、誰かと一緒に行くことをおすすめします。

たくさん購入ができ、大満足。本当にH夫妻に感謝です。

また、この日は杉木さんの商談に同行させてもらいました。お相手はなんとあのボウザ!新しく出版社を建てたそうです。花火や世界の七不思議の作者さんです。同席して、普段の商談の様子を見学。内容は内緒ですd( ̄  ̄)

ボウザさん(右)


7日目:エッセンシュピールDAY4、最後の戦利品探し

エッセン最終日は日曜日で、さすがドイツ、みんなおやすみモード。最後の戦利品を探しつつ、出展者たちもお片付けモード。

今日でやっと終わりか〜と出展者もお客さんもなにやらやる気がなさそうwさすがドイツ。日曜日は完全にお休みモードです。お客さんもお話は聞くけど、テストプレイはしない感じ。ちょっと抜けて最後の25ユーロの使い道を探しに行きました。なかなか決め手にかけるものが多い。特にドイツ国外からの出展者は本国に持ち帰りたくない!と大幅なディスカウントをしているところも!さすがに35ユーロから15ユーロはやりすぎでは^^;

なんとなく17:00くらいになるとみんなお片付け。

夜は日本からの出展者たちとの会食で、貴重な業界話に耳を傾け、学び多きエッセンを締めくくりました。

8日目|帰国

エッセン駅からICEでフランクフルト空港へ、そして羽田へ13時間のフライト。ついに日本に帰国!

エッセンシュピールではビジネスの交渉や文化の違いを間近で体験し、得るものが多い濃密な1週間でした。

Essenの感想

エッセンで最も印象に残ったのは、やはり「エッセンは〈遊ぶ〉イベント」でありながら、「ビジネスの場」であるということです。ゲムマに比べると何十倍も試遊卓が広く設けられており、2~3時間の重めのゲームであっても、来場者はじっくり腰を据えて遊びます。私たちのブースはほとんど購入することはできませんでしたが、遊びに来る人がちらほらといました。

一方、ゲームマーケット(以下ゲムマ)は試遊スペースを設ける出展者もいますが、重めのゲームをじっくりプレイするよりも、短時間で概要を聞いて購入する方が多い印象です。やはり、ゲムマにはその日しか手に入らない同人ゲームが多く、その日しから手に入らないものや限定品があり「買う」ことがメインになります。

正直なところ、エッセンでは会場を回っていると一人だけで試遊卓に座るのは難しく、限られた予算で買って帰るボドゲを見つけるのが大変でした。でも、ダンボール箱いっぱいにボドゲを購入し、自分で持ち帰ることを諦めて郵送している日本からの出展者さんたちいましたけどね(^_^;)

でも、ブースの奥には商談スペースを設けているところが多く、裏では日本での販売や工場での生産などさまざまなビジネストークがされています。私もブースでお留守番中何枚も名刺をもらっちゃいましたΣ('◉⌓◉’)イベントの大きさやブースの広さからも海外でのボドゲ市場の大きさを感じました。

終わりに

今回はEssen Spielインターンの報告でした。
すでに2024年が終わろうとしているギリギリの滑り込みの報告でしたが、ここまで読んでくださった方ありがとうございます!

Weepleは12月からアドベントカレンダーを投稿しているので、興味がある方はぜひ他の投稿も読んでみてください!

I wish you a very Merry Christmas :)
May your holidays be filled with lots and lots of boardgames!

いいなと思ったら応援しよう!