金持ちの友人に、密かにつけたあだ名は貴族

私の友人で、今は会ってないけれどすごく魅力的なコがいました。普段彼女の私服はロリータファッションで腰まである美しい髪、身長は150cmくらいで、小顔、まるでお人形さんみたいでした。当時、クラッシックロリータファッションにあまり関心がありませんでしたが、たまたま嶽本野ばらの下妻物語が好きだったこともあり、気が合い、お友達になりました。彼女はお嬢様言葉を優雅に操り、毎日違うロリータ服に身を包んでいました。彼女の昼食は、コーヒーとマドレーヌ一個だけ。華奢な体型を維持するためだそうです。私はちなみに学食。彼女は、本当にミステリアスなコで裏では被写体になるお仕事をしてると聞きました。今は何をしているんだろう。彼女の「ごきげんよう」「そうでございますわね」という丁寧すぎる話口調を時々思い出します。彼女がいつも持ち歩いていた彼女のお手製の鞄が凄く可愛らしかったのと、彼女が持ち歩いていた練り香水がまたお洒落だったなということ、そして魅力的な個性を大事にしている彼女の凛とした佇まいも。彼女はフランス語が得意で、美術館巡りと絵葉書コレクション、刺繍が趣味ということで、少女漫画の世界から本当にうっかり抜け出してきたような愛くるしい女のコでした。私は心の中で彼女を“貴族”と呼んでいました。当時、私が「今日アレになっちゃったんだ」と話した時、「ホホホ女の子の日のことでございますか。体調にはくれぐれもお気をつけてあそばせね」と彼女が無邪気な瞳で微笑んでくれた日をなぜか忘れられない。





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