ベトナム不動産の価格は急上昇!ベトナム不動産のメリット・デメリットを徹底解説
近年、ベトナムの不動産は価格が急上昇しており、海外の不動産投資家からの関心が高まっています。
今回は、ベトナム不動産の価格推移をご説明するほか、ベトナム不動産投資のメリット・デメリットについても解説します。
ベトナム不動産投資でおすすめのエリアなどもピックアップしていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
近年のベトナム不動産価格の推移
近年のベトナム不動産は価格が特徴的に推移しています。
ここでは、ベトナム不動産の価格について詳しく見ていきましょう。
2018年ごろから4年ほどでハノイの不動産価格は約2倍に上昇
ベトナムでは2015年に住宅法が改正され、外国人による不動産投資が可能になりました。
海外資本の受け入れによって、ベトナムの不動産は価格が上昇していきます。
大手不動産業者のクッシュマン&ウェイクフィールドによれば、2018年ごろと比較してベトナム不動産の価格は急激に上昇しています。
同社のレポートによれば、2023年第3四半期(10〜12月)、ハノイ周辺の新築住宅の平均価格は2018年に比べて約2倍にもなりました。
当地の不動産価格は1㎡につき2,141USD(約34万円・1USD=159.14円)に達しています。
コロナ禍からは早期に回復
2020年にパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症による打撃は、ベトナム不動産業界にも波及しました。
感染が拡大し始めた2020年3〜7月には、住宅の需要が低迷しました。
ただし、2020年8月には不動産価格に回復の兆しが見られ、10〜12月には1万戸近い住宅需要があったといわれています。
また、2020年・2021年のベトナムのGDP成長率は約2.5〜2.8%上昇しており、当国の経済事情はコロナ中でも堅調であったことがうかがえます。
2022年の「ベトナム不動産危機」をきっかけに価格は一時的に下落
コロナ禍による打撃からは比較的早く回復したベトナム不動産業界ですが、2022年に危機的状況を迎えることになります。
「ベトナム不動産危機」の原因ともいわれる以下の出来事で、業界は不振に陥りました。
大手不動産会社や多数のデベロッパーによる不正な社債発行が2022年4月に発覚
上記の事件に伴い、政府が規制の強化を実行
社債発行の厳格化により、デベロッパーの資金繰りが悪化し経営不振に陥る業者が続出
銀行も金利を上げたことから市場全体が低迷
大手不動産会社の不正に端を発した一連の出来事により、不動産価格も下落しました。
2024年の不動産市場は再び活性化
2022年の「不動産危機」によって低迷した業界ですが、政府が社債の償還や銀行借入利息の返還に対して猶予するといった支援策を打ち出しました。
銀行の金利が引き下げられたこともあり、不動産業者や投資家は融資を受けやすくなり、不動産購買意欲は上昇傾向にあります。
ベトナム経済・ビジネス情報サイト「VeitBiz」(運営企業ONE-VALUE株式会社)によれば、2023年の不動産セクターへのFDIは3,660億USDに達しており、個人投資でも1,400億USDとなりました。
2024年はさらなる活性化が期待できるようです。
2024年は戸建て住宅の需要が増加
ベトナムでは、コンドミニアム(マンション)だけでなく、戸建て住宅(一軒家)の購入意欲も拡大しています。
前出の「VietBiz」調査によると対象となった業者の39%は、戸建て住宅の取引量が安定していると回答しました。
また、2024年第1四半期(1〜3月)には、取引量が10〜50%増加したと業者の17%が回答しています。
2023年の同時期と比較すると、戸建て住宅の購入希望者は3〜24%増加し、約900万円〜1,800万円の価格帯に最も集中しているとのことです。
⚫︎2024年の土地価格も上昇傾向
ONE-VALUE ベトナムの統計によると、ベトナムの土地市場も改善の兆しを見せています。
ベトナムでの土地への関心度は、2024年第1四半期には2021年ピーク時の48%に達したとのことです。
2024年初めの土地販売価格は前年同期比と比較して、南部では3%減少しましたが、北部では25%・中部では4%増加しました。
政府の法整備もあり2025年以降も期待大
ベトナムでは2022年の「不動産危機」により不動産価格が下落しましたが、業界是正を図った「土地改正法」が国会において賛成多数で可決しました。
業界の健全化に政府も意欲を示したもので、新法案は2025年1月1日より施行されます。
海外不動産投資家にも関連する新法案の骨子は以下のようなものです。
土地の評価基準を明確にし、価格の適正化を図る
ミニアパートの建築基準を厳格化し、安全性の向上を図る
土地使用料の一括払いを「投資プロジェクト」や「商業用」に限定し、使途を明確化する
16章と260条からなる法案が可決されたことで、ベトナム不動産の取引がより活発になることが期待されています。
ベトナム不動産投資のメリット7選
近年、投資家の関心が高まっているベトナム不動産には多くのメリットがあります。
ここでは、ベトナム不動産投資のメリットを7つに分けて解説します。
人口が増加しており若年層が多数
下のグラフが示すようにベトナムの人口は1970年以降、右肩上がりに増加しています。
出典:Data Commons
外務省の統計(2024年6月11日)によると、ベトナムの現人口は1億人を突破しました。
なお、下のグラフは2021年時点での、ベトナム国内の年齢別人口構成です。
グラフが示す通り、ベトナムの年齢別人口は若年層が多い構造になっており、将来にわたって豊富な労働力も期待されています。
GDPはほぼ毎年にわたって上昇
ベトナムではほぼ毎年にわたってGDP成長率が上昇しています。
ベトナムのGDP成長率は以下の通りです。
出典:世界の経済ネタ帳
2020年・2021年はコロナ禍で成長が鈍化していますが、それでもマイナスにはなっておらず、GDP成長率は好調に推移していると読み取れます。
2023年・2024年は以前のように急激な上昇はしていませんが、それでも5%を上回る成長率です。
GDP成長率の上昇に伴って不動産需要も増加しており、ベトナム不動産は投資家からの関心が高まっています。
賃貸物件が外国人に人気
ベトナムは経済成長が好調なことから、海外企業の進出も活発で、外国人労働者の駐在も増加してきています。
特にホーチミンやハノイといった都市部にオフィスを構える企業が多く、周辺部は外国人からも人気のエリアです。
企業によっては駐在員に家賃補助を支給しており、ベトナムの外国人向け高級コンドミニアム(マンション)の購入は投資においても狙い目といえます。
国内の所得平均が上昇傾向
外国人と比較するとベトナム現地人の所得は低いのが現状ですが、好調な経済成長によって、ベトナム国内の所得も増えてきています。
経済産業省のレポートによると、ベトナム国民の所得は以下のように推移しています。
中間所得層(世帯所得5,000~34,999USD):2000年は約11.7%→2020年には約51.9%
上位の中間所得層(世帯所得10,000~34,999USD)の割合が特に増加
所得の水準が上昇し中間所得層が増加するのは、日本の高度経済成長期とも合致する特徴です。
国民全体の所得が上昇することで、不動産の需要もさらに高まると期待できます。
不動産物件は周辺国よりも低価格
ベトナムの不動産価格は、周辺国と比較して安価で、不動産投資を始めやすい環境といえます。
以下は、東京を100として世界各国の都市の住宅価格を比較したグラフです。
出典:一般社団法人 日本不動産研究所「国際不動産価格賃料指数」(2024年4月現在)
ホーチミンの高級住宅の指数は東京の約4分の1となっており、東南アジア諸国のなかでも安価です。
不動産価格が安いため、元手となる資金が少なくて済んだり、銀行からの融資を受けやすくなったりというメリットがあります。
不動産価格は今後も上昇する見通し
ベトナムの不動産価格は周辺国と比較して安価と述べましたが、経済成長が活発なため、不動産価格そのものは上昇しています。
以下はホーチミン市内の住宅価格の推移を示したグラフです。
※青線は新築アパートの価格、赤線はインフレ調整後の新築アパートの価格を示します。単位はUSD
出典:Global Property Guide
将来にわたって労働人口の増加が期待できる
GDP成長率は好調に推移している
海外企業の進出や観光需要が活発である
以上のような要素もあり、不動産価格は今後も上昇することが期待されています。
日本に比べて税金が安価
ベトナムでは不動産収入に対する所得税は5%で固定されています。同様に付加価値税も5%で、不動産収益に対する税率は10%です。
日本は累進課税制度によって所得税が5〜45%かかるほか、家賃収入が195万円を超えるとさらに10%の所得税が課せられます。
日本では不動産所得が高いほど税金も上がりますが、ベトナムでは不動産所得が高くても税金が安いため、大きな収益を見込めます。
ベトナム不動産のリスク・デメリット5選
ベトナム不動産投資にはリスクやデメリットも存在します。
ここでは、ベトナム不動産投資にはリスク・デメリットを5つご紹介します。
リスクやデメリットも把握して、適切な投資を心がけましょう。
物件の建設が中断するリスク
ベトナムではデベロッパーが少額の資金を出資し、残りの費用を銀行融資や物件の収益で補填するという特徴があります。
デベロッパーの資金繰りが悪化した場合、建設プロジェクト自体が頓挫する可能性もあるので要注意です。
物件の建設が中断されると物件も手に入らないどころか、投資額も払い戻されません。
実際、ベトナムでは2022年に大手不動産業者が不正に社債を発行し、投資家から集めた資金を用途外に使用していた事件がありました。
近年は法整備によって業界の健全化が図られていますが、デベロッパーの倒産リスクなどには引き続き注意が必要です。
ドン安による為替リスク
ベトナムの基軸通貨はVND(ドン)ですが、VNDは特にUSDと比較した場合、ドン安になりがちです。
以下は、最近のUSD↔VND(ドン)のレート推移です。
2024年の為替レートは下降を続けており、過去半年ほどで-3.58%を記録しました。
ベトナム国内では不動産収益が増加しても、為替リスクにさらされやすいという欠点があります。
権利書が発行されないなど契約に関するリスク
ベトナム不動産では業者が権利書(レッドノート)を発行しないケースが珍しくありません。
権利書は物件を長期間にわたって使用することを定めるものですが、デベロッパーによっては権利書を発行した経験がなく、対応できない場合があります。
権利書がないと物件の信頼性が担保されず、売却時に価格が下落してしまうというリスクがあります。
権利書が発行可能かどうか、契約時に確認しておくことが重要です。
社会主義国家であるためのカントリーリスク
ベトナムは社会主義国家であり、政府の発言力が非常に強いという特徴があります。
社会主義であるため、外国人の不動産投資にも少し厳しい規制があります。
政府や役人の意向で法律が変わる可能性が民主主義国家に比べて高いと考えられ、カントリーリスクについても考慮しておいた方がよいでしょう。
海外への送金手続きが煩雑というデメリット
ベトナムは社会主義国家であるため、個人の資金のやり取りにも厳格な側面があります。
ベトナム国内に保有している資金を海外に送金する際は、納税証明などの多くの書類や煩雑な手続きが必要です。
書類作成には現地の税理士を指定する必要があり、さらに手間を感じやすいでしょう。
目的が明確であれば送金自体は可能ですが、銀行によっても対応にバラつきがあるのが実情です。
資金の流動性が低い点は、デメリットとして考慮しておく必要があります。
ベトナム不動産における5つの注意点
ベトナム不動産投資にはいくつかの条件や制限があります。
ここでは、ベトナム不動産投資での注意点を5つにまとめています。
土地の購入は不可能
ベトナムでは土地法で国家が「土地の全人民所有者を代表して土地を統一して管理する」と規定されています。
土地の所有者は国であり、土地そのものを購入するのではなく、国からの使用許可を得て土地を利用するという考え方です。
国から発行される権利書を得たうえで、土地を「所有」するのではなく、「使用」が可能になります。
集合住宅の場合はデベロッパーから権利書を得て、割り当てられた区分が使用可能になりますが、業者によっては権利書の発行に対応していないので要注意です。
物件を使用できる期間は有限
外国人がベトナム国内の土地を使用できる期間は、上限が50年と規定されています。
ただし、1回は期限を延長できるので、実質的な使用期限は100年です。
そこまで短い期限ではありませんが、永続的に土地を使用できるわけではないと覚えておきましょう。
外国人が購入できる物件の割合を制限
外国人が物件を購入する場合、以下のように上限が定められています。
コンドミニアムなどの集合住宅:1棟あたり全戸数の30%
一戸建て住宅:1街区あたり250戸
特に、コンドミニアムを1棟まるごと購入するといったことは不可能なので要注意です。
外国人による中古物件の購入は原則不可
ベトナムでは、外国人による中古物件の購入は認められていません。
ただし、物件の前オーナーが外国人である場合は、使用権を引き継ぐ形で物件を購入可能です。
使用年限は、前の権利者が使用していた期間を差し引くので注意が必要です。
個人による事業用物件の使用権は取得不能
ベトナムでは外国人へのコンドテル(商業用途)の使用権を認めていません。
個人がコンドテルを使用したい場合、開発会社が物件を所有し、契約書によって購入者の権利を担保する形を採るのが一般的です。
逆に、個人は使用目的を問わず住宅を購入できますが、法人による住宅購入は用途が社宅に限定されるので要注意です。
ベトナム不動産の想定利回りは3~5%程度
ベトナム不動産の平均利回りはアジア諸国でも高水準の部類に入り、3〜5%程度となっています。
以下のグラフは、2024年6月時点での各都市の賃貸物件の利回りを比較したものです。
ハノイと東京の利回りはほぼ同水準ですが、ベトナムの不動産価格は日本に比べて非常に安いため、日本の物件よりも費用対効果は高いといえるでしょう。
少額の資金で大きなリターンを期待できる点は、ベトナム不動産投資の大きな魅力です。
ベトナム不動産のおすすめエリア3選
ベトナム不動産は物件が安く利回りが高いため、大きなリターンを期待できるとご説明しました。
ここでは、ベトナム国内でも特におすすめのエリアを厳選してご紹介します。
物件のエリア選びも収益に深く関係しますので、初心者には特におすすめです。
ホーチミン | 経済活動の中心エリア
ホーチミンはベトナム国内で最大級の規模を誇る商業都市です。
近年は首都であるハノイから徐々に機能が移転しており、ますます重要性が高まっています。
商業施設が建ち並び、海外企業も多くオフィスを構えており、経済活動の中心地です。
外国人からも人気で家賃も高いので、不動産収益も大いに期待できます。
市内でも一等地に属するレタントンは、日本人も多く在住している高級住宅街で、ホーチミンでも狙い目のエリアといえます。
ハノイ | ベトナムの首都にして政治の中心地
ハノイはベトナムの首都であり、政府の機関や大使館が集中する行政の中心エリアです。
近年はホーチミンの発展が著しいですが、ハノイが依然としてベトナムの主要都市であることに変わりはありません。
ハノイは雨季の5〜9月は湿気が多いですが、そのほかのシーズンは気候にも恵まれており、過ごしやすいという特徴もあります。
ハノイのおすすめエリアは以下の通りです。
バーディン区:日本大使館や日系企業のオフィスが数多くある日本人街
コウザイ区:大学やショッピングセンターがあり、学生からも人気
ナムチュリム区:大型のコンドミニアムの建設が進む高級住宅街
ハノイはフランス統治時代の名残が見られ、芸術の街としても有名です。
ダナン | 観光とビジネスのホットスポット
ダナンには米雑誌「フォーブス」の「世界の魅力的なビーチ6選」に取り上げられたミーケビーチが位置しています。
ビーチ周辺には、高級リゾートホテルやおしゃれなカフェ・レストランが数多くあります。
国内屈指のリゾート地として観光需要が高いほか、風光明媚なロケーションから、ビジネスの拠点としても人気です。
不動産投資の対象としてはホーチミンやハノイに注目が集まっていますが、ダナンも今後の発展が期待できる重要エリアといえます。
アンナアドバイザーズではベトナム不動産の取り扱いを開始
弊社では2024年より、ベトナム不動産の取り扱いを開始しました。
弊社はカンボジア不動産で数多くの物件の売買・賃貸を斡旋した実績があり、経験豊富なスタッフによるきめ細かなサポートを提供可能です。
ベトナム不動産においても、代表を含む主要スタッフが現地を視察し、物件の良し悪しを厳正に判断しています。
また、現地に根付いた不動産業者と提携することで、表からはわかりづらい物件の裏事情についても把握しております。
日本人によるフルサポートに対応し、お客様の資産状況に合わせた物件をご案内可能ですので、ベトナムで不動産をお探しであればぜひ弊社をご用命ください。
まとめ
今回は、ベトナム不動産の価格推移についてご紹介しました。
ベトナムはGDPが好調に成長しており、不動産価格も数年前から急上昇を遂げました。
ベトナム不動産投資は費用対効果への期待感や高水準の利回りから、投資家からの関心も高まっています。
弊社では、カンボジア不動産での仲介実績をもとに、ベトナム不動産の取り扱いも開始しました。
優良物件を厳選してご紹介しておりますので、ぜひ弊社を経由してベトナム不動産投資にトライしてみてくださいね。