海綿を見たら何が思い浮かぶ?
絶賛荷物整理中。
というよりも元々荷物をバンバン捨てる派の私。
最近は捨てたい症候群が更に強くなって昔の仕事のテキストやら手紙やらそんなものも捨てるようになってしまった。
売りに出せるもの、捨てるもの、考えるものの3種類に分け、売りに出せるものは一旦家族に必要かどうか聞く。
その中で海綿を手に取った姉は、
「わー美意識が高い子はやっぱり違うねぇ」と言った。
子育て中の姉は子供の体を洗うように使う海綿を洗顔や体を洗うのに使っていると思ったらしい。
「私なんかタオルでゴシゴシ洗ってあかんわ」と。
褒めてくれる姉に対しわざわざ事実を伝えることもなく、
「いる?」
とだけ聞く。
「もう2人ともそんな歳ちゃうからいいや」
と、姉。
姉が要らないなら使い道はもうない。
なぜなら私は仕事を辞めてしまったから。
私の海綿の用途は生理中でも仕事をする為に女性器に突っ込んで血を止める為だった。
そんな使用用途があるなんて姉の頭にはないのだろう。
ジップロックに入った海綿達。
どうせゴミになるのならとネットで販売。
するとすぐに値引き交渉のコメントが来た。
「絵を描く際に使いたいのですがお値引き可能ですか?」
あぁ、そんな使い方もあるんだ。
また知らない世界を知った。
私の狭い世界では海綿を買う=生理中でも働かなければならない女の子というイメージしかなかった。
だから薬局で海綿を手にする若い女の子を見かけると彼女も戦ってんだなあなんて心の中で思ってしまっていた。
しかしながら、この300円の取引一つで海綿はお金を稼ぐだけでなく夢を与えるのにも使われるのだと知ることが出来た。
知らなかった世界を知り嬉しくなったとと共に来世では海綿を見て子育てやお絵描きを想像してあったかい気持ちになる人生を送れますようにと願うばかりであった。