ある研究所の末路 毎週ショートショートnote 謹製金星菌性
本文
これは、ある研究所の跡地から見つかった文書の一部である。
金星に生息するとされる、人類に毒:菌性を持つ生物を、心を込めて作る:謹製すると、生存確率は高まるという。
金星から持ち帰ったサンプルを徹底的に観察し、DNAなどを徹底的に分析したうえで、再現を試みたようだ。
しかし、再現は困難だったようだ。
どうやらその生物は、地球上の生物とは根本的に異なっていたらしい。
その生物の菌性は他の生命体;特に動物に寄生したうえで発現する。
それ故に、生物実験をすることにした。
すると、宿主を死なせたうえで、後からその生物が宿主として行動することが判明した。
しかも宿主の体についてだが、生前より丈夫な体になるという。
また、その生物は大切に育てられれば育てられるほど菌性は強くなることが判明した。
すなわち、早く体を乗っ取られてしまう:体は助かるが、自我は失われてしまう。
その計画に失敗した末路が研究所の滅亡だ。
あとがき
今週もたらはかに(田原にか)さんの企画に参加いたしましたわ。
今回は裏お題「謹製金星菌性」で書いてみましたわ。
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ぜひご支援の程、お願い申し上げますわ。