アルプス笑点かい？

本文

ソーソソソドラソ　ラッラッ
ソーソソソドラソ　ラッラッ

これは日曜夕方のあの番組の曲じゃないか。
しかし、何という楽器だ？
聞きなれない音色だ。

音源のもとへ行ってみる。

何人かの人物が、その楽器を演奏しているようだ。
演奏が終わった後、声をかけてみることにした。

「すみません」
「はい、何でしょう」
「皆さんが演奏していた楽器、それは何ですか？」
「アルプホルンといいます。アルプス地方の民族楽器ですよ」

アルプホルンから始まり、私と演奏者たちはしばらく雑談をしていた。

「それにしても皆さん、調節がものすごくうまいですね」
「そうですか？お上手ですね」
「本心ですよ。それにチームワークもぴったりです」
「そんなことないですよ。飛騨組や木曽組と比べるとまだまだです」
「あの、どういうことです？」
「私たち赤石組は飛騨組や木曽組のように離れたところから相手の音を拾えないんですよ。先ほどの『笑点のテーマ』も、飛騨組と木曽組の音がうまく拾えていないと言われましたから」

何かが、おかしい。
自分の座布団をすべて抜かれたような気がした。

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