モカ入り卒業式
本文
「卒業おめでとう」
思えば短い時間だった。
本来、私は甘さを抑えるためにここに来たのだ。
けれど、甘さをさりげなく出すことも生きていくには大切だと教わった。
私の考え方が180度変わった瞬間だった。
嘗ての私は、甘さは幼さであり、弱みを見せつけているようなものだと思っていた。
甘さは恥。
自分を大切にするなどもってのほかだ。
自分を大切にしてと言ってくれたのが恩師だった。
「君はモカのように、さりげない甘さが取り柄だ。エスプレッソのように苦さだけで生きる必要はない」
ブラック一筋で行こうとしていたけれど、案外何かを入れるのも悪くないかもね。
エスプレッソが多い中、私はモカで卒業します。
未来に中東の風を吹かせよう。
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