べこクィーン鉄塔

本文

べこクィーン鉄塔。
東北の某所にあるという。

その名の通り、牛の女王のための鉄塔だ。

その鉄塔がいつから現れたのかはわからない。

現れてからというもの、牛の統率が簡単に取れるようになった。
畜産関係者にとっては良いものである。

さて。
例の鉄塔が現れてから、牛乳の生産量に変わりはない。

しかし、牛肉の生産量が極端に減少しているのはお気付きだろうか。

牛たちが食べられぬよう、知恵を絞りだしているのだろうか。

否。
むしろあの鉄塔が指示を出しているに違いない。
屠殺場を避ける牛たちの行動は、絶対的な命令があってこそだ。

あんなことは今までなかった。

誰が呼んだか、「べこクィーン鉄塔」。

恐ろしさは計り知れない。

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