ヘルプ商店街
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今日も今日とて、商店街を歩く。
いつもと変わらぬ風景…のはずだった。
この頃商店街のあちらこちらにHELPと落書きがされているのだ。
店のシャッターに、石畳、街灯、看板、商品説明POPなどにまで。
あらゆるところに落書きされている。
商店街管理団体は器物損壊として被害届を出した。
しかし、人間がやったにしては、明らかに無理がある。
そう結論付けられた。
まず、人間では本来上ることができない高さにまで落書きがある。
また、マンホールの裏にまでHELPの落書きはあった。
いずれも、作業の形跡がなかったという。
いったい何なんだ。
落書きをやめてほしい。
その一心で、A氏は手掛かりを探した。
「ヘルプ商店街」としてSNSの話題になっていたためか、写真は多く挙げられていた。
しかし、肝心の証拠にはならなかった。
頼みの綱のカメラ。
するとどうだ。
何もなかったはずの場所に、突如HELPと文字が書かれた。
A氏は問題の場所に行ってみる。
人間が登るにしては高すぎる。
人間以外の何かが助けを求めている。
それしかわからなかった。
参加企画
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